2015年4月15日 (水) 掲載

◎函高専生開発のロボット最高賞…ヤフー主催のコンテスト

 ヤフー(東京)が主催するロボットなどの開発コンテスト「Hack U KOSEN」がこのほど同社で開かれた。函館の情報に反応するイカ型ロボットを開発し、今春に函館高専専攻科生産システム工学専攻を卒業した中村優吾さん、山口尚哲さん、井口泰隆さん、宮原湧司さん、中島真太郎さんのチームが最高賞の最優秀賞に輝いた。

 ヤフーが社内で行う業務外の開発イベント「Hack Day」にちなんだコンテスト。自由な発想や好きな技術を使ってものづくりに取り組んでもらおうと、同様の学生向けイベントを2013年から開催、高専生向けは今回初めて。3月28日に行われ、全国の高専から22チーム計75人が参加、個性豊かなアイディアを提案した。

 5人が開発したのは、地域密着イカ型ロボット「マイカルジャクソン」。函館の観光名所「五稜郭タワー」と名物「イカ」を模したロボットで、3Dプリンター(身体)とビーズ(足)で製作した。搭載したコンピューターは、ウェブ上の短文情報サービス「ツイッター」から、「函館」に関するツイート(文章)を自動で取得。内容を解析し、ツイートが好印象の場合はロボットの足が高速で回転する。函館高専の小山慎哉准教授「地域の魅力について、今までにない形で面白く伝わるロボット」と話す。

 技術力やご当地ロボットとしての他地域への発展性が評価され、最高賞を獲得した。5人を指導した小山准教授は「開発に悩む箇所もあったが、協力して取り組めていた。それぞれ就職や進学など別々の進路を歩んでいるが、今後の活躍に期待したい」と話した。(斎藤彩伽)



◎手打ちそばぐるーぷ函館白花 今年度の活動開始

 函館近郊のそば打ち愛好家でつくる「手打ちそばぐるーぷ函館白花(びゃっか)」(斉藤誠会長)が本年度の活動をスタートした。3月に長万部町などで行われた「素人そば打ち段位認定試験」では受験者7人が初〜3段の試験に全員合格。団体戦でも会員チームが優勝を果たした。今年も技術向上を目指し、手打ちそばの魅力を広める活動を続け、新会員の参加も募集している。

 同会は、毎月第2土曜日に市内東川町の市女性センターで例会を開き、会員がそば打ちの技術を磨いているほか、福祉施設でのボランティア活動などを行っている。段位は「全国麺類文化地域間交流推進協議会」の認定試験で、3月の空知管内北竜町で開かれた試験では3段合格者を新たに輩出。長万部町での大会でも2段、初段にそれぞれ3人が合格した。

 昨年秋に入会した上野琴美さん(53)は今回初段に合格し、最優秀賞も受賞。「そば打ちの魅力は『言うことを聞かない』ところ。思うようにいかないことがあっても毎回違うので楽しい」と話す。

 本年度1回目の例会を開いた11日は20人ほどの会員が集まった。この日は、そばのほか、かき揚げとギョウジャニンニク、アズキナの天ぷらも用意し、打ったばかりのそばと季節の味を楽しんだ。

 斉藤会長は「楽しく和気あいあいと活動をしている。今年はそばに合う料理も取り入れながら会の輪を広げていきたい」と話している。例会は見学も可能。問い合わせは松本文男事務局長(TEL090・6210・8847)へ。(今井正一)



◎高浜原発差し止め決定 函館の関係者も評価

 関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の安全対策は不十分として、周辺住民らが再稼働差し止めを求めた仮処分の申し立てに関し、福井地裁(樋口英明裁判長)は14日、申し立てを認める決定をした。仮処分手続きで差し止めが認められたのは初めてで、大間原発(青森県大間町)の建設差し止め訴訟を起こしている函館市や市民団体の関係者は、「大間訴訟の追い風になる」と高く評価した。

 高浜原発の2基は今年2月に原子力規制委員会の審査に合格しているが、判決では規制委が定める新規制基準に基づき、基準地震動を370ガル(加速度の単位)から最終的に700ガルに引き上げたことに対し、「耐震安全性確保の基礎となるべき数値だけを引き上げる対応は、社会的に許容できることではない」と、新規制基準を事実上否定。さらに、使用済み核燃料についても「格納容器のような堅固な施設によって閉じ込められていない」と、管理のずさんさを指摘した。

 函館市の工藤寿樹市長は14日の会見で、判決に対し「きちんとしたことをついており、心強い判決。追い風になる」と評価するとともに、「田中(俊一)委員長は新規制基準に合致するかどうかを判断するのが規制委の役割だと言っている。(新規制基準が)緩やかで合理性を欠くとすれば、規制委の審査が何なのかを投げ掛けている」と述べた。

 市が国と電源開発(東京)に対して提訴した訴訟では、国際海峡に面している点や活断層の評価がなされていない点を指摘している。同市長はその上で「有効な避難計画の策定や30㌔圏内の同意権も、(規制委の)審査の基準にすべき」と強調した。

 仮処分は訴訟と違い、決定が出た段階で効力が生じる。同市長は大間原発に対する仮処分申し立ての手段を取ることについては「建設途上で、差し迫っていないと判断されるかもしれない」として現時点では考えていないとした。ただ、「強引に稼働しようとすれば、同じ手段も頭に入れておかなくてはならない」と述べ、含みを持たせた。

 また、函館地裁に差し止め訴訟を起こしている市民団体「大間原発訴訟の会」代表の竹田とし子さん(66)は「素直に喜びたい。原発の再稼働はノーだと思っているので、なおさらうれしい。これを契機に日本の原発訴訟が変わってくれることを願う」と判決を評価。同団体などは15日に6次提訴を行うことにしており、「良いタイミング。7次、8次と原告団を募って訴訟を起こし、大間原発を何としても止めたい」と力を込めた。(千葉卓陽、山崎大和)



◎新入学児童 初給食「おいしい!」…市内公立小でスタート

 函館市内の公立小学校で、新1年生の給食が始まった。13、14の両日には、46校中40校で始まり、児童は友だちと会話しながら、初めての給食を楽しんだ。

 このうち、函館神山小学校(山田幸俊校長、児童318人)の1年1組では、午前11時40分から準備をスタート。児童の半数の12人が配膳当番を担当し、給食が盛られた皿を手分けして運んだ。

 この日の献立は、カレーライス、キャベツのドレッシングサラダ、ぶどうゼリー、牛乳の4品。子どもたちは「いただきます」と元気よく声をそろえ、給食を口いっぱいに頬張って「おいしい!」。おかわりをする児童もいて、全ての食缶が空になった。

 初めての給食に先立ち、山田ちさと栄養教諭が学活の授業で準備の流れや食事のマナーを指導。この日は予定していた時間通りに配膳が完了した。担任の長谷川義高教諭は「初日としては上出来。これから準備に掛かる時間をだんだん縮めていければ」と話していた。

 後藤暖佳(ほのか)さん(6)は「全部おいしかった!明日からも全部食べたい」と笑顔を浮かべていた。(稲船優香)