2015年4月16日 (木) 掲載

◎函館—小樽・ニセコ・倶知安 二次交通充実へ連携

 北海道新幹線開業を見据えた観光課題について連携を深めるため、後志管内の貞村英之小樽市副市長、片山健也ニセコ町長、西江栄二倶知安町長が15日、函館市の工藤寿樹市長と懇談した。国際的なスキーリゾート地としての人気が高まるニセコ圏と函館圏を結ぶ二次交通の充実や観光周遊ルートの構築に向け、相互連携を確認した。

 ニセコ、倶知安、蘭越町で構成する「ニセコ観光圏」は、長期滞在型のスキーリゾート地としてオーストラリア人客に人気。新幹線札幌延伸時には倶知安駅が乗り入れ駅となる。1月に函館市が立ち上げた「青函圏・みなみ北海道連絡会議」にも参画している。

 片山町長は「今シーズンは延べ宿泊者が45万人を越える見通しで、カナダやヨーロッパの増加が顕著」とし、滞在客の訪問先として函館方面の需要も高いと紹介。函館圏との二次交通を充実させることで、さらなる観光客増加を期待した。

 工藤市長はニセコ圏と函館とは外国人客の国籍、主力シーズンの違いから補完関係の強化を期待。さらに「函館の観光客は、3分の2が宿泊客で、道外客、リピーター客が多い。2回、3回と来ている人は、函館から少し先まで足を伸ばす可能性がある」とし、国内客の新規開拓に向けて取り組む北関東などでの観光プロモーションへの参加を呼び掛けた。

 懇談終了後、片山町長は「道央、道南圏の底上げを図ることで、世界に向けての観光価値を上げていくことができる」と連携の意義を強調。西江町長は「新千歳空港からも函館からもニセコ地域まではバスで同程度の時間。冬場は天候に左右されない新幹線の利用は増えるだろう」と期待感を示した。(今井正一)



◎「緑の島」準備完了 全面供用開始

 函館市が2012年度から整備を進めてきた函館港の港湾緑地「緑の島」(8㌶)の工事が完了し、4月から全面供用を開始した。約1万5000平方㍍の芝生の多目的広場と約6000平方㍍のアスファルト舗装したイベント広場、約8000平方㍍、約230台分の舗装した駐車場を整備。大規模イベント開催時など、全体の一体的な利用が可能となった。

 緑の島は函館港のしゅんせつ土砂の処分場として1980年に建設が始まり、91年から緑化が進められ、多目的広場を整備。未整備の部分も暫定的に市民に開放し、13年には函館出身のロックバンド「GLAY」が2日間で計5万人を動員した野外ライブの会場となった。

 12年度からの整備の総事業費は約5億円で、未整備だった北側の3・2㌶を中心に盛り土の切り崩しや築山の造成、給排水施設の整備、管理棟の設置などの工事が進められた。整備完了により、多目的広場とイベント広場は連続性を持った敷地となり、駐車場と合わせて利用することが可能となった。

 学校行事やイベントなどで使用する場合は2週間前までに市に届け出が必要。問い合わせは港湾空港部管理課(TEL0138・21・3486)へ。(今井正一)



◎詩吟の魅力伝えたい 道南岳風会26日5周年記念大会

 詩吟の奥深さを感じて—。日本詩吟学院認可北海道道南岳風(がくふう)会(野村岳駿会長)は26日正午から、創立5周年を記念した吟道大会を函館市芸術ホール(五稜郭町37)で開く。吟道大会は、創立時に室蘭で開いたが、函館で開くのは初めて。大会に向け、会員の練習に力が入っている。

 2009年までは北海道本部函館支部として活動してきたが、09年末に本部が解散。同会はそれまでの流れを引き継ぎ、10年1月に設立した。現在は函館、室蘭、八雲、伊達、白老の5支部で計1000人ほどが活動。このうち、函館支部は230人で、各地の26教場で日々鍛錬に励むほか、今年2月からは月に約3回のペースで会員が集まって練習している。

 大会では、各支部の会員が漢詩や和歌、新体詩など多彩なジャンルを吟詠する。メーンは、幕末から明治時代の函館の写真をバックに函館支部の会員が吟じる「函館詠史」。榎本武揚や大鳥圭介らの歌を吟じ、函館の歴史を伝える。また、東北の復興を願い、東北にゆかりのある斉藤茂吉や石川啄木が詠んだ歌を吟じる構成吟もあり、最後は会場全体でNHK復興支援ソング「花は咲く」を合唱する。

 函館支部の千葉憲司(雅号・岳憲)支部長(69)は「その時代に生き抜いた人の思いを表現する詩吟は、決して高尚なものではなく、誰でも気軽に楽しめる。一人でも多くの人に詩吟の魅力を伝えたい」と来場を呼び掛けている。

 入場無料。問い合わせは函館支部の桶野事務局長(0138・55・0759)まで。(稲船優香)



◎算数・数学の力高めよう「オリンピックにチャレンジ!」参加者募集

 南北海道創才教育研究会(山崎文雄会長)は、5月17日に函館ラ・サール学園(日吉町1)で開く小中学生向けの算数・数学特別講座「算数オリンピックにチャレンジ!」の参加者を募集している。

 小中学生が算数・数学に親しむ全国イベント「算数オリンピック」の地方大会(6月14日、同学園で開催)に先駆けて実施。市内の塾講師松川文弥さんと、同学園の渡邊崇教さんが指導する。

 小学1〜3年生対象はほぼ定員に達しており、4〜6年生と中学1・2年生、3年生向け講座の参加者を募集。算数オリンピックの過去問題や類題を解きながら、学校の授業に役立つ内容を盛り込んでいく。小学4〜6年生対象の授業は保護者が見学できる。

 参加無料で、小学1〜3年生は保護者の同伴が必要。同会は「学校の授業ではあまり出ないタイプの問題を解いて、発想力を広げるきっかけにしてほしい」と参加を呼び掛けている。

 申し込みは5月10日までに、同会のホームページ(http://sousaikyouiku.cocolog-nifty.com/blog)かファクス(050・3737・2444)で受け付けている。問い合わせは同会事務局の舩矢直子さん(090・3779・9824)へ。(千葉卓陽)