2015年4月17日 (金) 掲載

◎変わる街並み 見守り走る…「箱館ハイカラ號」の運行開始

 函館市企業局交通部は16日、復元チンチン電車「箱館ハイカラ號」の運行を開始した。復元後22年目の今季も万全の整備を終えたばかり。市民や観光客を乗せたハイカラ號は日々変化していく街並みの中を今季も走り抜ける。

 ハイカラ號は明治末から昭和初期にかけて、函館などで客車として活躍。1993年に現在の姿に復元した。レトロな制服姿の専属運転士と女性車掌のツーマン体制で、チンチン電車の特徴でもある「信鈴」も人気。近年はアジアを中心とした外国人旅行者の利用も多い。運行開始を予定していた15日が雨天で運休となり、16日が初日となった。

 今年は北海道新幹線開業を控え、沿線では8月オープンの函館アリーナ、駅前地区では「キラリス函館」(旧WAKOビル跡)建設とアーケード撤去、本町地区では旧グルメシティ五稜郭店跡の複合ビル建設、五稜郭公園前電停の改築を予定。赤いかわいらしい車体は変わらぬ姿で街の移ろいを見守り続ける。

 10月31日まで。観光繁忙期を除き、火、水曜日、荒天時運休。問い合わせは同部(TEL0138・52・1273)へ。(今井正一)



◎映画「函館珈琲」来春全国公開へ

 函館港イルミナシオン映画祭実行委員会(米田哲平委員長)は16日、2013年の第17回シナリオ大賞グランプリ作品「函館珈琲」の映画制作発表を市内で行った。今夏函館で撮影し、来春の全国公開を目指す。実行委は今後10年で5本の映画を撮る計画も発表した。

 同映画祭は函館の街から映画やその人材を発掘・発信を目指し、1995年にスタート。シナリオ大賞受賞作品は過去に長編5本が映画化されているが、2008年公開の「おとなり」以降、制作されていなかった。実行委は今年で20周年を迎えるのを契機に、シナリオ賞を映画化するプロジェクトを立ち上げ、第1回目として脚本家・いとう菜のはさんの「函館珈琲」を制作する。

 同作品は、西洋風アパートを中心にさまざまな事情を抱えたガラス職人やテディベア作家ら住民の日常を描く。「ソウルフラワートレイン」「キッチンドライブ」などで知られる西尾孔志監督がメガホンを取り、札幌市出身のAzumi(あずみ)さんがピンホールカメラマン役として出演する。

 会見で、西尾監督は「函館の持つ真っすぐさや純粋さがこの題材に合い、町自体が背中を押してくれているような気がする。30、40代の青春映画として描き、若い監督たちが函館で映画を撮るのが一つのステータスになるような記念すべき作品にしたい」、Azumiさんは「函館を舞台にした作品と出会い、道民として縁を感じる。精一杯頑張りたい」と意気込みを語った。(平尾美陽子)



◎函館市 人口27万人割れ

 函館市の住民基本台帳に基づく市の人口は、3月末現在で26万9628人と、27万人を割り込んだ。西部地区や2004年に合併した旧4町村での減少が顕著で、合併後の10年間で3万512人減少。少子高齢化や若者が職を求めて転出する傾向に歯止めが掛かっていない状況が続いており、26日告示の市長選でも人口減少問題が大きなテーマの一つとなりそうだ。

 市のまとめによると、3月末の住民基本台帳人口は前月比1136人減。3月は例年転出が多く、4月末は転入が増えるため27万人台に戻る見通しだが、ここ数年は年2500〜3000人台で減少しているため、「いずれは26万人台で推移する」(市企画部)としている。

 市の人口は04年12月の旧渡島東部4町村(戸井、恵山、椴法華、南茅部)との合併直後で30万140人だったが、減少傾向は止まらず、08年3月に29万人を割り、11年12月に28万人を割っている。

 05年12月から昨年12月までの10年間で、死亡数が出生数を上回る「自然減」は1万5555人、転出数が転入数を上回る「社会減」は1万5264人に上る。このうち西部地区20町の減少数は10年間で3843人(減少率15・8%)、旧4町村も4016人(同23・5%)と著しい。昨年4月には過疎地域の指定が旧4地域限定から全市域に拡大されており、今年行われる国勢調査でも人口減少が見込まれる状況となっている。

 26日告示の市長選に出馬を予定する2氏も、人口減少に対応した政策を打ち出している。

 現職の工藤寿樹氏は人口減少を交流人口の増大で補う考えを打ち出すとともに、学童保育所への支援強化などを通じて子どもを産み育てやすい環境を整備する考え。新人の広田知朗氏は子育てや人づくりのための予算を拡充するとし、若者や女性を対象とした懇談会の設置や、人口減を見据えた市職員数の削減などを掲げている。(千葉卓陽)



◎函館けいりん開幕

 本年度の函館けいりんが16日、函館競輪場(金堀町)で開幕した。開幕戦は「第10回藤巻兄弟杯争奪戦」(FⅠ、ナイター)で、18日までの3日間開催。初日は11レースを行い、地元優勝を狙う北海道の菊地圭尚選手らが熱戦を展開した。

 今年の函館けいりんは上期(4〜9月)に45日、下期(10〜3月)に10日の55日間開催を予定している。8月21〜23日は、函館で5年ぶりに「サマーナイトフェスティバル」(GⅡ)を開催。10月末から11月上旬には「開設65周年函館記念競輪」(GⅢ)が行われる。ガールズケイリンはサマーナイトフェスティバルのほか、6月29日〜7月1日にも開催される。(高橋宏幸)