2015年4月20日 (月) 掲載

◎ソメイヨシノ開花 松前公園 平年より11日早く

 【松前】松前町は19日、町内の松前公園でソメイヨシノが開花したと発表した。平年より11日早く、町が1982年に独自観測を始めて以来、2002年の4月17日に次ぐ2番目に早い開花となった。

 19日午前7時半、町職員が松前城資料館前の標準木に5輪以上の花が咲いているのを確認した。例年、開花から4〜5日で満開になる。

 この日、公園に訪れた花見客は咲き始めたソメイヨシノや見ごろを迎えたフユザクラを近くで見たり、写真を撮ったりして楽しんでいた。函館市の佐藤優香さん(29)は「花見に来るのはまだ早いかなと思っていたけれど、きれいな花を見ることができて良かった」と笑顔で話した。

 松前公園には250種1万本のサクラの木が植えられており、それぞれの開花時期が異なるため、1カ月間にわたって満開の花を楽しむことができる。(金子真人)



◎大間に向かい原発反対! 祈り旗ウオーク 建設中止アピール

 大間原発(青森県大間町)建設をめぐり、市民団体「バイバイ大間原発はこだてウォーク」は19日、「STOP大間原発祈り旗ウオーク」と題した反対行動を市内で行った。終点の啄木小公園では、海岸沿いで約80人が手作りの「祈り旗」を一列につなぎ、大間に向かって高々と掲げ、建設を止める思いをアピールした。

 祈り旗は、チベット仏教の5色の祈り旗「タルチョ」がモチーフ。それぞれの願い(祈り)を書いた旗が風になびいてぼろぼろになっていくと、祈りがかなうとされる。

 ウオークに先立ち、大森公園で集会を開き、大間原発訴訟の会の竹田とし子代表が「高浜原発(福井県)の仮処分決定は人格権を根拠にし、新規制基準について疑問を投げかけた。大間は未来の子どもたちに残してはならず、多くの人が応援してくれると思い、頑張っていきたい」とあいさつ。

 米ニューヨークで27日から始まる核拡散防止条約(NPT)再検討会議の核廃絶行動に参加する、道教育大函館校3年の寺本透さん(21)が「歌声を通じて核廃絶を訴えたい」と決意を示した。

 参加者は、祈り旗を手に持って大森公園から啄木小公園までの約1㌔をデモ行進し「大間原発凍結せよ!」などと訴えた。(山崎大和)



◎函館市長選告示 現職・新人 舌戦火ぶた

 統一地方選後半戦の函館市長選、函館、北斗両市議会議員選が19日告示された。函館市役所では午前8時半から立候補受け付けが行われ、市長選には届け出順に、無所属新人で元衆院議員秘書の広田知朗氏(54)、無所属現職で再選を目指す工藤寿樹氏(65)が立候補した。函館市議選(定数30)にも予想された通り33人が出馬、北斗市議選(定数22)にも24人が顔をそろえた。各候補は早速、26日の投開票日に向け、7日間の舌戦に突入した。

 函館市長選は2003年以来、現職に民間出身候補が挑む構図。大間原発差し止め訴訟の是非や人口減少問題、経済・雇用対策などが主な争点となる。

 広田氏は午前10時から大手町18の選挙事務所前で出陣式。約40人が集まり、勝利を願った。

 第一声で大間原発差し止め訴訟について、「函館市が原告であることはまったくの無駄」と工藤氏を批判。「市だけでまちづくりや経済再生はできず、国や道の協力が必要だが、国は要請を受けても腰が引ける。国とのコミュニケーションが悪くなっていることを絶対に解消したい」とし、訴訟の取り下げを主張した。さらに函館の衰退について「民間の感覚がないからだ。市役所出身者の市政運営は何としても終わらせ、変化を呼び込みたい」と述べ、民間出身者への刷新を訴えた。

 工藤氏は午前9時半から美原2の選挙事務所で出陣式に臨み、約350人を前に必勝を祈願した。

 第一声では1期目は経済再生と財政再建に集中して取り組んだ点を挙げ、「財政が立ち直り、まちづくりや教育、福祉に財源を回せるようになった」と強調。2期目は交流人口拡大や若者の雇用創出、人口減少を踏まえた少子化対策、高齢者の安心・安全に取り組むとした。広田氏の大間原発訴訟批判に対しては「大間原発凍結は函館市民の総意。今から取り下げることは原発容認派としか思えない。圧倒的な勝利でなくては大間を止めることはできない」と声を張り上げ、支持を求めた。

 一方、函館市議選は前回から旧4町村の特別区が廃止されて全市域での選挙戦となり、現職26人、元職1人、新人6人の計33人が顔をそろえた。北斗市議選にも現職19人、元職2人、新人3人の計24人が立候補。繁華街や住宅地に選挙カーの声がこだまし、両市は知事、道議選に続いて選挙ムード一色に包まれている。(統一地方選取材班)



◎おもてなし向上へ研さん 観光ガイド勉強会

 函館善意通訳会(市根井恵子会長)は19日、函館市西部地区一円で英語でのガイドを実践する「第1回はこだて勉強会」を開いた。観光シーズン開幕を控えた初めての試みで、会員が交代で建物やスポットの見どころを英語で紹介。増え続ける外国人旅行者へのおもてなし向上に向けて、研さんを深めた。

 同会には会員34人が所属し、英語、韓国語、中国語、ロシア語への対応が可能。通訳案内士の有資格者も活動している。近年、外国客船寄港時など、ボランティアガイドの要請が増加し、実践的な取り組みとして勉強会を企画し、会員のほか、市港湾空港部の職員も参加した。

 会員らはガイド役を交代で務め、他の会員が英語で質問をぶつけながら寺院、教会群が残る一円や坂からの景色、建物の歴史についての解説を加えた。昨年10月に入会した高橋典之さん(61)は旧相馬邸でガイド役を担当し、幕末明治に財を築いた豪商相馬哲平邸宅内の装飾品、調度品などについて解説。高橋さんは「覚えることが多く、今日は表面的な案内しかできなかったが、ほかの皆さんから刺激を受けています」と話していた。

 市根井会長(70)は「これから個人観光客も増えるので対応が必要。函館だけではなく、日本の歴史や文化に興味を持っている。多くの話題を説明できるようにしたい」と話していた。(今井正一)