2015年4月22日 (水) 掲載

◎函館でサクラ開花 過去2番目の早さ

 函館地方気象台は21日、函館でサクラ(ソメイヨシノ)の開花を発表した。昨年より7日、平年より9日早く、同気象台が1953年に観測を開始して以降、2番目の早さだった。

 函館でサクラの開花は、五稜郭公園(五稜郭町)の北側にある標本木で5〜6輪の花が開いた状態を指す。この日は午前9時45分ごろ、同気象台職員が確認した。今年は3月の平均気温が過去最高(4・3度)で、つぼみの色付きや膨らみが進んでいた。これまでで最も早かったのは2002年の4月18日。この年は4月が過去最高の暖かさ(9・7度、14年現在)だった。

 同公園では、市民や観光客が訪れ、濃紅色のつぼみが多い中に薄ピンク色で咲く花を見つけて笑顔になり、写真を撮るなどして楽しんだ。市内松陰町の主婦佐伯香織さん(46)は「こんなに早く咲いて驚いた」。埼玉県鶴ヶ島市の主婦安部寿美さん(61)は「例年は大型連休中と聞いていたので運が良かった。これほど木が密集しているのは見たことがなく、今度は満開の時に来たい」と話していた。

 開花から満開までは3〜4日かかる。同公園や函館公園(青柳町)では25日に始まる「夜桜電飾」と時期が合いそうだが、大型連休が本格化するころに見ごろを終えることも予想される。市内梁川町の飲食店経営、中山琴江さん(52)は「夜桜見物後に来店する客のため、満開は大型連休中が良かった。自然なので仕方ないが、今年はただでさえ選挙で客足が悪いのに」と心配していた。(山崎純一)



◎新幹線 本年度の走行試験開始

 来年3月に開業する北海道新幹線の車両「H5系」の走行試験が21日未明、本年度初めて新函館北斗—奥津軽いまべつ駅間で行われた。

 走行試験はJR北海道と鉄道建設・運輸施設整備支援機構が実施。この日は七飯町の函館総合車両基地を出た車両が午前0時40分ごろ新函館北斗駅に到着。同1時10分ごろ、雨の中を出発し、同2時半ごろに奥津軽いまべつ駅に到着した。

 試験は新幹線同士がすれ違う状況の確認などを行う。深夜を中心に行い、5月下旬に新青森駅までの全区間(約149㌔)を走行する予定。(山崎純一)



◎桧山3町長選告示 乙部・寺島氏 無投票9選

 統一地方選後半の町村長選と町議選が21日告示され、道南の町長選では厚沢部と乙部で現職以外の届け出がなく、無投票当選が決まった。今金町長選は新人と現職の一騎打ちとなった。町議選は道南10町で告示。渡島では七飯、森、木古内、長万部の4町いずれも選挙戦に突入。桧山では厚沢部と乙部が定数と同じ立候補者数で無投票当選、上ノ国、奥尻、今金、せたなが選挙戦となった。投開票は函館市長選、函館・北斗市議選と同じ26日。

 乙部町長選は、現職の寺島光一郎氏(70)が道内現職の首長では最多となる9選を決めた。寺島氏が再選した1987年以降はいずれも無投票。町村長選挙で8回連続の無投票は全国最多となった。

 厚沢部町長選は、現職の渋田正己氏(71)が前回に続き無投票で3選を果たした。町長選が無投票となったのは9回目。改行 今金町長選は、新人で前町議の村本照光氏(65)と現職で4選を目指す外崎秀人氏(65)=届け出順=の2人が立候補し、26日の投開票に向けて5日間の舌戦に入った。

 新人の村本氏は住民と役場、議会と理事者の意思疎通を振興発展の原動力にするとし、町政刷新の必要性を訴える。現職の外崎氏は、3期の実績と人脈を生かした行政の継続による財政保持と住民サービス充実などを掲げる。

 町議選は渡島の4町と桧山の6町の計115議席に合わせて135人が立候補し、8町で選挙戦となった。

 各町の立候補者数は七飯23人(定数18人)、森18人(同16人)、木古内12人(同10人)、長万部15人(同10人)、上ノ国12人(同9人)、奥尻9人(同8人)、今金13人(同12人)、せたな13人(同12人)。

 今回から厚沢部で2、上ノ国で3の定数を削減している。



◎サポステ 弁天町のまちあるきマップ製作

 北海道国際交流センターが運営する、はこだて若者サポートステーション(サポステ)はこのほど、弁天町のまちあるきマップを製作した。昨秋に同町内で行った就労のための集中プログラム「ハジメの半歩」に参加した若者が発案、地域の建造物や飲食店など魅力あるスポットを紹介している。

 同プログラムは、地域での仕事にやりがいを感じ、地域で暮らして働く意欲を高めることを目的とし、2014年9月に約1カ月間初開催。サポステの利用者4人が参加した。

 その中で同町の歴史などを学ぶプログラムも行われ、まち歩きの達人・田村昌弘さんの説明を聞きながら町内を散策。若者の往来が減少する地域の現状を知った。参加者から「自分たちにできることで、弁天町の魅力を多くの人に伝えたい」との声が上がり、今回の企画が持ち上がった。

 マップのタイトルは「まちあるき探検のワンダー弁天町」。制作したのは、同プログラムに参加した4人とサポステ職員の尾崎嘉洋さん。マップには「旧大黒湯」「太刀川家住宅店舗・洋館」といった趣深い建造物のほか、街歩きで見つけた面白スポット、同町内の食事場所などを細やかに記載している。

 プログラムやマップの制作に協力した同町会事務局の内田高雄さんは「これをきっかけに、地元の人との交流を増やして町を活気づけてほしい」と願いを込める。尾崎さんは「若者たちが自分たちの力でここまでやり遂げられてうれしい。マップを見て、弁天町について多くの人に興味を持ってもらいたい」と話した。

 A3判カラー四つ折りで裏表。公共施設などに置いてもらい、希望者に無料で配布する予定。(斎藤彩伽)