2015年4月24日 (金) 掲載

◎和み柴っことGO太くん 五稜郭で共演

 京の三条まちづくり協議会観光大使(京都)として、歴史建築が並ぶ三条の街並みをPRするご当地キャラクター「和(なご)み柴(しば)っこ」が23日、五稜郭タワーのイメージキャラクター「GO太くん」に会うため、同社展望台や五稜郭公園を訪れた。愛きょうたっぷりのキャラの共演を観光客らが楽しんだ。

 2体には、京都と五稜郭のタワーつながりと、お互い志木市文化スポーツ振興公社(埼玉)のイメージキャラクター「カパル」が好きという縁があり、和み柴っこの要望で対面が実現した。

 雄の柴犬がモチーフの和み柴っこは、初めての北海道。絵が得意で、GO太くんにお互いを描いた絵をプレゼント。サクラが咲き始めた五稜郭公園では花見客が集まり「かわいい」と歓声が起こった。タワー展望台では四方で記念撮影に応じた。GO太くんのファンで旭川から訪れたという女性は「とても癒やされます」と大喜びだった。

 寄り添って遊んでいた2体だったが、和み柴っこは約1時間後、名残惜しそうに京都へ戻った。関係者は「ちょうどサクラが咲き、今年は2度お花見ができて喜んでいると思う」と話していた。(山崎純一)



◎函館、弘前 互いに観光情報発信

 来年3月の北海道新幹線開業をきっかけとして地域間の交流を活発化させようと、函館市と弘前市が互いに相手の地域の観光情報を発信する「青函連携」が盛んに行われている。函館タクシーは車内で弘前のサクラを紹介するパンフレットを設置。弘前観光コンベンション協会は発行したまち歩きガイドマップで函館特集にページを割いた。「新幹線開業で互いに行き来が増えれば」とそれぞれ話している。

 函館タクシー(函館市日乃出町、岩塚晃一社長)は23日から、タクシー90台の車内に弘前のサクラを紹介するパンフレットの設置を始めた。岩塚社長の発案で、今年で3年目。同社は「乗客に好評で、毎年楽しみにしている人が多い」と話す。

 ほかに10年計画で修理が行われている弘前城本丸の石垣修理についてのパンフレットも置き、弘前に関心を持ってもらう工夫もした。昨年から弘前市のタクシー会社、北星交通も取り組みに協力し、函館の観光パンフレットを車内に設置した。同社は「互いにPRしあうことで、観光に行く人、来る人が増えてほしい」とする。

 来年7〜9月にJRグループの大型観光キャンペーン「青森県・函館デスティネーションキャンペーン」が行われるのにさきがけて、今年7〜9月にはプレキャンペーンがあることから、両社はその時期にも同様の連携企画を行うという。

 一方、弘前観光コンベンション協会は14日に発行したまち歩きガイドブックで函館のまち歩きにスポットを当てた。両市の路地裏や夜の横丁、雑貨店、喫茶店などを対比させる形で掲載し、それぞれの魅力を伝えるようにした。

 弘前の観光ガイドブックだが、函館を一緒に特集するのは昨年に続いてのこと。同協会は「弘前と函館はすでに同じ観光圏であり、函館を訪れた人にも弘前をPRできれば」とする。

 また、昨年からは函館市内の有名書店での販売も始めた。「新幹線開業で相互の行き来はより活発になる。函館市民にも弘前のことを知ってもらうきっかけにしたい」とする。B5判変形。80㌻。1部300円。問い合わせは同協会(0172・35・3131)へ。(松宮一郎)



◎特急北斗エンジン出火 燃料制御部品破損が原因

 八雲町のJR函館線で2013年7月、特急北斗14号(8両編成)のエンジン付近から出火した事故で、国土交通省運輸安全委員会は23日、ディーゼルエンジンに送る燃料を調整する部品「スライジングブロック」に過度な負担がかかり、一部が折れたことが原因とする調査報告書を公表した。また異常な燃料噴射量を防ぐ「停止ボルト」を取り付けていなかったことも分かり、作業ミスの可能性も指摘している。

 報告書によると、燃料制御装置内に異常な振動が発生していたほか、停止ボルトが付いていなかったためにスライジングブロックに約3倍の負荷がかかり、金属疲労が早まって折損した可能性があるとした。エンジンは制御不能な過回転状態となり、連接棒やピストンなどの部品が破損して上がった火花が、燃料などに引火した可能性が考えられるとした。

 同装置内で発生した異常な振動について、現場関係者は認識していたが、全社的に情報が共有されておらず、重大性に対する認識や処置が不十分であったと指摘。原因究明に関する十分な調査、分析が行われず、的確な対策が取られなかったことが複数回のトラブルや重大インシデントの発生につながったと考えられると非難した。スライジングブロックの破損は12年9月、13年4月にも発生しており、同4月に部品を一斉に交換した際、停止ボルトの取り付けを失念した可能性があるとした。

 再発防止策として、エンジン本体が損傷することがないように対策を多層的に設け、正確な情報を本社と現場が共有して原因究明のための十分な調査を行い、的確な対策を講ずることが必要とした。

 事故は13年7月6日、八雲町のJR函館線山崎—鷲ノ巣間を走行中に4両目床下のエンジン付近から出火。乗客約200人と乗務員4人が避難し、けが人はいなかった。

 ■再生に全社一丸

 JR北海道は報告書の公表を受け「お客さまをはじめ、皆さまに多大なご迷惑とご不安をお掛けしたこと、長期にわたる同形式の特急列車の運休で多くのお客さま、地域の皆さまにご迷惑をおかけしたことについて、改めて深くおわび申し上げます。安全を最優先とする鉄道会社への再生に向け、全社員一丸となって取り組んでまいります」とコメントした。



◎せたなで2人死傷させたヒグマ 昨夏、今金で捕獲

 【せたな、今金】桧山振興局は23日、せたな町内で昨年と一昨年の春に女性2人を襲ったヒグマが、昨年8月4日に今金町金原地区のビート畑で捕獲、処分されたオス(体長2㍍、体重230㌔、推定7歳)だったことが、DNA鑑定により分かったと発表した。

 せたなでは2013年4月に北桧山区新成地区で当時52歳の女性がヒグマに襲われ死亡。14年4月にも大成区太田地区で山菜採りの女性(当時45)が襲われて重傷を負った。その際、一緒にいた男性がナタでヒグマを追い払い、現場にあったクマの血痕を調べたところ、2件とも同一個体だと判明していた。

 事故直後から町や道など関係機関の要請で地元ハンターが山林一帯を捜索していたが、今年に入っても痕跡は見つかっていなかった。道が今年4月上旬にDNA鑑定を道総研環境科学研究センター道南地区野生生物室(江差町、釣賀一二三室長)に依頼、22日夜に結果が出た。関係者によると、昨年の事故現場から約16㌔離れた今金で箱ワわなナで捕獲された。当時、手負いの状況は確認できなかったという。

 ヒグマに詳しい釣賀室長(50)は「入山時にはクマに人間の存在を知らせることが重要。鈴やラジオの音に反応がにぶいクマもいるので、要所でホイッスルや大きな声を出すのが効果的。また一人で入山せず複数で必ず行動を」としている。(田中陽介)