2015年4月25日 (土) 掲載

◎紫アスパラ収穫進む

 【北斗】北斗市細入のハウス内で、紫アスパラガスの収穫が行われている。春の日差しの中、太くて色の濃いアスパラが土の中からぐんぐん伸びる。鮮やかな紫色は、生のままサラダに利用できると好評。北海道新幹線開業を見据え、道南ブランドに育てたい考えだ。

 道南では桧山管内を中心に一般的なグリーン種の生産が盛んで、紫アスパラは珍しい。抗酸化作用があるアントシアニンがグリーン種に比べ10倍多く含むとされ、健康面でも注目される野菜だ。

 NPO法人ソーシャル・エイジェンシー協議会(函館、榊清市代表理事)が栽培に取り組み、昨年から本格的に収穫している。ハウス3棟で3月中旬から収穫を始め、現在は1日4、5キロ、5月に入ると同10キロを収穫でき、10月末まで続く。L〜3Lサイズが中心という。

 同NPOは自家製堆肥(特殊肥料)を使った土づくりに力を入れており、農薬と化学肥料を使わずに栽培できるのが特徴。「紫アスパラ姫」という独自ブランドで、函館の百貨店やスーパー、レストランに出荷している。

 取引価格は1キロ当たり3300〜3800円。榊さん(75)は「道南ブランドの野菜として、新幹線で来るお客に提供できれば」と話す。問い合わせは榊さん(ファクス0138・44・2388)または(TEL090・3773・3003)へ。(山崎大和)



◎函大に期日前投票所

 若者の投票率向上に向けた試みとして、函館市選管は24日、函館大学(野又淳司学長)内に市長選と市議選(26日投開票)の期日前投票所を設置した。道内の大学では初めて。学生ら38人(男21人、女17人)が投票に訪れ、市政にそれぞれの思いを託した。

 午前11時半〜同3時に1階談話室に開設し、学生の昼休みを中心に利用を呼び掛けた。教職員や近隣住民も投票に足を運んだ。市選管によると、38人のうち学生は7人(男5人、女2人)。

 選挙で初めて投票したという函大4年の佐々木翔洋さん(21)は「大学内に投票所を設けるのは、いいことだと思う。函館は人口減少が課題なので、演説などを聞いてまちの活性化策を考えている人に投票した」と話した。

 市選管に働き掛けた、若者と政治を結ぶ活動をする「NPO法人ドットジェイピー」北海道支部代表の吉田渉さん(21)=北海学園大3年=は「若者にとって身近な大学に投票所があると行きやすい。学生数の多い札幌の大学でも実現できれば」と意気込んでいた。(山崎大和)



◎函館で桜満開、観測2番目の早さ

 道南のサクラが本格化—。函館地方気象台は24日、函館でサクラが満開となったと発表した。また、日本気象協会北海道支社は、江差の開花を発表した。週末は安定した天気になると予想されるため、花見日和となりそうだ。

 函館の気温は今年最高の17・1度まで上がり、午後に満開となった。同支社によると平年より10日、昨年より7日ともに早く、観測史上、1998年と同じ2番目の早さだった。

 標本木のある五稜郭公園では、ソメイヨシノを中心に約1600本のサクラが咲き誇った。訪れた市民や観光客は、春風を感じながら散策したり、凛とした薄ピンク色の花びらを眺めて写真に収めたりと、思い思いにサクラを楽しんだ。

 仕事仲間とジンギスカンを囲んでいた函館市の嶋崎仁美さん(62)は「きょうが満開と予想していた。思った通りきれいに咲いてくれた。サクラに負けないよういつまでも若々しくいたいですね」と笑顔を浮かべていた。(稲船優香)



◎こぶし座 韓国で公演へ

 函館市陣川町のNPO法人「民族歌舞団こぶし座」(横井正人理事長)が5月2、3の両日、韓国ソウル特別市主催の多文化国際友好イベント「ソウルフレンドシップフェア2015」に出演する。道南の郷土芸能を中心に踊りや演奏を披露する予定で、本番に向け準備に余念がない。

 道とソウル特別市は2010年、友好交流協定を結び、多様な分野で交流を深めている。2月に同市からフェアへの招待状が届いた道は、こぶし座に参加を依頼し、3月上旬に出演することが決まった。

 こぶし座の6人は30日に函館を出発。5月1日のリハーサル後、2日は同市庁前(ソウル広場)の特設メーンステージで演技を披露するほか、演奏パレードにも参加。3日は世界各国の食や観光を紹介するブースが並ぶ武橋洞(ムギョドンギル)通りの特設サブステージで公演し、市庁舎地下1階で観客に楽器や歌などを教えて交流を楽しむ。

 1回の公演は30分ほどで、演目は江差姥神大神宮渡御祭の「江差祭りばやし」、松前町の「江良杵振り舞」、東京都葛飾区に伝わる獅子舞「寿獅子」、神奈川県の漁業者たちに伝わる「ぶち合わせ太鼓」を披露する。

 横井理事長(60)は「日本の伝統芸能を多くの人に見て楽しんでもらいたい。道代表として日韓の友好関係を深めるための役に立てればうれしい」と意気込んでいる。

 こぶし座は1965年、民俗芸能の創造と普及を目指し國田修司さんら3人で創立。今年結成50周年の節目を迎え、8月には函館市芸術ホールで記念公演も予定している。

 団員は現在7人で、道内の小・中学校やイベント出演など年間約120回の公演を行っている。海外公演は79年のインド、2008年のロシアに続いて3カ国目。(能代俊貴)