2015年4月26日 (日) 掲載

◎きじひき高原展望台オープン

 【北斗】北斗市のきじひき高原中腹のパノラマ展望台(標高560㍍)に市が建設した屋内展望施設が25日、オープンした。来場者は室内からのパノラマの景色を楽しんだ。

 来年3月予定の北海道新幹線開業を見据え、市は同高原を中核的な観光スポットに位置付けている。悪天候になった場合でも雨や強風を避けて観覧してもらおうと、2013年度から休憩用のテーブル席などを備えた屋内展望施設の整備を進め、昨年冬完成した。

 前面はガラス張りで、函館山や駒ケ岳、大沼を眺めることができ、北海道新幹線新函館北斗駅やなだらかなカーブを描く線路も見ることができる。室内には晴れた日の動画を放映するモニターも設置している。

 初日は午前8時半に開場し、家族連れや友人同士のグループらが来場。テラスの望遠鏡を使ったり、テーブル席に腰掛けたりしながら眼下に広がる雄大な景色を眺めていた。函館市から来場した大山治子さん(60)は「風を気にせずゆっくり景色を見ることができた。知り合いが来たときに案内したい」と話し

   今シーズンは10月下旬まで開放し、利用時間は午前8時半〜午後5時。6月、7月は午後7時まで。(鈴木 潤)



◎「夜桜電飾」スタート

 道南のサクラが本格化した。25日、函館では恒例の「夜桜電飾」がスタートし、北斗では名木が開花。森でも咲き始め、にぎわいをみせていた。

 函館市内の函館公園(青柳町)と五稜郭公園(五稜郭町)では、サクラの木をちょうちんの明かりで彩る夜桜電飾が始まった。

 25日の函館は、日中の最高気温は5月下旬並みの17・0度だったが、午後7時には10度前後となった。この日を待ちわびた市民にとって寒さは関係なく、ほのかな明かりに浮かび上がるサクラの下、焼肉などを楽しんでいた。

 毎年花見旅行で函館に来ているという恵庭市在住の公務員、田中一彦さん(48)は「家族4人と愛犬2匹で、初めて夜桜を見ました。電飾に浮かぶ満開のソメイヨシノはとてもきれいですね」と顔をほころばせた。



◎大沼交通が路線バス計画、新函館北斗駅—大沼

 【七飯】観光バス事業などを展開する大沼交通(七飯町大沼町780、小林克彦社長)は25日までに、来年3月の北海道新幹線開業による観光客の増加をにらみ、新函館北斗駅から大沼をつなぐ路線バスを運行することを決めた。同社は道新幹線の具体的なダイヤが正式発表され次第、道運輸局に路線の開設を申請、開業に合わせて運行を開始する意向だ。

 同社が計画している路線は国道5号を利用し、町峠下地区にある「北海道昆布館」付近と、大沼公園駅の先にある同社運営の体験工房「ポロト館」に停車するルート。路線をループ化し、利用料金を500円で統一したいとしている。

 国内でも指折りの景勝地・大沼は、車で約10㌔、所要時間15分ほどの距離。路線周辺には函館などでハンバーガーチェーンを展開する「ラッキーピエロ」の大型店や、七飯町が2017年度の完成に向けて計画を進めている「道の駅」が、利用者が途中下車する目的の一つとして期待できる。こうした観光資源を活用し、新幹線利用者を町内に引き込むことが狙いだ。

 また、同社では新函館北斗駅から町市街地へ向かう路線バスルートも計画中。「2路線の具体的な中身については今後変更の余地がある」(小林社長)としながら、路線開設を道運輸局に申請する考え。

 小林社長は「駅から約15分と最も近い観光地・大沼を強調し、生かすことで、大勢の人に利用してもらい、大沼に立ち寄ってもらうきっかけを提供したい」と話している。

 新函館北斗駅からのバス会社による具体的な二次交通の計画が明らかになったのは初めて。(野口賢清)



◎五稜郭タワーに「マグロのぼり」

 五稜郭タワー(五稜郭町43)で18日から掲揚している3匹のこいのぼりに、25日から新たに「マグロのぼり」が加わった。春空を泳ぐ姿は、5月6日まで見られる。

 マグロのぼりは全長10㍍、胴回り3㍍。東日本大震災からの復興を願い、2011年に青森県大間町のまちおこし団体「あおぞら組」が制作した。同年から毎年この時期に五稜郭タワーで掲揚している。

 五稜郭公園のサクラが満開になり、時折吹く春風に運ばれてくるサクラの花びらをまとって揺れるマグロのぼりは、この時期ならではの風情として多く市民や観光客に楽しまれている。

 札幌市から家族5人で観光に訪れた梅原真理明さん(10)は「最初見た時に何かなと思ったけど、近づいてマグロと気づいてびっくり! 初めて見た」と楽しげに笑っていた。

 掲揚時間は、午前8時半〜午後5時。天候状況に応じて変更する。(斎藤彩伽)