2015年4月3日 (金) 掲載

◎自閉症啓発で五稜郭タワーをライトアップ

 国連が「世界自閉症啓発デー」に定めた2日、自閉症について理解を深めるイベント(実行委主催)が函館市内で開かれた。五稜郭タワーでは開会式や音楽祭が開かれ、夜はシンボルカラーの青色にライトアップされた。

 啓発デーは、生まれつきの自閉症などの発達障害について広く理解してもらうため、国連が2007年に制定。同タワー点灯は昨年に続き2回目。

 開会式で大場公孝実行委員長は「イベントを楽しみながら自閉症について知ってもらえれば」とあいさつ。音楽祭では、障害者グループ「第3海星ふっと」が出演し、手話ソングやトライアングルの演奏で観客を楽しませた。

 午後6時からの点灯式には、当事者や関係者ら約200人が参加。ペンライトを手にカウントダウンし、タワーが青色に点灯されると会場から歓声が上がった。

 当事者の田中透さん(31)は「見た目では分かりにくい障害がある。当事者に言葉をしっかり伝える意識をしてもらうなど、地域でサポートしてもらえたら」と話していた。(平尾美陽子)



◎乗用車にH5系デザイン

 来年3月の北海道新幹線開業に向けて、トヨタカローラ函館(函館市昭和4、河村祥史社長)は渡島総合振興局とPR事業に関するタイアップ協定を結び、その一環で北海道新幹線車両「H5系」のデザインをラッピングした乗用車を同局に無償で貸し出す。1日、協定の締結式と乗用車の貸与式が同局で行われた。

 同社の申し出に同局が応じた。来年4月末まで公用車として使用し、新幹線関連のイベントでお披露目したり、渡島管内の市町にも貸し出したりする考え。

 乗用車は同社の人気車種「トヨタノア ハイブリット」(7人乗り)で、H5系を象徴する紫色のラインが側面に施されているほか、H5系車両イラストとともに「つながる!ひろがる!北海道新幹線」の文字が記されている。後部座席の窓には道の新幹線PRキャラクター「どこでもユキちゃん」も施され、ナンバーは開業年度に合わせて「20—15」とした。開業日が正式決定した後にはリアウインドに日付けも貼りだす予定という。

 同局庁舎前で行われた貸与式で、河村社長が宮内孝局長にキーを手渡した。河村社長は「道南地域への恩返しを込めて協力した」と話し、実際に試乗した宮内局長は「新幹線のように乗り心地が良かった。開業PRの重要なツールとして活用したい」と述べた。(鈴木 潤)



◎アリーナ効果で大規模開催続々、本年度コンベンション

 函館国際観光コンベンション協会は、2015年度に市内で開かれる会議や大会などの予定状況をまとめた。全体件数は73件、参加予定者数3万390人で、前年度当初比で6件、6000人余り増加した。8月オープン予定の函館アリーナでは、2900人の参加を見込む第54回全国自治体病院学会(10月)のほか、第46回全国中学校柔道大会(8月)や全日本学生ハンドボール選手権大会(11月)など、全国、全道規模の各種大会が開かれる。

 大会件数は同協会が市内各団体、組合など670件に照会し、4月1日現在の予定をまとめた。大会区分別では国際規模6件、国内規模26件、道内規模41件。集計対象外の市内イベントは35件、約26万人の参加を見込む(未定を含む)。

  10月8、9の両日に開かれる「全国自治体|」は全国自治体病院協議会の主催で、函館開催は初めて。市立函館病院の木村純院長が函館開催の学会長を務める。全国各地の自治体病院関係者が集まり、アリーナと市民会館、花びしホテルを会場に、シンポジウムや10の専門分科会などを予定。アリーナ会場は、メーンとサブ、武道館に1300枚のポスターを並べ、研究者らによる発表を行う。

 市民会館との一体使用、ホテルとの連携など、アリーナの立地条件を生かした大規模な大会で、運営上の試金石となる要素は多い。市観光部コンベンション推進課の里村昌則課長は「スムーズな運営で好評を得ることができれば、今後の大きな実績となり、他の医療関係の学会誘致にもつながることを期待している。病院局や指定管理者とも連携しながら全力で支援する」と話す。

 また、11月に予定する計測自動制御学会システム・情報部門学術講演会は、400人規模の開催だが、多用途に設計されたアリーナの機能を生かし、会場は武道館や多目的会議室を分割して利用することを想定している。

 スポーツ大会では、8月の全国中学校柔道大会は選手1100人規模、10月には1200人規模の北海道卓球選手権大会兼全日本予選会を予定。全日本学生ハンドボール選手権大会は1800人規模を見込む。アリーナと同時期にオープンする函館フットボールパークでも高校ラグビーの全道選手権、全道新人大会などを予定している。

 のほか、市内では、第29回人工知能学会全国大会(5〜6月)、近接場光学に関するアジア太平洋会議(7月)など国際規模の大会も予定されている。函館国際観光コンベンション協会は「各団体がコンベンションの開催地を決めるまでには時間が掛かるが、アリーナ開設や来年の新幹線開業によるアクセスの向上が話題となって、来年度以降の開催誘致につながるだろう」としている。(今井正一)


◎ゾーン30、函館で初導入へ

 函館市と道警函館方面本部は、生活道路や通学路での交通事故を防ぐため、車の最高速度を時速30㌔に制限する区域「ゾーン30」を同本部管内で初めて導入する。8月中旬から五稜郭病院と港小学校付近の2区域で整備を始める考え。路側帯を広げて歩行者用のスペースを確保したり、運転手が見やすいような速度規制の看板を設置したりすることで、子どもや高齢者、障害者の安全を守ることを目指す。

 ゾーン30は2011年ごろから全国で取り組みが始まり、道内では3月末現在で計38カ所が対象区域に指定されている。自治体ごとに指定区域の広さや速度を規制する看板のデザインは異なり、地域の交通事情などに応じた効果的な規制方法で推進できる。

 具体的な規制方法としては、中央線を消して路側帯を広げることが代表的で、運転手にとって道幅が狭く感じ、速度を出しにくくなるという。市では看板による規制と路側帯の拡幅を実施する予定。

 今回市内で区域指定されるのは、五稜郭病院付近の柳町1〜8番、五稜郭町39〜42番の約7㌶区域と港小学校付近の港1丁目15〜21、22〜29の約18㌶区域。両区域とも通学路や高齢者が利用する生活道路が密集し、車の通り抜けが多いことから選ばれた。両区域でこれまで大きな事故はなかったというが、同本部交通課は「未然に事故を防ぎ、歩行者の安全を確実に守るため選定した」とする。

 このほか、同本部が主体となってゾーン30の入り口となる場所に、制限区域の始まりを教える標識や路面表示を設置するほか、市が区域内の交差点などにイラストや文言などを記すことができる注意喚起の標識を作成。同区域を市のモデル区域として整備し、今後ゾーン30の導入箇所を増やしていく方針だ。

 市土木部道路建設課は「道警との協力を強化して取り組み、市の安全につながるよう機能させたい」。同本部交通課も「交通ルールを守るという点で、歩行者と運転手の意識づけの一助となれば」としている。(蝦名達也)