2015年4月30日 (木) 掲載

◎松前さくらまつり開幕

 【松前】第68回松前さくらまつり(松前観光協会、町など主催)が29日、松前公園で始まった。好天に恵まれ、公園内には大勢の観光客が訪れ、例年よりも早く満開となった早咲きのサクラや恒例の武者行列などを楽しんだ。まつりは5月20日まで。

 午前10時から松前神社で行われた開会式には、町内外から来賓が出席し、まつりの成功を祈願。松前観光協会の菊地祐司会長、石山英雄町長ら関係者によるテープカットで幕を開けた。

 武者行列は、甲冑(かっちゅう)姿の武者に扮(ふん)した海上自衛隊松前警備所の隊員30人が公園内を行進。勇ましい姿は多くの来場者の視線を集めていた。

 札幌から訪れた北川優子さん(34)は「満開のサクラと暖かい日差しで大いに春を感じることができた。最高の1日になった」と笑顔を見せた。

 日本有数のサクラの名所として知られる松前公園には約250種1万本のサクラが植えられており、早咲き、中咲き、遅咲きとそれぞれ開花時期が異なるため1カ月間にわたって満開の花を楽しむことができる。ことしは開花が平年より10日ほど早く、現在は早咲きのソメイヨシノや南殿(なでん)が見ごろを迎えている。(金子真人)



◎夜桜幻想的、北斗で「回廊」始まる

 【北斗】北斗市内にある桜の名所でライトアップされた花などを楽しむ「北斗桜回廊」(市観光協会主催)が29日、始まった。「法亀寺のしだれ桜」(向野)と「大野川沿いの桜並木」(本町)、「松前藩戸切地陣屋跡の桜並木」(野崎)の3カ所をライトアップし、初日は大勢の来場者が夜桜見物を楽しんだ。5月14日まで。

 今年で4年目。3カ所のうち、桜が見ごろとなった法亀寺では、待ちわびた市民や観光客が続々と来場。照明の光でしだれ桜が一層幻想的に映し出され、見物客を魅了した。木の前で記念写真を撮る家族連れやグループ客も見られた。昨年に続き来場した函館市の山田正志さん(76)は「楽しみにしていた。素晴らしいの一言に尽きる」と笑顔を見せていた。

 松前藩戸切地陣屋跡では、特産品や桜回廊オリジナルグッズなどを販売する「さくら茶屋」を出店。道南産ブランド米「ふっくりんこ」の玄米を使った玄米茶を1杯100円で販売するほか、桜染めや型押し体験(以上1200円)ができるブースもある。3カ所の点灯時間は午後6時半〜9時。(鈴木 潤)



◎労働者保護ルール堅持を、メーデーでデモ行進

 労働者の祭典「第86回函館地区連合メーデー」(実行委主催)が29日、函館市千代台町の千代台公園で開かれた。主催者発表で57団体1896人が参加。労働者保護ルールの堅持、格差是正などを訴え、市内をデモ行進した。

 実行委員長で連合函館地区連合会の荒木敏安会長は「景気は回復基調だが、恩恵は大企業、大都市のみ。地方の中小企業には兆しがなく、円安による物価高で負担が大きくなっている」と指摘。「労働者派遣法、残業代ゼロ法案など労働者保護ルールの改悪は、実態は働く者を踏み台にして格差を拡大するものだ」と訴えた。

 民主党の逢坂誠二衆院議員は日米間の防衛協力指針の改定合意に触れ「日本はとんでもない危機のど真ん中。憲法の枠組みを超えて、国会審議も国民への説明もなく決められた。完全な独裁政治だ」と安倍政権を批判。「民主主義や国民主権、あらゆるものが崩壊する。暴走する政権に歯止めをかけるため我々の結集が必要だ」と述べた。

 メーデー宣言と労働者保護ルール改悪阻止に向けた特別決議を採択した後、「団結頑張ろう」を三唱。参加者は大間原発や集団的自衛権行使、憲法改正などへ反対の意思を表明するプラカードを持ち、街頭を行進した。(今井正一)



◎GW 観光本番

 大型連休が本格化した29日、函館市内は青空が広がるさわやかな天気となり、観光施設や花見の名所には多くの観光客や家族連れが訪れた。観光シーズンも本番を迎え、主要観光施設や宿泊施設は集客の期待が高まっている。ゴールデンウイーク(GW)は30日、5月1日と平日を挟むため、にぎわいのピークは2日からとみられる。

 五稜郭タワーは前年を上回る好調な出だし。「今年は桜の開花が例年より大幅に早く、ちょうど見ごろを迎えており、観光客の動きが良い」と喜ぶ。函館山ロープウェイは「29日は霧が発生した影響もあり、さほど混雑はしなかった」とした。3月から中国本土との定期路線開設、台湾便の毎日運航が始まったことから、両社は「中国や台湾など海外からの観光客も多い。今後はさらに増加が期待できる」としている。

 桜の見ごろを迎えた五稜郭公園ではのんびり花見を楽しんだり、仲間とジンギスカン鍋を囲んだりする姿が多く見られたほか、トラピスチヌ修道院(上湯川町)にも道内客らが大勢訪れた。帯広市から訪れた後藤和子さん(58)は「天気が良く、鳥のさえずりも聞こえ、とても気持ち良かった」と話した。

 一方、GW後半の集客への期待の声も高まる。元町地区の通称「ソフトクリーム通り」にある「函館元町宇須岸の館」の店主・前側直己さん(66)は「きょうは肌寒いこともあり、通りの人は少なかった。観光客は3〜5日に集中すると見込んでいる。好天に恵まれればうれしい」と話した。

 JR函館駅では、観光客や大型連休期間を古里で過ごす帰省者らで混雑した。仙台から夫婦で訪れた松田敏夫さん(57)は、「函館に来るのは約10年ぶり。温泉と海鮮料理が楽しみ」と笑顔で話していた。JR北海道によると、この日函館に到着した特急のうち、札幌発の2便で指定席が満席になったという。同社はUターンのピークを5日ごろとみている。

 宿泊施設の予約は好調。函館国際ホテル(大手町)では、29日から5月5日まで満室の状況。以降の6〜12日もほぼ満室だという。同ホテルの宿泊部担当者は「桜の開花が例年よりかなり早かったが、ほぼ例年通りの状況」としている。