2015年4月5日 (日) 掲載

◎タイヤ交換真っ盛り 暖冬の影響 例年より数週間早く

 3日の大雨から一転、4日の函館は青空が広がり、最高気温が13・1度と4月下旬並みの陽気に包まれた。市内のカー用品店などでは、冬タイヤから夏タイヤへ交換する客で混み合った。暖かな春の日差しが降り注ぐ中、各店のスタッフは額に汗を光らせ、慣れた手つきで1台1台丁寧に交換作業を行っていた。

 タイヤ館桔梗店(桔梗町2、西山修士店長)では、3月下旬ごろからタイヤ交換の客が増え始め、例年より数週間早くピークを迎えている。予約客のほか、飛び込み客も多く、作業台数は平日、週末ともに平均30台という。「常に2、3日先まで予約で埋まっている状況。19日まで忙しさが続くと思う」と同店。

 ネッツトヨタ美原店(美原2)では、暖冬の影響で3月の作業台数が282台と、前年に比べて約2・2倍(126台増)だった。現在は、予約客と当日の飛び込み客を合わせ、平日は20〜30台、週末は30〜40台の作業を行う。同店は「作業のピークは11、12日では」と分析する。

 タイヤガーデン函館店(昭和3)でも「ピークは11、12日」としており、各店では今月中旬まで、作業する工具の回転音の響きが続きそうだ。(斎藤彩伽、稲船優香)



◎高田屋嘉兵衛に菜の花を 銅像前に苗100株植える

 はこだて菜の花プロジェクトは4日、函館市宝来町の高田屋嘉兵衛像前で初めての試みとして、菜の花の苗を植えた。函館発展の礎を築いた豪商に思いをはせながら、子どもたちら約30人が作業に汗を流した。

 同プロジェクトは2003年に発足。毎年、市内中野町の函館酪農公社隣接地で菜の花を育て、採取した種でつくる菜種油の明かりをともす取り組みを続けている。

 高田屋嘉兵衛を主人公とした司馬遼太郎の歴史小説「菜の花の沖」にちなみ、銅像前への植栽を新たな事業とした。昨年秋に中野町で種をまいて育てた苗を100株用意し、近隣の学童クラブの児童らが銅像の回りに100株を植えた。

 菜の花は5月中旬ごろには黄色い花を咲かせ、6月上旬ごろまで楽しめる見通し。石塚大代表(48)は「函館を訪れる観光客や市民に地域の歴史と花に触れてもらいたい」と話していた。(今井正一) 



◎道南の魅力 語り合おう 15日イベント参加者募集

 函館青年会議所(横田貴之理事長)は15日午後7時から、市亀田福祉センター(美原1)で道南の魅力について語り合うイベント「地域の魅力調査団 みんなでつくろう! 街の活気!」を開く。北海道新幹線開業を来年3月に控え、メンバーと市民がテーブルを囲んで地域活性化や観光客を楽しませるアイデアを考える。

 新幹線開業で観光客の増加が見込まれる中、函館、北斗、七飯の自然や景観、食資源といった魅力を住民が再認識する機会にしようと企画した。話し合いから出たアイデアを7月に元町公園で開くイベントに生かす計画だ。

 当日は2部構成で、第1部は大学生によるプレゼンテーション。本州出身の学生や留学生が、函館に来て感じた魅力などを発表する。

 第2部では学生のプレゼンを踏まえ、JCメンバーと参加者全員でテーブルディスカッションを行う。数グループに分かれて、魅力や資源をどう活用するかなどのほか、イベントのアイデア出しをする。地域の力創造委員会の佐藤将道委員長と稲場永次副委員長は「市民と一緒に地域の可能性を探っていきたい」と参加を呼び掛けている。

 参加無料。定員は74人。問い合わせと申し込みは事務局(℡0138・26・8563)へ。


◎青函トンネル内で白煙 配線に過電流原因か

 青函トンネル内で3日、函館発青森行き特急スーパー白鳥34号(6両編成)から白煙が発生したトラブルで、JR北海道は4日、モーターを制御する装置の異常によって、台車のモーターに電気を送る3本の配線に過電流が流れて被膜が焦げた可能性が高いと発表した。また、緊急停車する約30分前に車掌が異臭に気付いていたことも分かった。

 同社によると、5号車床下から白煙が上がったのは、モーターに電流を送る3本の配線の被膜。モーターの電圧や周波数を制御する装置に異常が発生し、過電流によって被膜が焦げた可能性があるとした。列車は789系電車で同社が所有。2002年に製造された。発車前の点検では、モーターや装置などに異常はなかったという。

 乗客124人は煙が発生し、緊急停車した旧竜飛海底駅から青森側の約1・2㌔先で降車。避難経路の約2・4㌔を歩き、ケーブルカーに乗って地上に向かった。3日午後11時ごろまでに全乗客が地上にたどり着いた。体調不良を訴えた50代と70代の女性を救急搬送。ほかの乗客は、手配したバスに乗り込んで青森市内に代替輸送した。

 当該列車は緊急停車から約11時間後の4日午前4時15分ごろに自走して、約35分後に青森県外ケ浜町の新中小国信号場に停車。国土交通省東北運輸局職員らによる調査後、同8時ごろに函館駅に向けて発車、同11時20分ごろに函館市海岸町の函館運輸所の車庫内に入った。午後1時ごろから北海道運輸局鉄道部職員が立ち会って、本格的な調査を開始した。

 運転を見合わせていたJR海峡線木古内—津軽今別駅間は同日午前7時すぎに運転を再開。3、4の両日で特急など12本が運休し、約2500人に影響が出た。