2015年5月1日 (金) 掲載

◎ききょう幼稚園にそろばん教室誕生 道内初

 函館市内のききょう幼稚園(川村瑞枝園長、園児299人)に4月30日、珠算教室「トングミンそろばん教室」が開校した。日本珠算連盟が幼稚園内に珠算教室を開くのは道内で初めてで、全国的にも珍しい。子どもたちは、開校記念のそろばんを受け取り、学びへの意欲を新たにした。

 安全な場所で子どもたちに珠算を学んでもらおうと、同園が函館商工会議所に開校を依頼。昨夏から準備を進めてきた。1期生として園児18人のほか、同園が運営する学童保育所に通う近隣の小学生11人が入校。幼稚園年中から小学生まで継続的に学べるほか、保護者の送迎の負担が減るメリットがある。  開校式では、川村園長が「トングミンはベトナム語で賢いという意味。数字と仲良くなれるよう頑張ってください」と激励。子どもたち一人一人に記念のそろばんを手渡した。

 山内璃音ちゃん(5)は「お母さんよりそろばんが上手くなれるよう頑張る」と笑顔。志村遥斗ちゃん(同)と西村庄平ちゃん(同)は「そろばんを一生懸命勉強して、警察官になりたい」と話していた。

 授業は課外保育の科目として12日に開始。同連盟の布施理恵さんが講師を務め、年間90回ほど開くという。同連盟函館支部の砂田武久副支部長は「少子化の中でも、珠算はここ10年で全国的に生徒が微増している。子どもたちには楽しく珠算を学び、魅力を感じてほしい」と話していた。(稲船優香)



◎散りゆく桜 水面染まる 五稜郭公園

 五稜郭を囲む堀では、公園内から散り落ちたサクラの花びらが浮かび、まだ花見ができる木の美しさとひと味違った風情を醸し出している。

 風の流れの影響で、花びらは堀の北側に多く集まり、水面に模様を描くように漂っている。(山崎純一)



◎市場取扱額 昨年度実績 水産物4・7%減 イカ不振影響

 函館市は、昨年度の水産物地方卸売市場と青果物地方卸売市場の実績をまとめた。水産物市場の取扱金額は前年度比4・7%減の165億8320万円で、主力のスルメイカの不振が響いた。青果物市場も同4・2%減の111億1695万円と振るわなかった。

 水産物市場の取扱数量は同18・7%減の2万9593㌧。スルメイカは冷凍で26・5%減の1万1223㌧と落ち込みが大きく、生鮮も17・4%減の3527㌧。単価は、生鮮が水揚げ不足の影響で前年度から約9%増の1㌔363円と上昇したことで、取扱金額は同10・2%減の12億8265万円。冷凍は同26・2%減の39億3752万円にとどまった。市農林水産部は「イカは資源はあるといわれるが、分布地帯が変化していることが影響している」と分析する。

 このほかの魚種では、サケが前年度の不漁から一転、数量で同24%増、金額も同48・5%増と好調だったが、ホッケは海水温上昇による不漁が影響し、数量で同24%減、金額も同8・6%減だった。このため単価は1㌔457円と、前年度から20%上昇した。

 青果物市場の取扱数量は同5・3%減の4万8244㌧。前年度の数量を上回ったのはホウレンソウ、ハッサク、リンゴ、ナシ、スイカの5品目のみで、野菜は本州産が中心となる今年2月に、北関東での低温が続いたことが響いた。

 同部は人口減少やライフスタイルの変化による野菜と果物の消費減少を主な要因に挙げており「消費拡大に努めながら、野菜を無駄にしない調理の仕方も広めていきたい」としている。(千葉卓陽)


◎新幹線つなぐ 友好の音色響け 北斗と函館の中学吹奏楽部と石川県選抜が3日コンサート

 【北斗】石川県中学校選抜吹奏楽団(県選抜)と北斗・函館両市の中学校吹奏楽部が共演する「フレンドリーコンサート」(函館地区吹奏楽連盟主催)が3日午後1時から、北斗市総合文化センター(中野通2)で開かれる。新幹線開業という共通点を持つ両地域の中学生バンドが、新たな友好の懸け橋となるサウンドを奏でる。

 同連盟と県選抜との間で2年ほど前から開催を計画していた。県選抜は、学校の垣根を越えて育成しようと、地元の指導者らが中心となって2005年に発足。県内各校から選抜された生徒で編成され、オーディションを行って選考する。

 毎年国内各地に赴いてコンサートを開催。2010年には韓国を訪問したほか、東日本大震災の被災地支援の一環として、昨年は岩手県大鎚町でもコンサートを行った。

 今回、総勢76人の生徒が来道する。地元からは全日本吹奏楽コンクールに出場した北斗上磯中、函館戸倉中の2校をはじめ、北斗浜分中、北斗大野中、函館赤川中も出演する。

 プログラムは浜分、上磯、戸倉の3校がそれぞれ単独のステージを繰り広げた後、県選抜が登場し6曲ほど演奏する。県選抜、函館・北斗の合同演奏では総勢110人がダイナミックなサウンドを奏でる。

 石川県では3月に北陸新幹線が開業。道南も来年3月北海道新幹線開業を迎え、同連盟の斎藤英基事務局長(函館西高吹奏楽局顧問)は「新幹線の開業によって両地域の距離感が縮まり、相互交流も生まれる。その先駆けとなるような演奏会を期待したい」と話す。

 入場無料。問い合わせは斎藤事務局長(函館西高℡0138・23・8415)へ。(鈴木 潤)