2016年1月5日 (火) 掲載

◎沿線各町 跡地活用探る…江差線廃線1年

 【江差】JR江差線木古内—江差間(42・1㌔)の廃線から11日で、1年を迎える。駅舎やレールなど主な鉄道関連施設の撤去費用は、JR北海道側が負担し、沿線各町で整備される見通しだが、旧江差駅周辺に江差町が公営住宅の建設案の基本方針を示している一方、ほかの沿線の上ノ国と木古内では具体案が固まっていない。両町は「住民の意見などを踏まえながら、まちの将来に負担をかけないような活用を探りたい」としている。

 同区間は1936(昭和11)年11月10日に全線が開通。桧山と函館を往来し、住民のほか、桧山の木材や海産物などを運ぶ輸送機関として産業・経済を支えた。

 しかし、自動車時代の到来で乗客が減少、80年に急行列車の営業を停止、82年には貨物輸送も廃止。輸送密度(1㌔当たりの1日平均利用客数)は、JR発足当初の87年度の253人に対し、2011年度は6分の1以下の41人に減少した。同社によると、営業収入は10年度1600万円に対し、経費は20倍以上と廃線直前は年間3億円以上の赤字だったという。

 利用者の減少や設備の老朽化、赤字経営などを理由に同社は12年9月、同区間の「鉄道事業廃止」を公表した。これに沿線3町も理解を示し、地元支援策の代替バス運行をJRと協議、JRが9億円(18年間分のバス運行の試算)を拠出することで合意した。

 沿線各町では廃線決定直後から跡地の活用を探る。江差では当初、老朽化による建て替えが課題の町立養護老人ホームひのき荘の候補地案も浮上していたが、条件が合わないとしてこの場所での建設を断念。緊急性があるとして、駅舎裏の9000平方㍍に2017年から3年かけて1棟4戸を3棟建設、公営住宅以外の土地は、若者の定住に向けて宅地促進として分譲することを検討している。

 また同町は線路近くの運動公園と絡めたレクリエーション施設の整備や花壇なども検討していく。

 木古内町では住民のアイデアを参考に、トロッコ観光列車の運行などを模索しているが、まだ煮詰まっていない。上ノ国町は「何かをつくるなどの有効活用は考えていないが、施設の老朽化もあるので安全策を含めて対応する」としている。(田中陽介)



◎女力士 豪快な取り組み…女だけの相撲大会

 【福島】母の日恒例の「第24回北海道女だけの相撲大会」(福島町観光協会主催)が10日、福島大神宮内の鏡山公園相撲場で開かれた。「とんかつ丸」や「ぽっちゃり山」などユニークなしこ名を付けた女性力士72人が、詰め掛けた約800人の観客の前で熱戦を繰り広げた。

 千代の山、千代の富士と2人の横綱を輩出した福島町の恒例行事。今年は道南を中心に東京や栃木など全国各地から力自慢の女性が出場し、土俵上で激しいぶつかり合いを見せた。また、取り組み前には元大相撲力士・高見盛の物まねやダンスなどのパフォーマンスで会場を盛り上げていた。

 決勝は「おでぶ山」こと札幌市の山本静香さん(39)が、「あかね山」こと北斗市の澤口あかねさん(34)を豪快な寄り倒しで破り、3年連続7度目の優勝を果たした。

 山本さんは「いつもは弱気になるけれど今回だけは絶対に3連覇をするつもりで戦った。来年も頑張りたい」とほっとした表情で話していた。(金子真人)



◎演奏や踊り多彩…北斗陣屋桜まつりにぎわう

 【北斗】桜の開花時期恒例の北斗陣屋桜まつり(北斗市商工会青年部主催)が10日、同市野崎の国指定史跡、松前藩戸切地陣屋跡で開かれた。呼び物の桜は見頃を過ぎて葉桜となったが、大勢の来場者がステージ上の催しなどを楽しんだ。

 今年で19回目。開会式で同青年部の木村圭介部長が「桜の見頃は過ぎたが、ステージや出店を楽しんで」とあいさつ。高谷寿峰市長や長尾信秀道議らによる鏡開きで祭りがスタートした。

 市の無形民俗文化財に指定されている上磯奴が実演されたほか、上磯小吹奏楽部の演奏、茂辺地女性会、市町会連合会女性部の恒例の輪踊り、北斗浜分太鼓などが次々と繰り広げられた。会場には、焼き鳥やそば・うどん、ビールなどを販売する露店が並び、客足を誘った。

 知人とともに来場した市内久根別の銭谷芳秋さん(65)は「花はなくてもステージがどれも素晴らしかった」と満喫していた。

 先月29日から開かれていた北斗桜回廊のライトアップや関連のイベントは終了した。(鈴木 潤)


◎澤田さん「窓装飾プランナー」取得…函館唯一

 函館市神山1のインテリア用品店「インテリアハウス光和」で働く澤田愛美さん(33)が、お客のニーズやライフスタイルに応じた窓装飾を提案する専門家「窓装飾プランナー」の資格を取得した。函館では唯一の有資格者だ。

 日本インテリアファブリックス協会(東京)が昨年創設した資格。カーテンをはじめとする窓装飾は豊富なデザインのみならず、断熱や遮熱、プライバシーを守るものなど多彩な機能を持つアイテムが多い。装飾プランナーはそうした多くの商品の中から、客のニーズに合わせてアドバイスや提案をする専門家。

 今回の試験は、道内在住者121人が受けて21人が合格、函館からは4人が受けて澤田さんのみ合格。全国では2540人が受験して699人が合格した。合格者の業種は「インテリア専門店」勤務が35・5%と最も多く、ハウスメーカーや百貨店勤務の人なども見られた。

 澤田さんは昨年4月から同店で勤務。インテリアに関わる上で必要な知識を身に付けようと、窓装飾プランナーの資格を受験を決意した。窓装飾に関する深い知識をはじめ、建造物やインテリアの知識も求められる難関をクリア、合格後は仕事により一層力が入っている。

 住宅を新築したり引っ越する際は、家電製品、家具などに費用を掛けるが、窓装飾に掛ける予算が少なくなる傾向がある。澤田さんは「リビングなど人の出入りが多い場所は、質やデザインにこだわってお気に入りのものをを長く使ってもらいたい。お客の予算に合わせた商品を提案するよう心掛けている」と話す。

 「お客の要望に合わせて選んだカーテンを、『これを付けて良かった』と喜んでもらえたらうれしい」と笑顔を見せる。

 インテリアハウス光和の営業は午前9時〜午後6時。日曜は午前10時〜午後5時。問い合わせは同店(電話0138・55・5467)へ。(能代俊貴)