2015年5月17日 (日) 掲載

◎土方歳三の勇姿 熱演 箱館五稜郭祭開幕 東京の青木さんコンテスト優勝

 箱館戦争の舞台となった五稜郭で行う毎年恒例のイベント「第46回箱館五稜郭祭」(協賛会主催)が16日に始まった。五稜郭タワーアトリウムでは、土方歳三の最期を独自で演出して演技力を競う「第28回土方歳三コンテスト全国大会」が開かれ、東京都在住の青木賢治さん(35)が初出場で初優勝を決めた。

 コンテストには市内や東京、愛知からの参加者18人(男性12、女性6)が出場。土方が写真を親族に届けるよう新撰組隊士・市村鉄之助に命じ、戦で官軍に撃たれる場面を演じた。デモンストレーションとして、昨年の優勝者小林良紀さん(東京)が刀の代わりにネギや傘を使って会場を沸かせた後、競技が開始した。

 優勝に輝いた青木さんは剣術や抜刀術を学んでおり、土方の刀の握り方も再現。迫力満点の殺陣(たて)や立ち振る舞いを披露して来場者を魅了した。土方の大ファンという母に薦められて初出場した青木さんは「初めは土方について知らないことだらけだったが、勉強を重ねて人柄がどんどん好きになった。土方の享年と同じ年齢でコンテストに出場し、栄誉ある優勝となってうれしい」と喜びをかみしめた。

 撃たれた直後、衣装が乱れるほどの迫真シーンを決めた函館在住の丸山彩さん(22)が準優勝。「演技を磨いて来年はもっと良いパフォーマンスをしたい」と意気込んだ。3位の箱館五稜郭祭賞は東京都在住の笹田千尋さん(24)が獲得した。

 この日は市内各地で戦没者をしのぶ碑前祭も開かれた。17日は、青木さんと丸山さんも参加する維新行列・音楽パレード(午後1時)と開城セレモニー(同3時)を行う。(斎藤彩伽)



◎黄色一面 花畑楽しむ 菜の花まつりにぎわう

 満開に咲き誇る菜の花の鑑賞などを楽しむイベント「第10回はこだて菜の花まつり」(函館菜の花プロジェクト主催)が10日、函館酪農公社あいす118(中野町)で開かれた。多くの来場者でにぎわい、晴天の下で鮮やかに広がる菜の花畑の風景を楽しんだ。

 毎年開催。昨年9月ごろに種を植え、ようやく満開となった。約3300平方㍍の面積に咲く菜の花を摘み取った新鮮な花束や、菜の花が入ったあつあつのたこ焼きなども販売され、多くの人が買い求めた。

 また、種から搾油する体験に子どもたちは興味津々で見入っていた。函館在住のシンガーソングライター、まえだゆりなさんのギター弾き語りコンサートもあり、来場者はのどかな雰囲気の中で花の鑑賞や飲食を堪能していた。友人と初めて訪れたという函館旭岡小2年の小山内心菜さん(7)は「菜の花畑はとてもきれい」と目を輝かせた。

 菜の花は5月26日までが見ごろ。(斎藤彩伽)



◎2年連続で単年度黒字 市営競輪

 函館市競輪事業部は、2014年度の自転車競走事業特別会計決算見込みをまとめた。歳入が歳出を4627万円上回り、2年連続の単年度黒字を確保し、累積赤字額は5億3000万円にまで圧縮される見通しとなった。全国の競輪全体の売り上げは昨年度、23年ぶりに上昇に転じ、函館ではナイター開催の普通競輪(FⅠ・FⅡ)の売り上げ収入が大幅に増加した。

 同部は21日の市議会臨時会に、累積赤字分を補てんする繰り上げ充用金として5億3000万円を追加計上する本年度の補正予算案を提出する。

 昨年度の開催収入は函館記念(GⅢ)で56億5918万円、普通競輪で99億8505万円など、計156億7105万円。13年度比で、記念競輪は3億5192万円の減収となったが、普通競輪は14億4205万円売り上げを伸ばし、歳入全体で同比10億8802万円増加した。

 普通競輪の売り上げ増加について、同部は「14年度は全国の競輪場間でFⅠのナイター競輪の開催日程の調整が進み、競合日数が減ったためで、開催日数は13年度より3日少ないが、1日当たりの売り上げが増加した」とする。

 単年度黒字の確保で、累積赤字額は5億7627万円から5億3000万円にまで圧縮される見通し。また、02、03年度の競輪場改築に伴う起債の残高は昨年度末で約7億8500万円だが、17年度で大半の償還が終わる見通し。同課は単年度黒字の確保が続けば20年度ごろに累積赤字額が解消されるとしている。

 本年度は8月21〜23日に5年ぶりとなるGⅡレース「サマーナイトフェスティバル」が組まれ、函館記念(10月31日〜11月3日)と合わせ、さらなる収益の増加を見込んでいる。(今井正一)


◎サクラ見て野点満喫 大妻高生茶道部がおもてなし

 函館大妻高校(池田延己校長)で16日、サクラを見ながら行う茶会「春の野点(のだて)」が開かれた。茶道部の部員16人が、近隣住民や介護施設に入居する高齢者ら約150人に抹茶や菓子を振る舞った。

 同校の初代校長外山ハツ氏の発案で、1979年から毎年実施。今年は天候に恵まれ、3年ぶりに屋外で行った。

 同校敷地内にあるヤエザクラ「関山」の花びらが舞い散る中、同部の川村真優部長(福祉科3年)が作法にのっとって抹茶をたてた。参加者は、桜があしらわれた器に入った抹茶を2杯堪能したほか、この日の朝に部員が手作りした干菓子や桜まんじゅうを味わった。終了後には、部員から使用した茶道具などの説明を受けていた。

 週に1回の部活動で作法の勉強を重ねてきたという川村部長は「参加者が話し掛けてくれたので、途中から緊張がほぐれた。とても新鮮な体験でした」と笑顔。市内柳町から訪れた坂田ケイ子さん(75)は「大好きな抹茶と、甘さ控えめな菓子がとてもおいしかった」と話していた。(稲船優香)