2015年5月20日 (水) 掲載

◎アフロ軍団、新幹線応援ソング制作

 函館を拠点に活動しているソウル音楽バンド「木下さんと『愛と哀しみの黒汁楽団』」がこのほど、来年3月に開業する北海道新幹線の応援ソング「新幹線に乗っちゃって!」を制作した。ソウルミュージックに乗せた楽しく踊れる楽曲で、各地で演奏依頼が相次いでいる。メンバーは「音楽で新幹線開業を盛り上げ、函館や北斗を元気にしたい」と話している。

 黒汁楽団は、市内でワインバーを営む木下博喜さん(47)ら、末広町のカフェ「TUTU(ツツ)」の常連客を中心に2006年に結成。レイ・チャールズ、ジェームス・ブラウンに代表されるソウル音楽をこよなく愛する面々が集まり、精力的に活動している。

 メンバーの中には他のバンドやボイストレーナーとして活動しているミュージシャンもおり、男女5人のボーカルを中心に9〜18人で構成。観客と一体となったステージが持ち味で、全員がアフロのかつらを着用。「アフロをかぶるのが暗黙の了解」(木下さん)という。

 主にソウル音楽のコピーを中心に演奏する中、オリジナル曲として昨年「新幹線に乗っちゃって!」を制作。リズミカルで覚えやすいナンバーで、今年1月に金森ホールで開いたワンマンライブでお披露目した。3月に五稜郭タワーで開かれた開業1年前記念イベントでも披露したほか、動画サイト「ユーチューブ」でも公開。イベントでの演奏をきっかけに演奏依頼が増えたほか、弘前のご当地アイドル「りんご娘」が振り付けを担当するなど、曲が次第に広まりつつある。

 年内には同曲を含むアルバムを制作する方針。木下さんは「函館と青森、東北が一緒に盛り上がる手立てになればと作った。微力ながらでも協力したい」、バンドマスターの井川隆利さん(46)も「新幹線の曲を通じてソウルミュージックに興味を持ってもらえたら嬉しい」と話している。問い合わせはカフェTUTU(℡0138・27・9199)へ。(千葉卓陽)



◎江差町のふるさと納税人気

 【江差】町が4月末から受け付けている特産品などの特典付きふるさと納税の申し込みが好調だ。開始約2週間で昨年度の実績額15件計78万5000円を超え、5月18日現在では112件計124万円に上る。10万円以上の寄付者には「日本一若い町長のおもてなし江差ツアー」などユニークな特典もあり、照井誉之介町長は「しっかりPRに努め、まちづくりに生かしたい」としている。

 特典付きふるさと納税は、昨年就任した照井町長の肝入り施策。寄付額の一部を振興策に活用する取り組みで、町外からの5000円以上の寄付に対し、寄付額に応じて町内の農水産物などを贈る。

 同町ではこれまでもふるさと納税に取り組んできたが、納税者への特典贈呈がなかったことから、2008年度〜14年度末までで88件計1242万円と伸び悩んでいた。

 本年度からの寄付10万円以上の特典の目玉「照井町長おもてなしツアー」(対象1人、1泊2日)は役場職員のアイデア。町長が名所を案内し江差の魅力を伝え、会食などで交流を育み、町内の高級宿泊施設「旅庭群来(くき)」に宿泊してもらう。すでに1件の申し込みがあり、照井町長の公務日程と合わせてスケジュールの調整に入った。

 申し込みはインターネット専用サイト「さとふる」を検索。詳細は町公式ホームページで確認できる。

 問い合わせは役場まちづくり推進課(電話0139・52・6712)へ。(田中陽介)



◎新幹線開業イベント7日間に、北斗市長が概要

 【北斗】北斗市の高谷寿峰市長は19日、同市総合文化センターで開いた記者会見で、来年3月の北海道新幹線開業日に合わせて新函館北斗駅(市渡)で実施するおもてなしイベントの概要を発表した。当初予定では開業日と翌日のみだった開催期日を7日間に延長するほか、タレントのステージなど集客力を高めるプログラムを行う。関連経費2610万円分を追加計上した本年度一般会計補正予算案を6月開会の市議会定例会に提案する。

 開業日のイベントについて市の本年度当初予算では、開業日と翌日の2日分の企画運営委託料1000万円分を計上していた。しかし、今年3月14日に開業した北陸新幹線の盛り上がりをみて、3月末までの仕掛けが必要と判断し、当初計画を変更した。3月中旬の開業を想定し、祝日を含めた3連休、下旬の土・日曜の開催を予定している。

 イベントでは、駅西側の公園に北斗と道南の食を販売するプレハブを7棟程度設営、出店者15店程度を募る。地元産の食材を使ったメニューを無料で振る舞い、北斗市をイメージした記念品1万個の制作を計画している。

 企画や運営を民間事業者に委託する考えで、予算成立後、プロポーザル(提案)方式で8月下旬にも受託業者を決定する。

 高谷市長は「北陸新幹線並みに盛り上がるイベントにしていきたい」と述べた。

 また、市がバス事業者に委託し、赤字が続いている南北市街地連絡バスの今後の対応について「すぐに廃止するわけではないが、いつかの時点で判断しないといけないと考えている」とし、北海道新幹線開業に向けた2次交通の議論などを見極めて結論を出す考えを示した。(鈴木 潤)


◎3段階の被害想定公表、恵山火山防災対策部会幹事会

 活火山・恵山(618㍍)の防災対策を検討する函館市防災会議恵山火山防災対策部会幹事会(議長・三原克幸市総務部参事)が19日、市消防本部で開かれた。「噴火警戒レベル」の導入、避難計画策定に向けて、札幌管区気象台の火山防災官が恵山の噴火の特徴を解説。噴火規模に応じた3つの被害ケースを公表した。

 恵山は全国47の常時観測火山の一つ。市は避難計画策定に向けて、3月に同部会を設置した。国や道、自衛隊、警察などの実務者で構成する幹事会では、防災会議に諮る噴火警戒レベル案や避難計画などのたたき台をまとめる。

 札幌管区気象台火山監視・情報センターの千田信篤火山防災官は、恵山の噴火シナリオ案として、過去の火山活動の被害状況や噴火の特徴を踏まえ、3つの被害想定を説明した。

 「一番可能性がある」としたケース1は、7つある溶岩ドームのうち、最も噴気活動が活発な恵山溶岩ドーム西側の爆裂火口でのごく小規模な水蒸気噴火を想定。影響範囲は火口から500㍍に噴石が飛散するとした。ケース2の山ろくに影響を及ぼす規模の水蒸気噴火では、火口から1㌔の範囲に噴石や火山泥流の影響がおよぶ。

 最も被害が大きくなるマグマ噴火を伴うケース3は、火砕流が発生し、椴法華地区全域、恵山地区の御崎町から柏野町にかけての範囲に到達。「居住区に影響を及ぼす噴火」とし、噴火警戒レベルで住民避難を伴うレベル5の対応が必要となる。

 同幹事会は次回7月下旬の会合までに噴火警戒レベルの素案、避難計画の作成方針を取りまとめる。(今井正一)