2015年5月21日 (木) 掲載

◎紀さんがギリヤーク尼ヶ崎さん写真集出版

 横浜市在住の手回しオルガン奏者で写真家の紀あささんが、函館市出身の大道芸人、ギリヤーク尼ヶ崎さんを撮影した写真集「伝説の大道芸人 ギリヤーク尼ヶ崎への手紙」を出版した。唯一無二の舞に魅せられ、函館をはじめ、日本各地で行われた公演を6年間にわたって追いかけた記録だ。紀さんは「それぞれのまち、その場で踊りを見ているような気分になる写真集に仕上がった」と話している。

 紀さんが初めてギリヤークさんの踊りを見たのは2009年10月、東京・新宿の路上。「観衆を引き込む迫力とその空間に衝撃を受けた」と振り返る。この日からギリヤークさんを追い掛ける日が続く。

 写真集は128㌻で、収録点数は138点に及ぶ。函館で開かれた青空公演を中心に横浜、京都などでも撮影。今年5月までの作品を厳選した。

 ギリヤークさんは阪神大震災と東日本大震災の被災地、神戸市と宮城県気仙沼市で鎮魂の踊りを続けており、静かに祈る姿も収めた。「観衆は少なく、踊りはまるで亡くなった人と対話しているかのよう。祈り続ける大道芸人がいることを知ってもらえれば」。踊りの場面だけではなく、オフショットもあり、「笑顔がすてきな人」と話す。

 ギリヤークさんにプレゼントするためだけに撮りためた作品を一冊だけ製本して手渡したが、その時に「値段がついてませんね」という言葉をもらい、出版を決めた。  80歳を過ぎても現役で踊り続けるギリヤークさん。3年後には88歳の米寿と芸歴50周年を迎える。紀さんは「大道芸の原点であり、伝説の存在。同じ大道芸人として心から尊敬している。いつまでも撮影し続けたい」と語る。

 B5判変型(18㌢×18㌢)で2000円(税別)。函館では22日から先行発売する。取り扱いはギャラリー村岡(元町)、アトリエfiore(同)、ギャラリー三日月(弥生町)、栄文堂書店(末広町)、はこだて工芸舎(同)。ウェブ(http://hakodate.yokohama/gilyak.html)からも購入できる。(松宮一郎)



◎五稜郭公園、フジ棚鮮やか

 函館市の五稜郭公園では、二の橋付近にあるフジ棚の花が咲き始め、初夏の彩りで訪れた観光客らを迎えている。今年の開花は例年より約1週間早く、現在は8分咲きで、まだまだボリュームを増しそうだ。

 フジ棚は高さ約3㍍、長さ約30㍍。幅約4㍍。1913(大正2)年に市民が別の場所で植え、20年以降に現在地に移設されたとされる。古木のため、長さ10㍍以上ある幹は傷んでいるが、紫や白の花を房状に垂れ下げて咲かせ、独特の甘い香りを漂わせている。

 観光客らは、棚の下を通り、近くにある土塁に上り、花を上から楽しんでいる。栃木県佐野市から訪れた主婦は「ちょうど良い時期に来ることができた。さわやかな気持ちになります」と話していた。

 同公園内には箱館奉行所横にもフジ棚がある。(山崎純一)



◎函館市人事、総務部長に高橋氏

 函館市の工藤寿樹市長は、特別職人事に伴う部長級人事を固めた。総務部長に高橋良弘環境部長(58)、企画部長に種田貴司保健福祉部長(57)、財務部長に入江洋之経済部長(57)を起用する。2期目の市政運営の要となる主要3部長を含め、7ポストが交代となる。22日に内示し、発令は25日。

 4月の市長選で再選した工藤市長は21日の市議会臨時会に中林重雄(66)、片岡格(60)両副市長の再任と、退任する渡辺宏身常勤監査委員(63)の後任として山田潤一財務部長(58)の選任同意を求める人事案を提出。合わせて退任する秋田孝企業局長(63)の後任には川越英雄総務部長(58)を起用する特別職人事を固めている。

 部長級人事は、山田、川越両部長の後任を軸に調整。経済部長は谷口諭企画部長(55)、保健福祉部長には藤田秀樹企業局交通部長(56)をスライド起用。昇格者は2人で、環境部長に湯浅隆幸企画部計画推進室長(53)、交通部長に田畑浩文土木部次長(53)が就く。

 4月1日付で計13人の部長職の異動があり、今回の人事と合わせて、大間原発建設や人口減少問題、地域経済の再生など、2期目の公約として掲げた政策実現に向け、組織内の活性化を図る。(今井正一)


◎函館ハーフマラソン、ゲストランナーに福島和可菜さん

 6月28日に開かれる「2015函館ハーフマラソン大会」(実行委など主催、千代台公園陸上競技場発着)のゲストランナーとして、函館市出身のタレント、福島和可菜さん(32)が出場することが20日、決まった。

 福島さんは、函館工業高校卒業後、2001年から5年間陸上自衛隊に勤務。その後、タレントとしてテレビやラジオなどで活動し、13年からはこだて観光大使を務めている。高校時代は陸上部に所属し、三段跳で道新人記録を樹立。また現在は各地方のマラソン大会などにも精力的に出場しており、4月に愛知県で開かれた「第1回奥三川パワートレイル」では女子総合優勝を果たした。

 本年度のハーフ大会は4500人が参加。受け付け枠を500人増やしたが、開催時期を6月に変更したことやホームページを一新し、募集方法を変更した点が奏功。3月16日に募集開始し、始めの1週間で3500人の申し込みが寄せられた。

 このほか、実業団登録選手のエントリーも多く、2010年大会の32人を上回り過去最高の人数となる見通しだ。(蝦名達也)