2015年5月25日 (月) 掲載

◎恵山ツツジ満開 まつりにぎわう

 函館市の活火山・恵山山麓一帯に咲く満開のツツジを堪能できるイベント「恵山つつじまつり」(実行委主催)が、つつじ公園などで23日に始まった。サラサドウダンやエゾヤマツツジなど約60万本が自生しており、鮮やかなピンク色の花々が満開に咲き誇っている。24日はステージイベントが行われ、多くの来場者でにぎわいを見せていた。

 函館市の花として有名な「ツツジ」の鑑賞を楽しめる毎年恒例のイベントで、今年で47回目。市恵山支所によると開花は例年より1週間早い13日で、20日に満開となった。

 24日は晴天の下、市民や観光客が公園内をゆっくりと散策してツツジを見たり、写真撮影したりとそれぞれ思い思いの時間を満喫していた。ビニールシートを広げ、弁当を食べながら花見をしていた函館在住で青柳小1年の江成柊さん(6)と妹の凉ちゃん(4)は「初めて来た。つつじがとてもきれいに咲いていた」と笑顔を見せた。

 また、この日は特設ステージで歌や踊りといった多彩なパフォーマンスを展開。初夏の陽気が漂う会場には、たこ焼きやかき氷などの露店約20店舗が集い、大いに盛り上がっていた。

 つつじまつりの会期は6月7日までだが、見ごろは26日までのため、早めの鑑賞を呼び掛けている。



◎旧相馬邸 初の無料開放 観光客らでにぎわう

 函館市指定の伝統的建造物「旧相馬邸」(元町33)が、6月1日で公開5周年を迎えるにあたり、24日に初の無料開放が行われた。大勢の来場客でにぎわい、歴史ある建物とともに数多くの所蔵資料に目を見張った。

 同邸は明治時代に北海道屈指の豪商として知られた相馬哲平の私邸で、1908(明治41)年に建造。木造平屋、一部2階建てで、エステート企画(東出伸司社長)が空き家になっていた建物を改修し、2010年6月から一般公開を始めている。br>
 無料開放は午前9時半の開館前から、市民や観光客が詰めかけるなど盛況。来場客は函館の港を見下ろし、当時としては珍しい洋間を備えた和洋折衷の建物の隅々まで見て回った。

 また、江戸—明治期の探検家で「北海道」の名前を考案した松浦武四郎(1818〜88年)が描いた「コロポックル(蕗(ふき)の下にいる人)の図」が初公開されたほか、普段は複製品を展示している「江差屏風」の実物もショーケース内に飾られ、来場客は東出さんやボランティアの説明に聞き入っていた。

 北斗市から訪れた高橋明子さん(67)は「質素ながらもいいものを残す、相馬哲平の姿勢を感じる。素晴らしい建物を残そうという気持ちにも感動した」と話していた。東出さん(75)は「無料開放は今後も年1回は実施したい。建物を守るためのボランティアも募っていきたい」としている。(千葉卓陽)



実践型地域雇用創造事業 函館市を採択地域に

 厚生労働省は20日付で、本年度から3カ年の「実践型地域雇用創造事業」の採択地域として函館など18地域を決定した。国の支援を受けて、はこだて雇用創造推進協議会(代表・入江洋之市経済部長)が「食・観光」「情報関連産業」の2分野で雇用創出・拡大を図る取り組みを進める。今後、同省による地域雇用創造計画の同意、内閣府による地域再生計画の認定を経て、7月にも事業を開始する。

 同事業は地域特性を生かした雇用環境の向上を目指す取り組みを国が支援する取り組みで、函館2012〜14年度に引き続き、2回目の採択。市や商工会議所、渡島総合振興局などで構成する同協議会が3年間で2億7876万円規模の事業を受託する。

 決定した事業構想のテーマは「ヒトを呼び、モノを売る〜函館ブランド確立による雇用創出・拡大プロジェクト」。新幹線開業や海外航空路線網の拡充による観光客の増加、IT企業の地方進出など、函館の強みとなる食・観光、情報関連産業分野に重点を置き、3年間で273人の雇用創出を目標に掲げる。

 企業向けには、戦略的販売促進研修、経営力向上研修、地域の食資源活用研修などの事業を予定。求職者向けには、即戦力として活躍できるスキルを磨く講座や、地域ブランドを発信する人材育成、合同企業説明会などを展開する。

 また、雇用創出実践メニューとして、地域の豊富な食資源を活用して国内外の観光客らに喜ばれ、函館を代表する土産品の開発を進める考えで、開発から販路開拓、市場調査などを担当する実践支援員を同協議会が採用する。

 入江代表は「函館の将来のために、民間の方々の力添えをいただきながら、全力で事業に取り組み、雇用の創出や函館を代表する土産品の開発につなげていきたい」としている。(今井正一)


◎鹿部春のえびつぶ祭り にぎわう

 【鹿部】春を迎えた鹿部町の旬の食材が楽しめるイベント「鹿部春のえびつぶ祭り」(町主催)が24日、鹿部公園で開かれた。甘エビやツブを求めて朝から大勢の人でにぎわった。

 2013年に国道278号鹿部道路(バイパス)が開通したことを記念し、公園の景観や海産物を広くPRしようと始まり今年で3回目。イベントの目玉でもある甘エビ(約400㌘)とツブ(約1㌔)の即売会には、販売開始の1時間以上前から行列ができたため、整理券を配布して対応。すぐにツブが売り切れるほどの人気を集めていた。

 会場ではこのほか、鹿部町食生活改善推進協議会によるエビの唐揚げやツブを使ったおでんのほか、ホタテ餃子やホタテまんなどのご当地グルメも用意され、こちらも行列のできる人気ぶりだった。

 函館市から訪れた会社員の男性(60)は「エビとツブを求めて1時間以上並び、ようやく購入することができた。家に帰ったら早速生のまま味わいたい」と話していた。(野口賢清)