2015年5月29日 (金) 掲載

◎リュウゼツラン花芽出た!…40年に一度開花へ、熱帯植物園

 函館市熱帯植物園(湯川町3、笠井佳代子園長)の温室で、40年に一度咲くとされる多肉植物「アオノリュウゼツラン」(和名・竜舌蘭)の花芽が今月初旬に観察された。「開花が40年ごとということは、開園当時(1970年)から大事に育てられてきたのではないか」と笠井園長。「初めて花が咲きそうでうれしい。貴重な成長の記録を観測しにぜひ遊びにきてください」と来園を呼び掛けている。

 アオノリュウゼツランは中南米の熱帯地域に多く自生している単子葉植物。メキシコ原産で、テキーラの原料にも用いられている。30〜50年に一度花が咲く。開花の前兆として、アスパラガスのような見た目の花茎が数㍍から数十㍍に伸びる。そこから突起した花芽は数週間後に大量の黄色い花を輝かせ、その後花茎とともに枯死する。  同園では約3年前にも別の竜舌蘭が開花したばかり。笠井園長は「立て続けにめったに見ることができない花を観賞できて感無量。今回も花が咲くように大事に育てたい」と喜ぶ。

 現在、花茎の高さは約6㍍ほどで、先端付近に出た花芽は約6個。開花は6月初旬を予想している。(斎藤彩伽)



◎ツチクジラ味わって、卸売市場1日からメニューに

 道南日本海でのツチクジラ漁解禁(25日)に合わせ、ツチクジラの赤肉を使った竜田揚げ定食と照り焼き丼が6月1日から、函館市水産物地方卸売市場(豊川町)2階の魚市場食堂「魚いち亭」(佐々木博樹代表)のメニューに登場する。

 函館水産連合協議会鯨(くじら)普及部会(利波英樹会長)が肉を安く提供し、市民に手ごろな価格で味わってもらう恒例の取り組み。昨年は竜田揚げ1600食、照り焼き200食を売り上げた。

 どちらも価格は600円(税込み、大盛り800円)で、竜田揚げはご飯とみそ汁、小鉢、照り焼きもみそ汁が付く。佐々木代表は「しょうゆとショウガで下処理して肉の臭みを消すのがポイント」という。

 利波会長は「昔食べて懐かしいという人や、最近は若者も来店し好評を得ている。ツチクジラはミンクやイワシクジラに比べ臭みがなく肉質が柔らかい。食べることを通じ文化を継承していきたい」と話す。

 6月30日まで。営業は午前7時〜午後2時。日曜のほか、3、10、17日は休市のため休業。問い合わせは同連合(電話0138・22・5804)へ。(山崎大和)



韓国文化楽しもう、あす函館韓流まつり初開催

 韓国の料理や伝統工芸、遊びを楽しむ「2015函館韓流まつり〜ハンマダン〜」(実行委主催)が30日午前10時半から、函館市亀田福祉センター(美原1)で初開催される。

 市内で韓国語を教えるキム・チャルスさん(37)が「市民が気軽に参加し、韓国や韓国の文化に理解を深めることができるイベントを開きたい」と発案し、実行委を立ち上げた。キムさんの教室があり、韓国雑貨・食品の販売店「ギャラリーサラン」(西桔梗町)が後援する。

 ハンマダンは派生語で、直訳すると「ハン(大きい)」「マダン(ある事が行われる場所・庭園)」となる。韓国では近年、「フェスティバル(祭り)」の意味として使われるという。

 伝統工芸体験コーナーでは、伝統衣装「チマチョゴリ」を折り紙で作る。遊びは日本の蹴鞠(けまり)やサッカーのリフティングを思わせる「チェギチャギ」を行う。このほか、韓国関連グッズ販売、韓国語による創作紙芝居(午後1時)や、K|POPカラオケ(正午)も予定(この2つは参加者が決定済み)している。

 午前11時からの韓国料理の屋台では、市内松風町の韓国料理店「むかしのアガシの店」などが、キムパブ、ビビンパプ、チヂミ、ピリ辛さきいか、トッポッギ、チャプチェを販売する。キムさんは「韓国に興味ある人の期待に応えたい。ぜひ来場を」と呼び掛ける。

 イベントは午後2時まで。問い合わせはギャラリーサラン(電話0138・49・2340)、キムさん(電話090・7583・8671)へ。詳しくはギャラリーサランのホームページ(http://g—sarang.net/)で。(山崎純一)


◎昨年度取扱高20億円割れ、函館物産協会

 函館物産協会(田口修会長、会員77社)は2014年度の取扱高をまとめた。全国の百貨店で開かれた物産展の売り上げは前年度比9・9%減の18億9883万円で、05年度以来の20億円割れとなった。事務局の市商業振興課は「地方百貨店での催事機会が減少し、消費税引き上げによる個人消費の落ち込みの影響もあった」としている。

 昨年度は、道主催の北海道の物産と観光展31会場、延べ403日間、百貨店主催の物産展は延べ196会場、延べ2035日間に参加。会期中に函館特集を組んだ会場は28会場あり、ミスはこだてによるPRも行われている。例年、秋に開催のピークを迎え、水産物、水産加工品は根強い人気があるほか、菓子類の売り上げも好調だという。

 取扱高は2006年度に初めて20億円を突破。北海道ブームを受けて、08、09年度は24億円台にまで伸ばしたが、10年度以降は減少が続いている。東京や大阪の大都市圏での開催は売り上げが好調だが、閉店や春と秋の2回開催を1回に集約するなど、地方都市での催事機会縮小が影響しているとし、同課は「北海道物産展自体のマンネリ化を指摘する声もある」とする。

 本年度は北海道新幹線の開業を来年3月に控え、函館展開催の引き合いが増えているとし、青函物産展の件数も昨年の4件から今年は5件に増加。埼玉県川越市や栃木県宇都宮市内での開催を予定する。

 また、昨年、函館市と包括連携協定を結んだ流通大手イオングループ傘下のダイエーの各店舗で函館フェアが開かれるなど、同協会を介さない催事機会もある。同課は「百貨店以外の量販店、コンビニエンスストアなど、販路拡大の機会をとらえていき、会員企業の出展支援に努めたい」としている。(今井正一)