2015年5月3日 (日) 掲載

◎遺愛高生 乗客をおもてなし 米客船「フォーレンダム」寄港

 米国の客船会社ホーランド・アメリカ・ラインの豪華客船「フォーレンダム」(6万1214㌧)が2日、函館に寄港した。約1100人の乗客が穏やかな陽気の中、市内観光に繰り出し、函館駅前などでは遺愛女子高校の生徒が案内役として活躍した。

 本年度最初のクルーズ船で同船の函館寄港は通算5回目。4月27日に神戸を出港し、カナダのバンクーバーを目指す途中で立ち寄った。

 歓迎セレモニーで片岡格副市長は「3年連続でこの時期に寄港してもらい、春の訪れを届けてもらっている」とあいさつ。ミスはこだての山原有未さんから花束を受け取ったJ・バイエンス船長は「今回は特に温かい日でうれしい。来年も寄港できるよう楽しみにしている」と話した。

 この日は、乗客向けのシャトルバスのルートに遺愛女子高校を組み込んだ。同校は2007年から生徒の英語力向上につながるとして外国船寄港時に協力を続け、今回初めて校舎を特別に開放。特進科、英語科の生徒を中心80人が船内のインフォメーションデスクや屋外での案内役を務め、同日夕方の出港時のいか踊りにも参加した。

 校内では、書道部、茶道部、イラスト部の生徒が体験コーナーを設置。乗客は生徒に教わりながら自分の名前のかたかなや、桜、函館などの漢字を書いて楽しんだ。書道部の木村裕香部長(17)らは「最初は緊張したけれど、楽しんでもらい、いい経験になりました」と話していた。

 5月の函館港には「コスタ・ビクトリア」(11日)、「ダイヤモンド・プリンセス」(23日)、「にっぽん丸」(26日)、「ロストラル」(31日)が寄港する。    (今井正一)



◎水耕栽培の野菜 生産・出荷始まる 七飯のアプレ

 【七飯】町内で野菜を生産するアプレ(高橋広介社長)はこのほど、東大沼に水耕栽培を行う植物工場2棟を整備し、この春から野菜の生産・出荷を始めた。現在は地元の青果店やホテルに出荷しており、6月にもネットを通じて首都圏の個人向けの販売を開始する考え。工場の規模拡大も目指している。

 工場は総事業費13億円で、建設費11億円のうち5億円に経済産業省の「先端設備等投資促進事業費補助金」を活用。2棟合わせて約3000平方㍍で、昨年6月に着工、今年2月に完成した。温泉熱と地中熱を用いた暖房と、井戸水を使った冷房システムを備え、1年を通じて室内温度を18〜20度に保つことができるほか、日照に応じて自動的に発光ダイオード(LED)が点灯する。

 室内には1〜4層の不織物を敷いた棚があり、養液が循環する仕組み。土を使わないため虫がつかず、農薬が必要ないのが特徴。今年3月中旬から種まきを始め準備し、現在はコマツナやホウレンソウといった葉物を中心に収穫が始まっている。通年で約30種類の野菜を出荷する予定。

 同社は本年度の売上目標を2億8000万円とし、野菜の卸先を地元から首都圏へと広げる方針だ。さらに来年度以降も新しい工場の建設を進め、最終的には20㌶規模にまで事業を拡大したい考え。同社の山根基広専務(43)は「このビジネスを成功させることも大事だか、根幹には雇用促進がある。地元に若い人材を残し、若者が働ける環境づくりに取り組んでいきたい」と話している。

 同社は20年以上にわたり水耕栽培の研究を続けてきた山根専務によって、2008年設立された。  (野口賢清)



◎GW後半 観光客続々 ベイエリアや朝市にぎわう

 ゴールデンウイークは2日から後半に入り、空港や駅は観光や帰省で道南入りする人がピークを迎えた。行楽地も晴天に恵まれて初夏の暖かさとなり、大勢が繰り出した。函館市内の観光名所では外国人も多く、にぎわいを一層盛り上げていた。

 函館空港の到着ロビーでは、家族や友人と久しぶりに再会したり、地元でゆっくり休暇を過ごそうとしたりする帰省者らの笑顔であふれていた。

 東京に住む友人を迎えに来た知内町の三浦桜子さん(32)は長男の陽向ちゃん(5)の手を引き、「友達は1歳になる子どもを連れて来るので、お互いの子どもの成長を話すのが楽しみ」と笑顔。函館市昭和町の工藤幸夫さん(69)は千葉から来た孫の工藤裕介君(6)ら家族と会えて大喜び。幸夫さんは「久しぶりに孫に会えてうれしい」とほほ笑んだ。各航空会社によると、函館発東京行きの便は6日までほぼ満席の状況だという。

 函館朝市では、中国や韓国、台湾などからの外国人観光客らで終日にぎわった。店頭では生ウニの試食や、さきいかの実演などに人だかりができていた。海鮮を扱う「高田屋村本商店」の高橋正昌店長は「連休初日としては入り込みは順調。今年は5連休と休みが短いので、遠出せず近場で済ませる人も多いのでは。このまま天気に恵まれてほしいね」と期待。

 西部地区のベイエリアや元町の教会群では、ゆっくりと歩いて観光を楽しみ、大型連休を満喫する人が多かった。岐阜県各務原市から家族4人で訪れた桑本幸雄さん(46)は「景色が穏やかで、のんびりした気分になれる。休暇にぴったりの場所」。長女の佳澄さん(19)は「念願の北海道旅行で、桜も見ることができた。今度は北海道新幹線で来たい」と話していた。

 気象庁の速報値によると、この日の函館の最高気温は6月下旬並みの21・5度、せたなは7月中旬並みの21・9度まで上がった。同気象台によると、道南は3日は晴れや曇りだが、4〜5日は前線の影響で雨が降りやすくなる見込み。 (山崎純一、山崎大和、斎藤彩伽)


◎衣類、雑貨、お酒、エステプラン…「母の日」最高のプレゼントを

 10日の「母の日」に向け、函館市内のフラワーショップや百貨店などは、商戦に本腰を入れている。定番のカーネーションに加え、衣類や雑貨、お酒など多彩な商品がそろう。エステのプランを提供するホテルもあり、心を込めた贈り物がお母さんの心をつかみそうだ。

 浅水フラワーガーデン(昭和2、浅水春雄代表)では、ピンクや赤色のカーネーションをはじめとする多彩な草花アレンジメントを扱う。

 和風の鉢に10〜15㌢ほどのマイクロコチョウランを植えた「華てまり」、オレガノやパセリなど料理にも使えるハーブの寄せ植え「キッチンガーデン」、複色のカーネーション、観賞後はポプリにもできるラベンダー、苞(ほう)の色が赤・黄・紫などに色づく観葉植物グズマニアなどがお薦めという。

 フラワーアレンジメントや花束などに付けるメッセージ入りのバルーンは毎年人気があり、浅水さんは「母の日に驚きと喜びを届けてみませんか」と呼び掛ける。

 テーオーデパート(梁川町10)は2階に特設コーナーを設け、靴下やストール、美容家電などの商品を並べている。定番のハンドバックや財布などブランド品が人気を集め、「欲しいものをあらかじめ本人に聞いてから、買いに来る客が多いようだ」と同店。丸井今井函館店(本町32)では、5000〜1万円のカーディガンやストールなどを選ぶ客が多いという。また、5日までの期間限定で、特殊加工した生花と器、香りを選び、自分で装飾する「フラワーバイキング」を開催している。棒二森屋(若松町17)は、エプロンやパジャマなど生活用品のほか、全身用保湿クリームが人気。容量75㌘でケースはディズニーや花柄など全50種類から選べる。1個1620円。

 ホテルのプランは話題を呼びそうだ。HAKODATE男爵倶楽部ホテル&リゾーツ(大手町22)は6日から17日まで、母の日限定プランを用意。宿泊者のうち、対象者1人がタラソテラピーパック付きフェイシャル70分コースを堪能でき、1人1万6600円から。6〜9日は満室だが、10日以降に予約の空きがある(2日現在)。「ゴールデンウイーク明けの母の日直前に予約が入ると見込んでいる」と同ホテル。問い合わせ、予約は(℡0138・21・1111)へ。

 お酒をプレゼントする人も。ワインショップ・ワダ(本町7、和田一明代表)の一押しは、青森県産リンゴで作った発泡性醸造酒「シードル」。低アルコールで飲みやすく、春らしい爽やかさが感じられる。750㍉㍑入り1300円、375㍉㍑入り700円。このほか、イタリア産の「ハローキティワイン」、甘口発泡性ワイン「天使のアスティ」「天使のロッソ」、フランス産の本格的な辛口ワイン「クレマン・ド・ブルゴーニュ」もそろう。和田さん(67)は「アルコールを飲むお母さんも多いのでは。家族みんなで楽しんでほしい」と話す。  (斎藤彩伽、平尾美陽子、山田大輔、稲船優香、山崎大和)