2015年5月4日 (月) 掲載

◎花嫁行列 華やか 江差のいにしえ街道 住民ら門出祝福

 【江差】北前船時代の風情ある街並みの町内いにしえ街道で3日、連休恒例の花嫁行列が行われた。羽織はかまの花婿と人力車に乗った艶やかな花嫁に沿道から祝福の拍手が起きた。

 今年のカップルは、ともに江差出身で2012年に入籍した函館の会社員川口紀敬さん(23)と元保育士の七美さん(24)。昨年7月に入籍した江差町役場職員の中川達也さん(29)と美容師の花織さん(28)。

 行列は「春の江差いにしえ夢開道」の一環で、700㍍の道のりを役場や桧山振興局職員ら約120人で練り歩いた。旧中村家(国指定重要文化財)では、縁起のよい歌が披露され、盛り上がった。

 両夫婦は姥神大神宮に参拝し、もちまきも行われ、参加者の笑顔を誘った。

 川口さん夫婦は江差高校の同級生で「クラスメイトも祝いに来てくれてうれしい。12月には2人目の子どもが産まれる予定なので明るく楽しい家庭を築きたい」。中川さん夫婦も「たくさんの仲間に祝ってもらい幸せ」、達也さんは「(奥さんは)やっぱりきれいだなと思う」と笑顔だった。  (田中陽介)(今井正一)



◎チューリップ5万本 鮮やか 木古内サラキ岬フェア開幕

 【木古内】国道228号沿いのサラキ岬(町亀川)で3日、チューリップフェア(実行委主催)が開幕した。会場に植えられた約80種5万本のチューリップが鮮やかに咲き誇っている。フェアは17日まで。

 最近の好天で例年より1週間ほど早く見ごろを迎え、訪れた家族連れらが色とりどりの花を眺めたり、写真に収めたりして楽しんでいる。イベントが始まった3日は、会場にホタテやカキの網焼き、特産品のはこだて和牛を使ったコロッケなどの屋台が並び、多くの人でにぎわった。

 札幌から訪れた佐藤秀子さん(63)は「見たこともない種類のチューリップもあり、とても楽しかった」と笑顔で話していた。

 5日午前11時から「第12回チューリップ祭り」として、新幹線に関するクイズ大会や歌謡ショーなどのイベントを開催する。 (金子真人)



◎スルメイカ漁解禁まで1カ月 続く漁獲量の低迷、燃油高 漁師不安「豊漁願う」

 6月1日の道南スルメイカ漁の解禁まで1カ月を切った。函館は2010年以降、漁獲量の低迷が続いており、現在も燃油高の影響もあり漁業者の経営は厳しい。一方、水産庁が4月28日に発表した日本海での来遊予測では、前年と近年平均(10〜14年)を上回る見通しだ。

 函館のイカ釣り漁船は解禁直後、日本海側を北上する群れを追って松前小島付近へ向かう。操業コストに占める燃油代の比重が高く、燃油代高騰は打撃が大きい。

 市漁協(橘忠克組合長)によると、組合員に販売するA重油価格は1日現在、前月から3円上がって1㍑あたり73・7円(税別)。昨年同期(98・2円)の異常な高値からは落ち着いた感があるが、依然として高い水準。漁業者の佐藤豊次さん(65)は「商売するのには高い。経費に占める燃油代が大きいので高騰は困る。イカがたくさん捕れてくれれば」と願う。同漁協は「じりじりと燃油代は上がっており、6月以降どうなるか注視したい」という。

 函館港に「いけすイカ」を水揚げする市漁協と銭亀沢漁協所属の漁船は、前年より5隻減って計20隻。船の老朽化や船員の高齢化が要因で、生産基盤が弱体化しているのが現状だ。

 調査は5〜7月の日本海でのスルメイカの漁獲見通しを示すもので、平均分布密度は前年と近年平均を上回り、特に石川県能登半島以北で高かった。

 道総研函館水試(金森浩一場長)の澤村正幸研究主査は「日本海全体では、秋生まれ群の産卵場の形成が比較的順調だった。小型イカの分布密度も高かったので、来遊状況は10年以降では割と良いのでは」と話す。

 本道日本海へのスルメイカ来遊予測は、同水試の調査船「金星丸」が今月21〜27日に行う日本海北上期調査の結果に基づき、漁期開始前に発表される。(山崎大和)


◎市民活動が9条守る 憲法記念日に道南で集会

 市民団体「戦争をしないための選択・9条を考える道南の会」は憲法記念日の3日、函館市芸術ホールで講演会「道南市民の集い 世界の希望9条と市民の力」を開いた。中央大総合政策学部の目加田説子教授(国際政治学)が「平和と市民」と題して講演、約520人が耳を傾けた。

 日曜のテレビ番組「サンデーモーニング」(HBC)でのコメンテーターとして活躍する目加田さん。

 講演では、海外メディアの批判的な記事に圧力をかける外務省の行為が、民主主義の根幹である報道の自由を侵害すると指摘。自ら携わる対人地雷やクラスター爆弾の廃絶運動について、中堅国家と市民活動が連携して禁止条約を成立させた事例を紹介した。その上で「憲法9条は大事。9条を守るには擁護の声を上げるだけでなく、たゆまぬ活動があってこそ守られる」と強調した。

 講演に先立ち、今年1月に死去した函館出身の憲法研究者で東大名誉教授の奥平康弘さんをしのび、妻せい子さん(東京在住)が登壇。「憲法が壊されていく危機を残念に思う。若い世代が憲法を生きたものにしていかないといけない」と訴えた。道南の会運営委員の徳永好治さんも「奥平先生の志を受け継ぎ、憲法を生かす市民の営みを」と呼び掛けた。 (山崎大和)