2015年5月5日 (火) 掲載

◎西部地区、夜も混雑

 ゴールデンウイーク(GW)を利用して、旅行や帰省で函館を訪れる人が多い中、市内西部地区では午後10時ごろになっても大勢が往来する。日ごろと違う大混雑に地元住民からは「GW、夏のお盆時期ならではの光景」との声が聞かれる。

 高田屋通や二十間坂では、同9時半ごろから函館山に向かう車が列を作る。午後5〜10時は、頂上に向かう函館山登山道(道道立待岬函館停車場線)が一般車両の通行ができないため、規制解除を待つ。周辺の青柳町に住む男性(63)は「一斉に車が進む時の音は困るが、以前よりはマナーが良くなったと思う」と話す。

 函館市電・十字街電停では、湯の川行き方面への電車の本数が少なくなる午後8時半を過ぎると、乗り場からあふれるほどの人が並ぶ。3日同9時半ごろも同様で、本町のホテルへ向かうという静岡県磐田市の男性(48)は「ロープウエーを利用し函館山で夜景を見てきた。子どもが市電に乗りたいと言うので来てみたが、歩き疲れたようなので座らせたい」と話した。毎週2回この時間に市内湯川町の自宅に帰るという女性会社員(25)は「連休中は立って帰るのを覚悟してます。このにぎわいが毎週のようにあれば」とほほ笑んだ。

 市電の混雑は終電まで続く。



◎Wi—Fiガイドマップ作成

 北海道新幹線新函館開業対策推進機構は、公衆無線LANサービス「Wi—Fi(ワイファイ)」を無料で利用できる函館市内の施設をまとめたガイドマップをこのほど作成し、配付を開始した。国内外の観光客のニーズに対応し、受け入れ態勢を強化するのが狙いだ。来年3月の北海道新幹線開業や、今後拡大が予想される海外各国との定期便就航を前に、ワイファイ環境の整備は待ったなしの状況となりつつある。

 同機構が情報共有などの目的で開く「シティセールスプロジェクトチーム」の会合で、参加する企業約70社に協力を呼び掛け、データを集めて完成した。マップの表記は英語と日本語の2言語で、市内52カ所の利用可能スポットを一覧と地図で紹介。ワイファイの接続方法も説明している。同機構は「旅行客がストレスなく観光してもらえるよう、今後も無料スポットの情報を集約していきたい」とする。

 スマートフォンやタブレットなどの普及で、宿泊業界ではワイファイへの対応は不可欠となりつつある。函館市内のホテル関係者は「ワイファイ環境が整っていないと、予約段階で選んでもらえない」と話す。別の宿泊施設の担当者は「利用者から、函館市はワイファイ環境が充実していないという声も寄せられている」とし、「観光客目線に立ち、ワイファイが使える箇所を増やしていくべきだ」と強調する。

 ただ、ワイファイ対応工事を行うには多額の費用が必要なことから、行政の支援を求める民間業者も少なくない。市国際観光課の担当者は民間への支援策は検討中とし、「公共性の高いエリアから順に、ワイファイが無料で使えるフリースポットを拡充していきたい」としている。(山田大輔)



◎中小企業向け融資制度の利用増加

 函館市経済部は2014年度の中小企業向け融資制度の利用状況をまとめた。運転資金、設備資金を貸し出す「一般支援資金」と「小口ファイト資金」の利用総数は13年度比104件増の517件、金額は同9億8780万5000円増の53億5652万5000円だった。融資制度全体では6億4137万円増加した。サービス業、小売業を中心に資金需要の増加が目立った。

 一般支援資金の内訳は、仕入れ、決済資金などに充てる運転資金で343件、44億5029万円、設備資金は46件、3億3843万円だった。昨年度に創設した青森県への進出、企業連携などに融資する「青函地域活性化資金」はいずれも運転資金で4件、6500万円の利用があった。小規模事業所向けの小口ファイト資金も利用が増え、124件、5億279万円だった。

 このほか、産業活性化資金として12件、2億1661万円。新規開業者向けのチャレンジ資金は7件、4950万円で、中心市街地活性化基本計画エリア内の利用が3件あった。

 全融資件数536件を業種別にみると、サービス業の利用件数が43件増えて131件と最も多く、建設業117件、小売業112件と続く。製造業の利用も前年度と比べ27件増えた。

 本年度は各融資制度に変更はないが、融資利率をより低利に設定し、利用しやすく改善した。市商業振興課は「13年度から導入した経営改善に努める企業への優遇利率の適用件数も多く、小売、サービス、建設業での資金需要が目立った。青函資金の活用も各機関に働き掛けながら、利用を促したい」としている。(今井正一)


◎「スタジオUMI」オープン

 函館在住のカリグラファー山田淳子さんは3日、函館市桔梗5にある自宅を改装し、カリグラフィーやスクラップブッキングなどの制作体験講座やアート作品展示をする「スタジオUMI」をオープンさせた。5〜7日は入場無料で自由にスタジオを見学できる。

 カリグラフィーはペンや筆を使って美しいアルファベットなどの文字を書く「西洋の書道」。山田さんは1989年にカリグラフィーと出会い、通信教育で学び始めた。「限りなく多い字体や優しい仲間たちに囲まれて、日に日に魅了されていった」と山田さん。カリグラフィーの面白さに引き込まれるのと同時に、「自分の個性が入り混じった文字」を書けないもどかしさが続いた。向上心が高まり、東京に出向いて海外のカリグラファーが集まるワークショップやスクーリングにも意欲的に参加するなど充実の26年を過ごしてきた。

 「苦労した分、人に教えられることもある。個性を大切にして『その人にしか書けない文字』を美しく表現してもらいたい」と笑顔を見せる。

 また、カリグラフィーのほか、スクラップブッキング作家としても活躍。国際スクラップブッキング協会の1級エグゼクティブインストラクターとして道南各地で体験会も行ってきた。

 スタジオUMIでは、カリグラフィーとスクラップブッキングの2講座を開講する。問い合わせは山田さん(電話080・4505・0210)まで。(斎藤彩伽)