2015年5月6日 (水) 掲載

◎こどもの日 各地に笑顔…手作りたこ天高く

 「こどもの日」の5日、函館や道南各地で親子向けのイベントが開かれた。4日の雨から一転して晴天に恵まれ、会場は子どもたちの笑顔に包まれた。

 五稜郭タワー(函館市五稜郭町)で開かれたたこ揚げ大会には、市内の2歳から小学6年の子ども22人と保護者が参加。子どもたちは、手作りのたこが空を舞う姿に歓声を上げた。

 同タワーが主催し、1968年から続くこどもの日の恒例行事。たこ揚げに先立ち、参加者は同タワー近くの「櫻交流ハウス」でたこ作りに挑んだ。はこだて日本の凧の会の会員4人が講師を務め、同タワーのキャラクター「GO太くん」が描かれた「グニャグニャだこ」と呼ばれるたこを制作。竹骨や糸、尾などを取り付け、40分ほどで完成した。

 その後五稜郭公園前の広場に移動し、早速たこを揚げた。観光客や市民でにぎわう中、赤いたこが一斉に空高く舞い上がり、子どもたちは大はしゃぎ。母親と参加した永洞武蔵君(7)は「自分で作ったたこを揚げるのは楽しかった。家でもやってみたい」と笑顔を見せていた。(稲船優香)



◎GW終盤 Uターン本格化

 ゴールデンウイークを古里や行楽地で過ごした人たちのUターンラッシュが5日、函館でも本格化した。札幌、本州方面へ向かう飛行機、列車は満席状態で、駅や空港は大きな荷物を抱え、目的地に向かう家族連れらで混雑した。

 JR函館駅では、改札口前で列車を待つ人の混雑が続いた。青森県から観光で来ていた吉田進さん(74)は「五稜郭のソメイヨシノはほとんど散っていたが、しだれ桜は見ることができて良かった。名物のカレーや海鮮丼がおいしかった」と話した。新潟県の柳澤暢一さん(32)は「函館山に行き、子どもがロープウエーのゴンドラに乗って喜んでいた。海に挟まれたまちの景色はきれいでした」と笑顔。

 函館空港では、出発ロビーで、土産物の入った袋を抱えた搭乗客が長い列をつくった。千葉県から遊びに来た親戚を見送った江差町の田島元さん(62)は「なかなか会うことができないので、江差まで来てもらえて良かった。数日間だったが、楽しんでもらえたはず」と話した。

 Uターンのピークは6日で、航空各社によると、本州各地に向かう全便が満席。JR北海道によると函館発の特急列車は、札幌行きは午前8時以降の全列車、新青森行きは午後0〜3時台の列車が満席。函館─札幌間の高速バスは、「はこだて号」は全便満席。「ニュースター号」は一部の便で空席がある。(松宮一郎、能代俊貴)



◎まちあるきマップに開港通り追加

 函館市は、観光客向けに市内のおすすめ散策コースを紹介する小冊子「函館まちあるきマップ」に新たに「てくてく開港通り〜街の発展と食を訪ね歩く」を追加した。函館朝市からベイエリア、二十間坂に至る「開港通り」を経由し、宝来町の高田屋嘉兵衛像周辺までの約80分のコース。市内観光案内所などで無料配布している。

 まちあるきマップはA4判3つ折りのオールカラーで、2010年度から製作し、26コース目。市観光企画課は「王道の西部地区散策やライトアップした建物をめぐるコース、五稜郭公園周辺のマップが根強い人気」とする。

 開港通りのコースは、まちあるきガイドが名所を案内するイベント「てくてくはこだて」で、昨年度に紹介したコースをベースにまとめた。朝市や明治館、赤レンガ倉庫群などの名所を紹介している。

 同課は「ほぼ全市を網羅した26コースで、どこに行っても楽しんでもらえる。予定に合わせながら気軽に楽しんでもらいたい」としている。(今井正一)


◎コンテナ取扱量5.5%増、昨年度の函館—釜山航路

 函館港唯一のコンテナ航路、函館—釜山(韓国)航路の2014年度のコンテナ貨物取扱量(速報値)は、前年度比5・5%増の2513個(TEU=20フィートコンテナ換算)となった。ホタテの貝殻や中古自動車部品の輸出が伸びたことが要因とみられ、輸出量は輸入を上回り、過去最多となった。

 同航路は2005年から南星海運(韓国)が開設し、ことしで10年目を迎える。中国の各港を回っており、昨年12月から毎週火曜日に函館に寄港している。

 市港湾空港振興課によると、昨年度の輸出は前年度比約9%増の約1300個と好調だった。中でもホタテの貝殻は韓国などでカキの養殖に使われており、輸出製品の約3割を占める。また、中古自動車部品の取扱量が増えたほか、廃プラスチックやペットボトルの取り扱いが例年並みに推移した。ただ、海産物の漁獲量が減少し、サケやマス、スケソウダラなどの輸出量は伸び悩んだ。

 一方、輸入は1205個と前年度から微増。東日本大震災から4年が経過し、震災関連需要は落ち着いたものの、ヨーロッパからの原木や製材の取り扱いが伸びた。また、事業用の果物の缶詰や船用品も堅調に推移した。

 コンテナ取扱量は東日本大震災が発生した11年度の3400個をピークに減少傾向にあったが、「震災前の10年度と比較すると、取扱量は着々と増えており、今後も増加が期待される」(同課)としている。

 本年度もホタテ貝殻の輸出や原木の輸入が好調に推移しているといい、幸先の良いスタートを切っている。同課は「首都圏や道南の企業を中心としたポートセールスを強化し、取扱量の増加に取り組んでいきたい」としている。(蝦名達也)