2015年5月8日 (金) 掲載

◎香港のカップル 函館で愛誓う

 香港のカップルが7日、函館市元町の旧函館区公会堂で結婚式を挙げた。歴史的な雰囲気が漂う館内で愛を誓い合った。セレモニーの前には市役所に婚姻届を提出。市が海外で結婚式を挙げる「リーガルウェディング」の外国人カップルに対して婚姻届受理証明書を初めて発行し、2人を祝福した。事業者の団体が売り込みに力を入れており、今後函館で式を挙げるカップルは増えそうだ。

 フォト協議会」(野崎均会長)が海外からの観光客誘致の手段として香港で売り込んだ成果。会員企業が協力して結婚式のプロデュースや衣装の手配、市内各所での写真撮影などを行った。

 式を挙げたのは孔振勇さん(37)と戴翠玲さん(36)。タキシードと純白のドレス姿でセレモニーに臨んだ。片岡格副市長をはじめ協議会の関係者ら約50人が参列。片岡副市長が「結婚式の場所として函館を選んでもらい大変うれしい。末長くお幸せに」と語り、証明書を2人に手渡した。

 ほかに宣誓や指輪の交換があり、2人は終始にこやかな表情だった。フラワーシャワーには居合わせた観光客も加わり、にぎやかに門出を祝った。孔さんは函館で結婚式を挙げた理由を「街が美しく、夜景がきれいだったから」と語り、戴さんも「最高の結婚式でとても幸せ」とほほ笑んだ。

 同協議会では香港のカップルの結婚式の予約を今月中にもう1組と12月に1組受けている。「今後も函館と道南の景観をアピールし、海外客をどんどん取り込んでいきたい」としている。(松宮一郎)



◎乙部の「集落支援員」堀之内さん 居酒屋開店

 【乙部】町の「集落支援員」として、3月末まで町内で農産物販売や加工商品づくりなどに取り組んでいた堀之内信次郎さん(40)が、町内緑町353に「居酒屋和がや」を構えた。農業の現場で培った経験を生かしたい考えで、「得意の料理で乙部の良さを伝えたい。地元の特産品を積極的に使って、生産者の喜ぶ表情も見たい」と意気込んでいる。

 堀之内さんは埼玉県春日部市出身。2013年に結婚を契機に乙部に移住し、総務省事業の集落支援員を2年間務めた。その中で、地域の農産物の品質の良さをもっと伝えたいと、トマトジャムづくりなどを呼び掛けて商品化。売れ行きは好調で「農家のみなさんが喜んでくれたことが本当にうれしく、地元のみなさんが仕事に対して自信ややりがいを感じてもらうのが一番」と堀之内さんは活動を振り返る。

 一般町民とも交流を育み、オーナーの高齢化などで町内の飲食店が閉店する様子を目の当たりにし、「住民が気軽に集える居酒屋を持ちたいと思い」と集落支援員時代に知り合った前店舗のオーナーの後押しを受けて、4月27日のオープンにこぎつけた。

 料理の腕前には自信があるという。「高校時代にイタリアンレストランでアルバイトして以来、大好きになり、独身のときはいつも自炊していた」という。

 居酒屋の基本メニューに加え、乙部産のハチミツを使ったプリンも人気。「手づくりなのでその日に用意できる量は限られるが、乙部の特産品の素晴らしさを感じられる一品にしたい」とPR。

 営業時間は午後5時半〜同11時。日曜定休(予約時はオープン)問い合わせは同店(TEL0139・56・1315)へ。(田中陽介)



◎GW好天 道南にぎわう

 今年の函館・道南のゴールデンウイーク(GW)は、4日の雨を除いて好天に恵まれ、観光地は道内外から訪れた多くの人でにぎわった。ただ、函館はサクラの開花が例年より早まり、4月中に満開となったため、花見客は前半に集中、後半(2〜6日)は物足りなさを感じた人もいたようだ。

 函館地方気象台によると、函館のサクラは4月21日に開花、同24日に満開を観測した。函館の気温は5月2日に最高気温21・5度を観測するなど、平年より高めに推移。5日には函館で最大瞬間風速19・2㍍を記録したが、「5月に入った時点でサクラの見ごろは終わっていた」とする。

 五稜郭公園管理事務所によると、同公園の来場者数(4月25日〜5月6日)は24万4926人。1日あたりのピークは4月29日の4万385人。同事務所は「夜桜電飾(4月25日〜5月17日)のスタート時から満開だったので、4月中に人が押し寄せた。現状では前年より5万人程度多く推移しているが、サクラの終了以降は苦戦気味」という。

 第68回松前さくらまつり開催中の松前公園は、4月29日〜5月6日の来場者数が前年同期比2万3000人減の7万7800人。「出だし(4月25〜28日)は好調だったが、その後は各地で咲いたので客足が分散された」と松前観光協会。

 五稜郭タワーの4月25日〜5月6日の利用者数は6万4187人で、前年同期から8712人増加。ピークの3日は、7800人が訪れた。「サクラの開花が早かったおかげで、期間前半の利用が好調だった」と担当者。函館山ロープウェイの4月25日〜5月6日の利用者数は9万2184人。前年同期を1万8000人ほど上回り「全般に好天に恵まれた」としている。

 函館朝市も、にぎわいを見せた。函館朝市協同組合連合会の井上敏廣理事長は「例年は5月に入ってから増える観光客が、今年は4月下旬から大勢押し寄せた。昨年と比べるとかなり増えたという印象」と話す。金森赤レンガ倉庫を運営する金森商船によると、客足のピークは3、4日。駐車場の稼働台数は前年同期と比べ10%増えたという。

 道警函館方面本部によると、国道5号の混雑のピークは札幌に向かう大沼トンネル—西大沼間で、3日午前10時〜午後1時20分ごろに約6㌔が最長。函館に向かうピークは森町と七飯町の間にある宿野部橋を先頭に、3日午後0時半ごろ〜同7時半ごろに約3㌔の混雑。

 昨年は函館に向かう森町赤井川—同町姫川間で、最長約9㌔の渋滞が発生したが、今年はなかった。交通課は「国道5号の上り線に大沼方面に向かう左折レーンが新設されたことや、サクラの開花時期が早まったこと、長期休暇による交通量の分散化などの理由で混雑は抑えられた」とみている。(山崎大和、山田大輔、稲船優香、能代俊貴)


◎「愛する森町」 岩井さんCD自費制作

 【森】森町砂原2のホタテ養殖業岩井君枝さん(57)が、「愛する森町」と題したCDを自費制作した。自ら作詞・作曲・歌を担当。カラオケ好きが高じて自分の歌が念願かなって形になった。地域のイベントなどでも披露しており「楽しんで聴いてもらえたらうれしい」と話している。

 岩井さんは、夫の久樹さん(62)と共にホタテ養殖業に励む。本業の傍ら、歌うことが好きで「愛する森町」は歌詞とメロディーが自然と頭に浮かんできたという。改行 歌詞は3番まであり、森町を象徴する百年桜や駒ケ岳、イカ飯、噴火湾などが登場。森町への愛情とこだわりが感じられる演歌だ。

 歌にして聴かせたところ「とてもいい曲」と気に入った応援者の協力で、昨年9月に東京のスタジオでレコーディング。音響はスタジオ側にお願いした。

 CDは全4曲入り。歌詞カードには岩井さんの船「久宝丸」の写真も載せた。人生を歌った2曲目「あ、Happyーだ〜ねえ」は、演歌とポップスを融合させたような曲で、久樹さんも一節歌っている。

 船上でのホタテ水揚げや倉庫内で行う耳吊り作業の際にも、このCDを流しており、既に家族全員の耳に染み込んでいる。岩井さんは「歌を通じて素晴らしい古里を孫たちに残したい」と笑顔を見せる。

 500枚以上制作し、希望者に無料で配っている。問い合わせは道の駅「つど〜る・プラザ・さわら」(℡01374・8・2828)または岩井さん(090・3111・1203)へ。(山崎大和)