2015年6月10日 (水) 掲載

◎カーネーション色鮮やか

 【七飯】道内1位のカーネーション出荷量を誇る七飯町で、共同選別作業が始まっている。JA新はこだて七飯基幹支店ななえ農産センター(大中山7)では、黄色やピンクなど色彩豊かな切り花を全国へ送りだしている。

 共選は今月2日からスタート。現在は火、金、日曜の週3回受け入れている。作業場では、パート従業員約60人が手際良く選別、箱詰めしており、1日約3万本を出荷している。

 今月中に受け入れを週6回に拡大、最盛期の7、8月には1日約30万本を扱う。年間出荷計画は約1500万本に上り、共選は11月末まで続く。

 七飯町と北斗市の45戸が夏場を中心にスプレー系、スタンダード系合わせて約160種を栽培、品種への多様なニーズに対応する。

 同支店花卉(かき)課の白石英帝人(ひでと)係長は「生育は平年並み。まだ数量は少なめだが、天候が良くなれば出荷が増え、今月末には出そろうだろう」と話している。 (山崎大和)



◎大妻高 北斗で田んぼアートに挑戦

 【北斗】函館大妻高校(池田延己校長)食物健康科1年生37人が9日、色の違う観賞用稲で絵や文字を描く「田んぼアート」の田植えを北斗市市渡の水田で行った。来年3月の北海道新幹線開業を見据えた初の試み。雨の中、生徒たちはぬかるんだ田んぼにはだしで入り、「ふっくりんこ」などの文字が浮かび上がるよう苗を移植した。

 JA新はこだてが協力し、総合学習の一環として2007年から行っており、昨年までは主食用米作りを体験してきた。今年は同JA大野基幹支店の田山光幸営農センター長所有の水田約558平方㍍を提供。ふっくりんこの公認キャラの部分は、既に今月6日に北斗市民らが農業体験の一環で移植を終えている。

 生徒は植え方の説明を受けた後、田んぼに入り、歓声を上げながら田植えを開始。ふっくりんこのほか、「JA新はこだて」「北斗市」の文字を見本線に沿って1時間かけて植えた。余白スペースにはふっくりんこを植え、12月の創作料理発表会に使う。

 田山センター長によると、青森県田舎館村などから葉色が白い「ゆきあそび」、紅紫系の「紅あそび」など観賞用稲7品種を取り寄せた。最初は緑色の稲が、育つにつれて7月末ごろから白や赤、紫などに変化するという。田山センター長は「来年は新幹線で来るお客に見てもらう仕掛けにしたい」とし、観光振興に結び付ける考え。9月末から収穫が始まる。

 竹田有沙さん(15)は「最初は嫌だと思ったけれど、途中から足も手も泥まみれになって楽しかった」と笑顔を見せた。(山崎大和)



◎産前産後のママ支援…函館市がケア事業着手

 少子化対策や子育て世代への支援拡大に本格着手している函館市は、出産を控えた女性を継続的にサポートする「産前・産後ケア事業」を始める。助産師の相談支援員が市内在住の妊婦全員を対象に面接や電話相談を行うほか、出産後の母親と乳児を産科などの医療機関に一定期間宿泊させ、育児に関する保健指導を行う「宿泊型産後ケア」を実施する考えだ。

 4月に施行された「子ども・子育て支援新制度」が定める利用者支援事業の一つで、19日開会の定例市議会に提出する一般会計補正予算案に231万円を計上した。

 相談支援事業は、市総合保健センター(五稜郭町23)に妊娠届出書を提出しに訪れた妊婦に対し、相談支援員が面接を実施。また、同センターに来られない妊婦にも電話で体調や不安事項がないかなどを聞き出す。必要に応じて地区担当の保健師や医療機関と連携し、産前から継続的な支援を行う。

 個人委託事業として実施し、相談員数名がローテーションで窓口の対応を行う予定だ。

 宿泊型産後ケアは、分娩を取り扱う医療機関への委託事業で、空きベッドを利用し、希望する利用者に1組あたり原則1週間宿泊してもらう。同部は「通常なら出産後5日ほどで退院するが、初めて子どもを手にする場合や、30、40代で出産する母親は育児に関する不安が大きい」とし、母親の心身のケアとともに、沐浴(もくよく)や授乳の仕方、乳房管理、乳児の栄養管理などの保健指導を行う。

 月2人ほど宿泊対象にする見通しで、利用希望者は事前に相談支援員と面接して決定する。市は10月をめどに、女性が抱える結婚、子育てなどの悩みに対応する相談窓口「マザーズ・サポート・ステーション」を設置する考えで、「同ステーションの職員とも情報を共有し、妊婦への支援を強化していきたい」としている。(蝦名達也)


◎弘前バル街 函館からツアー

 函館西部地区バル街実行委(深谷宏治委員長)と日本旅行函館支店(港町1)は、7月4日に弘前市で開かれる「弘前バル街」に合わせ、弘前と青森などを回るツアーを企画し、販売を始めた。函館と同様に飲食店を飲み歩くバルイベントと青森観光を楽しむことができる。

 来年3月の北海道新幹線開業に向け、市民レベルの青函交流を活発にしようと昨年初めて開催した。当日は函館から料理人集団「クラブガストロノミーバリアドス」と豊川町の「やさいばーみるや」が出店。みるやは野菜パフェをピンチョス(つまみ)として提供するという。

 ツアー自体は4、5日の1泊2日。初日はバル街のほか、オプションで市内のまち歩き「弘前路地裏探偵団」の特別版も体験できる。2日目は田舎館村の田んぼアートの見学などもコースに盛り込んでいる。函館西部地区バル街実行委の田村昌弘さんは「新幹線開業はもうすぐ。イベントをきっかけに互いに交流を盛んにしていければ」と話す。改行 函館発着で、移動はJRのスーパー白鳥と貸切バスを利用する。料金は全行程に添乗員が同行するプランが1万9800円。2日目がフリーになるプランが1万7800円。バル街チケットは別料金。問い合わせは同支店(電話0138・62・3770)へ。(松宮一郎)