2015年6月11日 (木) 掲載

◎千代の富士 還暦土俵入り赤い綱展示 横綱記念館

 【福島】今月1日に60歳の誕生日を迎えた町出身の九重親方(元横綱千代の富士)が、両国国技館(東京)で行った還暦祝いの土俵入りの際に締めた赤い綱が10日、横綱記念館(福島190)にお目見えした。九重親方の姉で同館の副館長小笠原佐登子さんは「赤と白の綱は凛々しく華がある。ぜひ多くの人に見てもらいたい」と話している。

 土俵入りは5月31日に国技館で行われ、九重親方にとって引退以来24年ぶりだった。還暦を意味する赤色の綱を締め、太刀持ちに白鵬、露払いに日馬富士を従えて、現役時代をほうふつとさせる雲竜型のせり上がりを披露し、館内を沸かせた。還暦土俵入りを行ったのは九重親方で10人目。

 当初は6月中旬からの展示を予定していたが、ファンからの問い合わせが多く、九重親方の「応援してくれる人たちに1日でも早く見てもらいたい」という意向もあり、到着後すぐに展示した。赤い綱に加え、白鵬、日馬富士が着用した白の綱も飾られていることから、初日から多くの来場者が記念撮影をしていた。6月下旬からは還暦土俵入りの際に使用された化粧回しも加わり、同館の見応えもさらに増す。

 今季の営業は11月15日までで、開館時間は午前9時から午後5時。入館料は一般500円、高校生以下250円。団体割引あり。 (小杉貴洋)



◎「ほんわか」古本市 被災地児童を支援

 東日本大震災で被災した福島県の子どもたちを夏休みに道南に招く活動を行う、被災地の子どもを応援する会「ほんわか」(田中いずみ代表)が、古本市を函館市大手町3のカフェ「ハルジョオン・ヒメジョオン」2階の大手町リーヴズで開いている。収益金は保養プロジェクトの活動資金に充てる計画で、多くの来場を呼び掛けている。14日まで。

 古本市は昨年6、11月に続いて今回で3回目。会員やその友達に呼び掛けて1000冊以上が集まった。小説や手芸本、フィクション、絵本などジャンルは多彩で、価格は10円〜1000円。来場者が宝物探しのような感覚で品定めを楽しんでいる。

 会場では、かっさ(つぼ押し)600円、2個で1000円、木べら800円、ペンダント500円などオリジナルグッズも販売している。  本年度は、7月23〜30日に7泊8日の日程で「ほんわか のびのび夏休みinはこだて2015」と題し、福島県の小学4〜6年生20人が道南を訪れる。ホストファミリーが受け入れ、安心して自然や土と触れ合う。27、28の両日には七飯町文化センターで「ほんわか学校」を開き、宿題を教えるほか、リンゴの実すぐりや茶道体験なども予定している。

 副代表の村上洋子さんは「思いがけない本に出会えるかもしれないので、ぜひ来場を。忘れがちになる被災地の子どもたちの支援に協力してほしい」と話す。

 午前11時半〜午後5時。 (山崎大和)



◎函館市 無料Wi−Fi拡大へ 観光施設中心に250カ所

 函館市は観光客の受け入れ環境を整備するため、観光施設を中心に公衆無線LAN「Wi−Fi」スポットの拡大を図る。スマートフォンやタブレット端末を片手に観光を楽しむ人が増え、外国人客のニーズも強いが、無料で気軽に接続できる環境は整っていないのが現状だ。市は希望する民間施設などを含めて本年度は250カ所のスポットを増やす方針で、観光客が足を運ぶ地域を中心に面的な整備を推し進める。

 19日開会の第2回定例市議会に提出する補正予算案に整備費として800万円を追加した。

 函館商工会議所や市などでつくる北海道新幹線開業対策推進機構は2012年から「Hakodate City Wi−Fi」として、利用環境の拡大を目指し、同会議所や市役所などにも無料スポットを開設した。事業開始当初は有料接続の場合もあったが、外国人観光客の増加を受けて無料接続のニーズが高まっているという。

 同機構は今年3月に無料スポットのガイドマップを発行し、52カ所の情報を掲載したが、観光施設の設置例はまだ少ない。市は予算成立後、ルーターの設置を推進する事業者を公募。設置後の維持経費は施設側の負担となるが、飲食店など民間事業者にも利用を呼び掛けて、観光客の利用が多い屋内施設を中心に設置を進める。

 一方で、西部地区など散策しながら観光地をめぐるスタイルが定着している函館の場合は、屋外型のWi−Fi環境整備も今後の課題だ。5月31日に函館港西埠頭に寄港したフランス客船の船長は「乗員向けに港でWi−Fiが使えるとうれしい」と要望した。大型客船寄港時に、無料スポットに乗員らが滞留するケースもあり、港などの観光施設以外での整備も潜在的な需要がありそうだ。

 市は来年度も設置事業を継続し、2年間で500カ所程度のスポットを増やし、観光客向けのPRにも努める考え。市観光部国際観光課は「外国人観光客にも利用しやすいよう、登録の手間がないような仕様としたい。設置施設や店舗の集客にもつながるように、面的な整備を進めていきたい」としている。  (今井正一)


◎有事の際 迅速に 災害警備本部 初の移転訓練

 大規模な災害が発生して警察庁舎が使用できなくなった場合を想定し、災害警備本部を移転する訓練が10日、函館市石川町の函館運転免許試験場で初めて行われた。同本部や函館中央署、函館西署から約30人が参加し、迅速に本部を設置するための態勢を確認した。

 2011年3月の東日本大震災で、被災地の警察施設が使えなくなったことを受け、道警函館方面本部は、津波の発生を想定し、沿岸から離れ、かつ高台にある同試験場を代替施設に指定し、通信機など必要な機材を今年3月までに配備した。同試験場の海抜は約38・5㍍。同本部は約13・8㍍。函館西署は約2・2㍍。

 訓練は午前9時ごろに、震度6の地震が発生したという想定で行われ、警察署ごとに無線機などが入ったコンテナを、同試験場2階試験室に運び入れ、通話機約30台や衛星携帯電話、モニターなどを1時間半ほどで設置して災害警備本部を立ち上げたほか、無線機の通話試験も行った。

 同本部の上杉延嗣警備課長は「今後は災害想定の条件を高めて訓練を継続し、有事の際に迅速に警備本部を立ち上げられるようにしていく」と話した。 (能代俊貴)