2015年6月13日 (土) 掲載

◎函館競馬20日開幕、競走馬続々と入厩

 日本中央競馬会(JRA)函館競馬場(駒場町12)では、20日に開幕する函館競馬に向け、競走馬が続々と入厩(きゅう)し、調教が本格化している。

 今年の函館競馬は例年より1週遅く開幕し、7月26日までの12日間開催する。入厩は5月28日に始まり、今週に入ると頭数も増え、11日現在347頭が入っている。3歳馬以上の割合が高く、15日以降は2歳馬も増えてくるという。

 調教は馬の体温を考慮し、気温の低い早朝から朝のうちに行う。午前5時ごろから厩舎周辺を歩き、同5時25分からウッドコースなどの調教場が開放され、続々と向かう。一頭は約20分程度で戻り、交代で体を動かす。同9時ごろに終了する。毎年、入頭数が最も多くなるのは函館競馬開催期間の半ばごろになる。

 今年の重賞は21日「函館スプリントステークス」、7月19日「函館記念」、同26日「函館2歳ステークス」(すべてGⅢ)。主な来場ゲストは6月21日に歌手のDAIGOさん、7月19日に歌舞伎俳優の尾上松也さん。(山崎純一)



◎スルメイカ漁低調

 道南スルメイカ漁は、1日の解禁から10日以上たっても漁模様は上向かない。函館市水産物地方卸売市場が取り扱った生鮮スルメイカは、昨年同期より約1㌧少ない11・3㌧(10日現在)。不漁だった昨年を下回る低調なスタートを切った漁業者は危機感を持ち始めている。

 事前予想では、漁期開始直後の松前沖での漁獲は高い水準になると報告されていた。市農林水産部によると、水産市場でのスルメイカ平均単価は1㌔あたり1321円(同)となり、昨年同期の2倍近い。市企画調整課は「出だしは期待していたほどではなかった。今後好転してほしい」と願う。

 漁業者の佐藤豊次さん(65)は「今の状態なら漁模様が上向く環境ではない。漁場が遠く燃油を使うので、採算を取るのが難しくなっている。本当にこれからイカが捕れるのか心配だ」と不安げだ。

 中島廉売内の紺地鮮魚(紺地慶一社長)では12日、いけすイカを1㌔1500円で販売。同店は「やっときょうはまとまった量が水揚げされたので、価格が下がった。漁業者は松前沖まで燃油代をかけて行って空振りに終わったら大変」と漁模様が上向くことを期待する。

 道総研函館水試(金森浩一場長)の澤村正幸研究主査は「不漁は松前沖での漁場形成が一時的に低調だったのが要因とみられる。桧山や青森県下北半島沖では漁獲があり、イカの来遊がないわけではない」と指摘。「金沢や新潟、山形ではまとまった量が水揚げされており、後続の群れが北上してくれば漁模様が上向く可能性がある」と話す。ただ、海水温の上昇によって群れが沖合を通ったり、通過が早まったりすることもあり、注意が必要としている。(山崎大和)



◎函館市、来年度から「入学準備給付金」創設

 函館市は小・中学校に入学する子どもがいる世帯を対象に、入学準備給付金として、子ども1人あたり最大3万円を支給する制度を創設する考えだ。来年4月に入学する児童・生徒から支給を始める予定で、多子世帯や深刻化する子どもの貧困化への経済的支援とする。市子ども未来部子ども企画課の宿村篤由課長は「子育てしやすい環境づくりのためにぜひ活用してほしい」と呼び掛けている。

 工藤寿樹函館市長が進める少子化対策の一大事業として、本年度補正予算案に給付金4180万円、事務費1375万円の計5555万円を計上。

 給付対象は、保護者の所得合計額が266万円(給与収入400万円)以下で、市民税非課税世帯に2万円、課税世帯に3万円をそれぞれ支給する。多子世帯で3人目の子どもが小・中学校に入学する場合は、所得制限を設けず、課税の有無に合わせて支給する。生活保護受給世帯には小・中学校入学時に、入学準備金として小学生1人あたり4万600円、中学生4万7400円(本年度額)が支給されていることから対象外とする。

 住民基本台帳に基づく市の5、11歳の人口は、3月末時点で3819人。このうち支給対象となる子どもは約1700人で、新入学生がいる世帯の約半数となる見通しだ。

 市は今後、19日開会の定例市議会に予算案を提出し、秋ごろの制度化を目指す。12月ごろから対象となる児童・生徒の全保護者に制度を周知するリーフレットや申請書を配布し、来年1月に給付申請の受け付けを開始、同3月には給付を始める予定だ。宿村課長は「少しでも家庭の負担を軽減し、第2、3子につながるよう市として応援していきたい」と話していた。(蝦名達也)


◎西山さんが念願の生花店

 函館出身の西山弘紀さん(30)=北斗市在住=が、函館市鍛治1に生花店「フラワーオブラート」を開店した。店内の花の展示に工夫を凝らし、会員制の独自サービスにも取り組む。念願かなって地元に店を構えた西山さんは「花を取り入れた生活の魅力を伝えたい」と張り切っている。

 西山さんは、函館西高を卒業後、建築やデザインを学ぶ札幌の専門学校に進学。就職先を考える中で花が好きだと思い付き、店をオープンしたいと考えるようになったという。札幌の花店で6年間修行し、花の育て方やアレジメント方法などを学んだ。その後2年半は開店資金を貯めるため、愛知県の自動車メーカーで働きながら、各地の花店の視察をはじめ、店の構想を練ったり、内装の試作に取り組んだりした。

 今年3月に函館に戻り、鍛治に物件を見つけた。建築の知識を生かして4月から内装に取り掛かり、ホームセンターで材料を仕入れ、ほぼ自らの手で約1カ月かけて仕上げた。母の日(5月10日)に向けて4月30日にプレオープン。今月1日に本格オープンした。

 西山さんは「花は下から見るより、上から見た方がきれい。お客さまが花を買いに来るときに花を摘んで帰るようなイメージ」と、店内では花瓶を床に並べて販売している。他店ではあまり取り扱っていない花も揃えている。

 入会金500円で会員になると、自宅用に飾る花を半額で購入できるサービスも実施。西山さんは花の価格の高さや、家に飾る上で水替えや茎の切り方など正しい知識が浸透してないことを〝にがみ〟に例える。「価格も含めたにがみを、店名の『オブラート』に包み、花の魅力を伝えていきたい」と話す。

 営業は午前11時〜午後8時半、水曜のみ夕方〜午後11時。日曜定休(予約可)。問い合わせは同店(TEL0138・83・2828)へ。(能代俊貴)