2015年6月16日 (火) 掲載

◎五稜郭の石垣修復工事開始

 函館市教委は15日、特別史跡・五稜郭跡内堀の崩落した石垣の修復工事を始めた。大型クレーンの組み立て作業に伴い、石垣対岸側の散策路の一部に迂回(うかい)路が設けられた。修復工事は来年3月までに終了する予定。

 市教委によると、昨年3月に郭内南東部の石垣が幅約10㍍、高さ2㍍にわたって崩落し、1年以上立ち入り禁止区域となっていた。

 修復工事は、6、7月中に堀の水位を下げ、対岸から大型クレーンを用いて土のうを搬入して石垣を囲う。その後、土のうの内側の水をポンプでくみ上げてから堀に沈んでいる石を回収。元の積み方を再現するため、現況調査や設計も合わせて行い、11月から石の積み直し作業に入る見通しだ。

 この日は大型クレーンの組み立て作業で終了し、16日から本格的な搬入作業と迂回路の利用が始まる。

 迂回路の設置と堀内の進入規制は、土のう搬入に伴い7月中旬まで。石垣周辺の内堀にはロープが張られており、貸しボートでの進入はできない。郭内は8月末まで立入規制が行われる。

 散策路を通り過ぎた市内在住、60代の男性は「ランニングで通る時、いつも崩壊した石垣が気になっていた。早くきれいに直ってほしいですね」と話していた。(蝦名達也)



◎駅彩る出迎えの花…新幹線開業へ商工会議所女性会

 年3月の新幹線開業で函館を訪れる観光客をきれいな花で出迎えようと、函館商工会議所女性会(内山幸恵会長)は15日、棒二森屋前の花壇に花を植えた。メンバーは満開の花と訪れた人の笑顔を思い浮かべながら、作業した。

 植栽の取り組みは今回で30年目。昨年までは元町公園での植栽や維持・管理に取り組んでいたが、新幹線開業を控え、今年から駅前の花壇で行うことにした。

 この日は会員23人のほか、市職員らも参加。植栽したのは函館駅前ビル開発が管理する棒二森屋前のパブリックアートがある花壇で、市が用意したペチュニア150株を手際良く植えていった。

 色はピンクや白、紫色と色とりどりの花が観光客を出迎える。内山会長は「函館の玄関をきれいに彩り、観光客や市民に楽しんでもらえれば」と話した。(松宮一郎)



◎歴史的建造物の老朽度調査に本腰、函館市

 函館市は、西部地区の街並みを形成する歴史的建造物の老朽度などの調査に乗り出す。多くの観光客が足を運ぶ函館を代表するスポットだが、築100年を超える建物も多く、持続的な街並みの保全が大きな課題となっている。市は19日開会の第2回定例市議会に提出する補正予算案に調査事業費480万円を計上。調査を基に修理計画案を立てて、次世代への継承や所有者への支援策を検討する。

 西部地区は幕末の開港以来、外国の文化を取り入れながら発展し、明治、大正、昭和初期に幾度となく襲った大火を乗り越えて独特の街並みが形成された。洋風、和風、和洋折衷建築など、「異国情緒」の言葉に形容される函館を代表する観光名所となっている。

 市まちづくり景観課によると、市は弥生町や大町など約120㌶を都市景観形成地域に指定。特にベイエリアや教会群などがある14・5㌶は、文化財保護法に基づく伝統的建造物群保存地区(伝建地区)となっている。元町や末広町を中心に伝統的建造物は75件、景観形成指定建築物は48件の登録があり、約8割が築90年以上、半数近くが築100年を超えている。

 構造は木造、れんが造、鉄筋コンクリート造などさまざまで、老朽具合や修繕方法は建物ごとに異なる。調査で必要な対策を把握し、適切な維持管理につなげる。カフェなどに改装され活用されている建物もある一方で、同課は「空き家となって保存状態が良くない物件もある。所有者の高齢化も進んでいる」とする。

 本年度は予算成立後に伝建地区内で10件程度の調査を実施。来年度以降も継続して、5年間で50件程度の建物の状況を取りまとめ、修理計画案を作成。指定建築物を対象とした修繕費などを助成する制度の見直しも進める。同課景観担当は「いま調査を進めなければ手遅れとなってしまうこともあり得る。建物、街並みの継承や活用につながるよう取り組みを進めたい」としている。(今井正一)


◎バラ7種鮮やか、「かんだ」の店先

 食器販売店「かんだ」(亀田本町61、神田千鶴子代表取締役)の店先に、7種類の色鮮やかなバラが咲き誇っている。神田代表は「丹精込めて育てたバラをぜひ見に来て」と呼び掛けている。

 バラの種類はゴールドバニーやレッドエレガンス、マチルダなど。10年以上前から同店で大切に成長を見守ってきた。

 今年のバラは6月初旬に花が咲き始め、現在はほぼ満開の状態。数日は芳しいバラの見ごろが続く。神田代表は「昨年よりも早く咲いたが、今年が一番きれい。バラの育成が趣味の友人たちにいろいろと教わったおかげです」と笑顔を見せる。

 同店はこの後、バラの花びらを摘み取って乾燥させ、香りを加えたポプリを制作。7月初旬から来店者に無料配布する。(斎藤彩伽)