2015年6月18日 (木) 掲載

◎噴火湾耳吊りホタテ売り込め、8漁協が統一ロゴ作成

 噴火湾8漁協で構成する噴火湾ホタテ生産振興協議会(会長・大林弘志八雲町漁協組合長)が、噴火湾の耳吊(づ)り方式で水揚げしたホタテのブランド化に乗りだす。来年3月の北海道新幹線開業を見据え、広域的な視点から国内消費てこ入れ策が必要と判断した。統一ロゴマークを初めて作り、年内にも看板を沿線道路8カ所に設置する方針だ。

 オホーツクの地まきに対し、噴火湾の養殖は耳吊り方式で、砂かみがなく、身質もしっかりとしている。2014年度の噴火湾のホタテ生産量は、前年度より2万㌧近く多い9万1000㌧、生産額は約300億円に上る。道産食材への高い評価が反映されて中国向け輸出が好調で、生産を下支えしている。「輸出が堅調なうちはいいが、中国へ流通できなくなった場合、ホタテが日本でだぶつき、価格が下がる可能性もある。そうした事態に備え、食材として広く認知してもらう必要がある」(事務局の八雲町漁協)という。

 国内での需要喚起を図るための方向性として統一ロゴ作成を打ち出した。ロープにつるすため、ホタテ貝の耳という部分に穴を開ける〝耳吊り〟を前面に出したデザイン。観光客がバスなどで多く行き来する国道5号沿いを基本に、1漁協管内1カ所ずつ看板を立てアピールする。

 ロゴは名刺や封筒、のぼりなどに印刷して露出度を高める。また、耳吊りをPRするポスター6000枚も作り、東京や大阪など大消費地や関連自治体に配る。ロゴを活用した販促活動も大消費地で実施したい考えだ。道や市町の支援を財源として活用する予定。

 8漁協は渡島の鹿部、砂原、森、落部、八雲、長万部のほか、いぶり噴火湾、室蘭。(山崎大和)



◎はやぶさPR隊登場、丸井でうまいもの大会

 道内のグルメを一堂に集めた「北海道うまいもの大会」が17日、丸井今井函館店(本町)で始まった。初日の会場には、北海道新幹線車両「H5系」のかぶり物をつけ、開業をアピールする「函館はやぶさPR隊」が登場し、大勢の客でにぎわった。

 今回で6回目。初登場7店を含む59店が出店し、各地で評判のスイーツや海産物などを並べた。

 PR隊は「北海道!うまいもの!」と連呼しながら、会場内を〝走行〟。リトルジュースバー(札幌)のデザート「マンゴーけずり」や、初出店のちとせや(江別)の「とろ〜り生?チーズタルト」などを試食し「エネルギー満タン、260㌔出ました!」と新幹線になりきったコメントで、会場を笑いの渦に包んだ。

 PR隊の大ファンだという中村慧史ちゃん(2)は「楽しかった」と大喜び。母の康恵さん(35)は、「親族が仙台にいるので、来年はぜひ新幹線で行きたい」と話していた。

 催事は22日まで。21日は午前11時と午後1時から、参加費500円、各回10人限定で「べこもち手作り体験会」を行う。(山田大輔)



◎YOSAKOI祭りで「息吹」優秀賞

 10〜14日に札幌市内で開催された「第24回YOSAKOIソーラン祭り」(実行委主催)で、函館市を拠点に活動している「函館学生連合〜息吹〜」が、チーム初となるセミファイナル審査に出場し、優秀賞を獲得した。代表の鈴木裕弥さん(公立はこだて未来大3年)は「これまでチームを支えてきてくれた皆さんへの感謝の気持ちでいっぱいです」と喜びをかみしめている。

 ソーラン祭りは道内の一大イベントで、今年は全国から270チーム以上が出場。このうち、120チームが10ブロックに分かれ一次審査を受け、ブロック1位のチームがファイナル審査、2位がセミ審査に進出。セミ審査出場チームで再度演舞し、1位を獲得するとファイナル審査に出場でき、YOSAKOIソーラン大賞に一歩近づく。

 息吹は、道教育大函館校や未来大の学生らによる道南唯一の学生チーム。今年は67人が出場し、「和心桜乱(わしんおうらん)」をテーマに、男女が持つ力強さを桜が咲き乱れる情景に例え演舞した。

 持ち味である学生らしい元気な踊りから一新し、入賞を意識し、一人一人の動きを統一することに力を入れてきた。練習の中心役を担い、統括を務める信田佳奈さん(道教育大函館校3年)は「きれいな姿勢で踊るためストレッチなどに時間を割いたほか、就職活動で練習に出られない上級生を考慮したメニューを作り、モチベーションの維持にも努めた」と振り返る。

 ファイナル審査出場常連チームと肩を並べて演舞した後、踊り子たちは「楽しかった」だけでなく、「ありがとう」と声を掛け合っていたという。鈴木さんは「苦しい時も仲間と一緒に乗り越えてきたことが結果につながった。本当に素晴らしいチームです」と笑顔を見せた。(蝦名達也)


◎天津線好調 円安追い風…5月の函館空港

 函館空港事務所がまとめた5月の乗降客数は、前年同月比2・7%増の15万1115人となり、8カ月連続で前年同月を上回った。天津航空(中国)が3月末の定期便就航以来、好調を続けており、全体の伸びに寄与した。円安が追い風となって中国人の利用増につながっている。

 国際線で定期便を運航するのは台湾の2社と天津航空。国際線利用者数は同18・9%増の1万5980人となった。台北線は同0・4%減とわずかに減少したものの堅調を維持した。

 一方、好調なのは3月末に定期便の運航を始めた天津線。5月は全増の2593人で、搭乗率も就航以来、90%台を維持し、全体を押し上げている。日本支社の津和京子支社長は「円安の影響で訪日客が増加しており、函館に限らず、日本国内との路線はいずれも好調」と話す。現在は週2往復の運航だが、安定的に需要が見込めることから、同社は増便も視野に入れている。

 国内線は同1・1%増の13万5135人に増えた。主力の羽田線は同1・8%増の10万1630人だった。日本航空は機材を大型化し、提供座席数を増やした分、利用者も増加。同社函館支店は「パッケージツアーの申し込みが好調で利用者が大幅に増えた。函館から人が動いている印象」とする。

 伊丹線は日本航空のほか、3月末から全日空が運航を始めて2社体制となり、利用客も前年同月に比べ3倍超の8526人に増えた。中部線は同1・8%増の7622人。道内は丘珠線が同6・8%減の7182人だった。(松宮一郎)