2015年6月19日 (金) 掲載

◎ドクガの幼虫 大量発生、注意呼び掛け

 函館市内や近隣市町では、4月下旬から昨年同様ドクガの幼虫が大量発生している。この影響で北斗市は、21日に予定していた市民による清掃活動「海岸線クリーン作戦」の中止を決めた。市立函館保健所は「幼虫は葉の裏側に付着しているケースが多いので、草刈りの際や外出時には素肌に毛を触れないよう注意して」と呼び掛けている。

 同保健所によると、今年は春先が暖かかったため、昨年よりも早い時期にドクガの発生が確認されている。同保健所に昨年度寄せられた通報数は5〜7月を中心に130件だったが、本年度は8日現在で80件に上る。市内の皮膚科医院からも、ドクガの被害による患者数が例年以上に多いとの報告があったという。

 ドクガの幼虫は体長1・4〜4㌢ほどで、黒い胴体にオレンジ色の筋模様が入っている。毛に触れると発疹やかゆみを発症する。ハマナスやタンポポ、川辺に咲くイタドリの葉などを食害し、小さな幼虫は塊で生息する。今年は暖かい気候が影響し、すでに成長して分散期に入り始めており、住宅地や空き地などさまざまな場所での発見が報告されている。

 北斗市で予定していた清掃活動は2000年から毎年初夏と秋の年2回開催している市民総出の活動で、毎回小学校や町内会単位で1000人以上参加している。クリーン作戦を行う海岸の一部で幼虫が確認されており、市環境課は「参加者の健康被害の恐れがあるため中止を決めた」としている。中止は2年連続。

 幼虫は全身が目に見えづらい毒性の毛で覆われており、風に飛ばされた毛が皮膚に触れるだけでかゆみなどを発症する恐れがある。同保健所は「ウインドブレイカーやゴム手袋など毛を通さない服装で、首周りも防護した上で駆除や草刈りをしてほしい」としている。

 情報提供は同保健所生活衛生課(電話0138・32・1521)、各市町の担当課へ。(蝦名達也、鈴木 潤)



◎職人の卵 食の原点体感、専門学校生が生産現場見学

 道内のグルメを一堂に集めた「北海道うまいもの大会」が17日、丸井今井函館店(本町)で始まった。初日の会場には、北海道新幹線車両「H5系」のかぶり物をつけ、開業をアピールする「函館はやぶさPR隊」が登場し、大勢の客でにぎわった。

 今回で6回目。初登場7店を含む59店が出店し、各地で評判のスイーツや海産物などを並べた。

 PR隊は「北海道!うまいもの!」と連呼しながら、会場内を〝走行〟。リトルジュースバー(札幌)のデザート「マンゴーけずり」や、初出店のちとせや(江別)の「とろ〜り生?チーズタルト」などを試食し「エネルギー満タン、260㌔出ました!」と新幹線になりきったコメントで、会場を笑いの渦に包んだ。

 PR隊の大ファンだという中村慧史ちゃん(2)は「楽しかった」と大喜び。母の康恵さん(35)は、「親族が仙台にいるので、来年はぜひ新幹線で行きたい」と話していた。

 催事は22日まで。21日は午前11時と午後1時から、参加費500円、各回10人限定で「べこもち手作り体験会」を行う。(山田大輔)



◎函館市、中央、五稜郭病院の助産施設認可廃止へ

 函館市は18日、市立函館病院の産科再開に伴い、低所得者の出産を援助する「助産施設」に指定している函館中央病院と五稜郭病院の認可を、来年9月末で廃止する方針を明らかにした。認可廃止により、中央病院の周囲100㍍に位置する本町地区の飲食店は、風俗営業に関わる道条例の対象外地域となり、風俗営業が認められるようになる。

 助産施設は生活保護世帯や市民税非課税世帯の妊産婦を入所させ、助産を行う施設。

 中央病院を含む本町地区について、市は2007年3月に土地利用の高度化を目的に、都市計画法上の用途を「近隣商業地域」から「商業地域」に変更。商業地域になると、風俗営業法で定めるキャバレー、クラブなどの風俗営業店が立地可能となる。

 ところが、06年2月、医師不足による市立函病の産科休止に伴い、同3月に中央病院と五稜郭病院が助産施設に指定され、道条例によって助産施設の周囲100㍍で風俗営業が規制されることが判明。同地区の一部の飲食店は風営法上では条件をクリアしながらも、営業許可を取得できない事態が続いていた。

 対象となっている飲食店は実際には営業を続けており、11年9月に同地区の飲食店関係者らでつくる五稜郭飲食店親紅会が、風俗営業の許可を求めて市議会に対し請願を提出。また同10月には、工藤寿樹市長に対し要望書を出していた。

 その後、主だった要求活動などはなかったが、市立函病の産科再開によって、長年の規制地域に関する懸案が解決することになる。

 市立函病の助産施設は10月に再開するが、市子ども未来部は分娩(ぶんべん)体制が軌道に乗る来年9月末まで、中央、五稜郭両病院の助産施設を継続する考えだ。(蝦名達也)


◎中元商戦スタート

 函館市内で中元商戦が熱を帯び始めた。百貨店や大型スーパーは、続々とギフトセンターをオープン。地元産の商品を豊富に並べ、消費税引き上げ以降、伸び悩む売り上げの回復を目指している。

 棒二森屋(若松町)は18日、ギフトセンター開設に合わせ、出陣式を開いた。岩岡正剛店長が「力を合わせ、道南と青森の連携商品を売り込んで勢いをつけよう」とあいさつ。続いて新入社員が音頭をとり、そろいの法被を着た約60人の従業員が「ガンバロー」を三唱、売り上げ目標の達成を誓った。

 同店は、ギフト商品を約700点用意。新企画の「北海道新幹線開業記念応援ギフト」は、道南の名産品など113点を並べ、売り上げの一部は市新幹線開業記念イベント実行委に寄付する。

 テーオーデパート(梁川町)は12日にギフトセンターを設置し、約700点を紹介。1990円、2990円の低価格で提供する麺類や菓子などが人気だという。

 ダイエー上磯店(北斗市七重浜)は、ひと足早く5月28日から、店内に商品とカタログを並べた。担当者は「売れ筋はメロンやゼリー。2玉1万円のマンゴーなどもお薦め品として紹介したい」としている。

 丸井今井函館店(本町)は24日に会場を設け、約1900点を並べる予定。担当者は「地元産を集めた道南ギフトを展開する。地域の自慢の商品を相手に贈るという需要は年々高まっている」と話す。

 各店では、中元商戦のピーを7月10日前後と見込んでいる。(山田大輔)