2015年6月2日 (火) 掲載

◎好漁願い初出漁 スルメイカ漁解禁

 道南スルメイカ漁が1日に解禁され、函館漁港から多くの小型イカ釣り漁船が今季初めての漁に出た。昨年に比べて群れの北上が早く、魚体も大きいとの予測が出ており、漁業者は期待を込めて松前沖の漁場に向かった。

 午前9時前から氷などを積んだ船が続々と出港。日本海側の来遊が早く、道南以南の漁場での漁模様が良いということで「早く釣りたいと張り切る人が多く、例年より出漁時間が早まった」(函館市漁協)。市漁協所属の20隻と銭亀沢漁協所属の3隻が松前小島付近で漁を行い、2日早朝に初水揚げする。

 佐藤豊次さん(65)は「漁模様のいい情報が入ってきており、楽しみにしている。ただ、燃油代が高いままなので経費が掛かるのが悩み」と話した。田原正明さん(55)は「期待と不安が半々。序盤の漁模様が良いという研究者もいるが、やってみないと分からない」と複雑な表情を浮かべた。

 市漁協によると、組合員に販売するA重油価格は1日現在、前月から据え置いて1㍑あたり74・7円(税別)。昨年同期(98・2円)の異常な高値からは低下したが、依然として高い水準で「せめて60円台になれば」(同漁協)との声も。

 道総研函館水試の澤村正幸研究主査は「昨年より群れの北上は早いだろう。また、津軽海峡内の表面水温が平年より1〜2度高いので、日本海を北上し太平洋側に抜けるイカが多くなる可能性があり、その場合は例年より早く函館の前浜で漁獲ができるのではないか」としている。(山崎大和)



◎駒ケ岳 眼下に絶景 登山解禁

 【森】北海道駒ケ岳(1131㍍)の本年度登山が1日、解禁された。昨年と同様、赤井川登山道から標高900㍍地点の「馬の背」まで登ることができる。晴天に恵まれたこの日、待ちわびた登山客が続々と6合目駐車場から出発し、眼下に広がる大沼や新鮮な空気を楽しんでいた。

 活火山の駒ケ岳は1998年の小噴火から入山規制されていたが、2000年の小噴火以降、静穏な状況が続いたため、10年に規制緩和され、昨年は5569人が登山した。

 兵庫県から妻と観光で訪れた佐波徳光さん(54)は「大沼の観光案内所で、駒ケ岳が今日解禁を迎えたことをたまたま知って来た。素晴らしい景色だった」と満足の様子だった。

 気象庁は駒ケ岳を、5段階で定める噴火警戒レベルで活火山であることに留意を促す「レベル1」としている。5月26日には札幌管区気象台が火口の現地調査を実施したが、昨年と大きな変化は見られなかった。

 登山期間は10月31日までの午前9時から午後3時まで。森町役場防災交通課に事務局を置く駒ケ岳火山防災会議協議会は「万が一噴火した場合、規制緩和区域内でも被災する可能性がある。危険性を十分理解した上で、自己判断で登山を楽しんでもらいたい」としている。(野口賢清)



◎道新幹線開業へ機運盛り上げ

 北海道新幹線開業まで約300日となり、ムードを高めようとJR北海道は1日、新函館北斗駅前の道路の街路灯に、新幹線車両H5系をデザインしたフラッグを掲げた。また、同社は道内9都市で新幹線カラーにラッピングしたバスの運行を開始。来年3月31日まで各地の街なかを走り回り、開業機運を盛り上げる。

 フラッグは、同社函館支社が設置。4月の大門商店街のアーケードに続いて2カ所目となる。新函館北斗駅周辺の道路約650㍍の両脇にある、地上約4㍍の街路灯26カ所に52枚を取り付けた。サイズは縦80㌢、横40㌢で、フラッグには「物語が始まる、北海道新幹線」という同社のコピーと車両のイラストをデザインしている。

 この日は、木古内駅構内の階段の天井部にも縦100㌢、横140㌢のフラッグ2枚が掲げられた。同支社販売グループは「機会があれば、今後も別の場所でフラッグを掲示し、開業をPRしたい」としている。

 一方、バスを運行するのは函館をはじめ、札幌、旭川、小樽、室蘭、帯広、釧路、網走、名寄の9エリア。札幌が2台、そのほかは1台ずつ。各都市のバス会社の車両に新幹線カラーのラッピングを施した。函館はイカール星人、札幌は大通公園とうきびワゴンPRキャラクターといった具合に、各地のご当地キャラクターもデザインしたことも特徴。

 この日は札幌市で高橋はるみ知事や島田修社長が出席してお披露目式が行われたほか、函館でもバスは朝から市内を走り、市民や観光客に開業をPRした。同社広報部は「開業機運を盛り上げる一助になれば」としている。

 7月にはラッピングバスの写真を撮影してもらうフォトラリーの企画も行う予定。(山田大輔、松宮一郎)


◎政務活動費の使用率減少 函館市議会

 函館市議会事務局は1日、2014年度の政務活動費収支報告書を公表した。全5会派の交付総額は1584万円で、使用額は765万8955円、使用率は48・4%だった。前年度と比べ、使用額は約95万円減少した。使用区分別では全会派の合計で、事務費が278万円(構成比36・3%)と最も多く、広報広聴費160万円(同21%)、資料購入費136万円(同17・9%)となった。

 政務活動費は議員1人当たり月額4万5000円を支給。交付総額は昨年7月に議員1人が任期中に死去したため、7月分までは定数の30人分、8月分以降は29人分が支給された。使用した活動費は1円から領収書を添付して報告している。

 会派別に使用額をみると、市政クラブ(11人)は216万1716円(使用率36・4%)、民主・市民ネット(8人)は196万1038円(同45・4%)、公明党(4人)は115万3560円(同53・4%)、市民クラブ(7月まで4人、8月以降3人)は108万1884円(同60・1%)、共産党(3人)は130万757円(同80・3%)だった。

 支出別では、調査研究費は民主、公明、市民の3会派が計72万円を支出したが、現地調査の実施は少なく、大半がデータベース利用料だった。研修費は市民を除く4会派で116万円。活動報告の発行など広報広聴費は公明を除く4会派が支出した。資料購入費は新聞や書籍の購入に充てられ、事務費はコピー機、パソコンなどのリース費用に使用された。会議費の使用は各会派ともになかった。

 会派別に支出額が多い使用項目をみると、市政が広報広聴費、民主は資料購入費、公明、市民、共産は事務費だった。

 収支報告書は市議会のホームページ、市役所7階の議会事務局で閲覧可能。(今井正一)