2015年6月22日 (月) 掲載

◎池田さん流鏑馬日本一 どさんこフェスタ

 道南発祥の北海道和種馬(ドサンコ)の魅力を発信する「どさんこフェスタin函館2015」(実行委主催)が21日、函館市大町の緑の島で開かれた。メーンの「流鏑馬(やぶさめ)競技全国大会日本一決定戦」では、強豪ぞろいのオープンクラスで池田賢治さん(33)=函館どさんこファーム=が全射的中で優勝を飾った。

 流鏑馬大会は今年で10回目。一般クラスに24人、オープンクラスに12人、団体戦に5チームが出場。晴天の下、射手が豪快に的に命中させると、観客から大きな拍手が起こった。

 池田さんは、3走全て3つの的に命中させ満点を獲得したほか、時間も3走とも10秒を切る好タイムを出した。また、会場ではどさんこファーム所属で流鏑馬や騎馬参拝、野外劇などで活躍した「ゴンタ」がこの日で競技生活を終え、セレモニーが行われた。10回記念で当たりくじ付きの餅まきもあり、観客を楽しませた。(山崎大和)

 池田さん以外の上位入賞者は次の通り。(敬称略) ▽オープンクラス②上村鮎子(十和田乗馬倶楽部)③菊池茂勝(遠野郷馬っこ王国)▽一般クラス①内山紗央里(青森乗馬倶楽部)②山本泰司(兵庫県)③石橋良子(青森乗馬倶楽部)▽団体戦①美女と野獣イン函館十和田チーム②南部混成チーム③道央流鏑馬会輪厚組▽函館新聞社賞=横田順子’全国流鏑馬女子部関西支部)



◎楽しくチャンバラ! 野外劇の会 殺陣のワークショップ

 NPO法人市民創作「函館野外劇」の会は21日、刀を振る剣劇・殺陣(たて)のワークショップ「楽しいチャンバラ!」を五稜郭公園の芝生広場で開いた。子どもから大人まで約30人が参加。野外劇殺陣チームを指導する河口博昭さん(48)が指導し、刀の持ち方や振り方などの基本を体感した。

 河口さんは殺陣ユニット「無銘刀(むめいとう)」を主宰し、俳優、殺陣師として活動している。子どもたちには、刀の振り方「天、地」や構え方「八双(はっそう)」などを分かりやすく「強いポーズ」などと表現して紹介。子どもたちはすぐに理解し、紙を丸めた棒で大人顔負けのチャンバラの動作をこなしていた。

 参加した市内松陰町の池田千大(ちひろ)君(柏野小3年)と大知君兄弟は「構え方も楽しく教えてもらい、最後に大人を相手にするところが楽しかった」と声を弾ませていた。河口さんは「子どもたちはノリが良く楽しかった。野外劇にも興味を持ってもらえれば」と話していた。(山崎純一)



◎催し多彩機運盛り上げ 花フェスと道新幹線開業300日前イベント同時開催

 「はこだて花と緑のフェスティバル2015」(実行委主催)が27、28の両日、松風町のはこだてグリーンプラザで開かれる。今年は来年3月の北海道新幹線開業予定に向け、「開業300日前カウントダウンイベント」(函館市新幹線開業記念イベント実行委主催)もプラザ会場内で同時開催。花と緑の魅力を広げるとともに、新幹線開業に向け市民の機運を盛り上げようと、さまざまなイベントが繰り広げられる。

 花フェスは1994年から実施。昨年は2日間で市内外から1万3900人が来場。花フェス実行委は「期間中の大門地区の飲食店などの売り上げは、昨年1年間で最も多かった」とし、大きな商業効果をもたらした。20年以上続く市民になじみの深いイベントと新幹線を組み合わせ、開業意識を高めようと同時開催が決まった。

 会場内は新幹線車両「H5系」をイメージさせる色合いの花を飾り付けるほか、花株を積み重ね、H5系をモザイクアート状に表現する新幹線立体花壇(幅5・5㍍×高さ3・4㍍)を設置する。立体花壇は大門地区などのボランティアが8種類の花を約1850株使って作成。大迫力の花壇が会場を彩る。

 27日は午前10時のオープニングセレモニーの後、先着500人に植物栽培キットをプレゼント。ステージでは午後0時25分から、新幹線おもてなしクイズ、同2時から日本フラワーデザイナー協会道南支部の会員らがフラワーアレンジメントを披露し、終了後にオークションを行う。

 28日は午前11時45分から、新幹線の仕組みを教える科学実験ショー、有名アーティストの振り付け講師を務める伊藤昭憲さんによるダンスステージを開催。午後3時から恒例のエンディングオークションを行う。

 このほか、寄せ植え体験や湯の川温泉からお湯を直送した足湯体験コーナーなども両日実施。両実行委は「子どもからお年寄りまで、多くの市民に楽しんでもらいたい」と来場を呼び掛けている。両日とも午前10時〜午後4時。(蝦名達也)


◎「自分らしく人生歩んで」 女優の原千晶さん 二度のがん闘病語る

 癒やしにまつわる商品やグルメが集まるイベント「フードマーケット&JAAいやしの祭典2015」が21日、津軽海峡フェリー函館ターミナルで開かれた。二度のがんで子宮を全摘出した女優の原千晶さん(41)が、涙を交え、自分らしく人生を生き抜く力について講演した。

 津軽海峡フェリーとJAA(日本アロマコーディネーター協会)主催。

 原さんは29歳での休業を機に、興味があったアロマを勉強。心と体を癒やし、芸能界で再起を図ろうとした矢先、「子宮頚がん」が見つかった。医者からは再発防止のため子宮の全摘出を提案されたが、「子どもを産みたい」との願いから全摘出は思いとどまった。

 切除から4年9カ月後の2009年12月、原さんを再び病魔が襲う。腹部の激痛で病院を受診したところ、子宮頚がんと子宮体がんの併発に加え、リンパ節への転移もあり、末期がんの手前だった。「一度がん宣告を受けているにも関わらず、通院を途中で止め、全摘出もしなかった。どうして自分の体をもっと大切にしなかったのだろう、と思った」と声を詰まらせた。

 後悔する原さんを救ったのは、主宰する婦人科がん患者会「よつばの会」で出会った女性。11年7月の会立ち上げからわずか10カ月後に他界した。原さんは涙ぐみながら「病から逃げ続けてきた私は、いわば悪い例。でも、彼女を見て『どんな状態でも、これが私』と言える人生を歩みたいと感じた」と語った。

 函館市内に住む女性(51)は「病に負けず、すごく輝いていた。自己を持つことの大切さを教わった」と目頭を押さえた。このほか、JAA(日本アロマコーディネーター協会)は「いやし」、津軽海峡フェリーは「美と健康」をテーマにしたブースを構え、終日多くの市民らでにぎわった。(稲船優香)