2015年6月23日 (火) 掲載

◎新幹線ジオラマ 道内周遊 開業PR

 約5万個のブロックを使って北海道新幹線車両「H5系」や道南の名所などを再現したジオラマが、道内を〝周遊〟し、開業をアピールしている。これまで、函館市内の百貨店が開く催事や札幌市の開業PRイベントに登場、秋には旭川市に出張する予定で引っ張りだことなっている。

 ジオラマは、3月末にJR函館駅前で開いた開業1年前カウントダウンイベントに合わせて、市などでつくる北海道新幹線開業記念イベント実行委員会が制作。4月上旬に函館市役所の玄関ホールに移設した後、市内百貨店の催事担当者や札幌、旭川市のイベント主催者から、市企画部新幹線開業イベントプロジェクトチームに次々とオファーが寄せられた。

 5月27日から今月4日まで開催したイトーヨーカド—函館店(美原1)の物産展「道南味めぐり」を皮切りに、6、7日は札幌市の「北海道新幹線開業300日前PRイベント」に登場。18日には棒二森屋(若松町)の中元ギフトセンターに場所を移し、同店が企画した「北海道新幹線開業記念応援ギフト」の販売に一役買っている。

 ブロックの組み立てを行うのは、金森赤レンガ倉庫内の遊具体験施設「ブリックラボ」のかたおかしんご店長。棒二森屋での作業は、スタッフ2人が約2時間かけてジオラマを完成させた。かたおか店長は「人物の姿など毎回細部を変え、何度見ても飽きないよう工夫している」と話す。

 同チームは「より多くの函館市民にジオラマを見てもらいたい」として、イベントがない通常時の展示場所を市役所から、市中央図書館へ変更する方針。組み立て時の様子をパネルで紹介する新たな企画も検討しているという。今後、市外では、9月21日から旭川市で始まるグルメイベント「北の恵み食べマルシェ2015」に登場し、開業をPRする予定。(山田大輔)



◎赤、ピンク…バラ鮮やか 旧英国領事館で見ごろ

 函館市旧イギリス領事館(元町33)のローズガーデンのバラが見ごろを迎え始めた。赤や黄色、ピンクなどさまざまな色の花が咲き誇り、周囲に甘い香りを漂わせ、市民や観光客を楽しませている。

 バラはイギリスの国花で、函館国際観光コンベンション協会によると、庭園には60種類139株が植えられている。アーチの真っ赤なつるバラをはじめ、色とりどりの木立バラがあり、市民や観光客が訪れ、写真撮影を楽しむなどしている。

 庭園の入場は無料で、同協会は「今年は成長が良く、例年よりも花にボリュームがあり、色も鮮やか」とし、ピークは今月末ごろとしている。

 また、29、30の両日午後1時からは函館日英協会主催のバラ講座が同館で開かれ、同庭園のバラを管理する高瀬環境緑化(赤川町)の高瀬勝彦社長が育て方や剪定(せんてい)方法など栽培の基礎的知識を紹介。庭園の見学や懇談を予定している。参加料は500円。定員は18人。申し込みは事務局(電話0138・27・8159)へ。(今井正一)



◎市電や函バス共通利用 IC乗車券導入に調査費

 函館市は、市内公共交通の利便性向上を図るため、市電や函館バスで共通利用できるICカード乗車券の導入検討を進める。開会中の第2回定例市議会に提出した補正予算案に調査費として約40万円を計上。3月に策定した市生活交通ネットワーク計画では導入時期を2016年度以降としており、新幹線開業後の観光客需要を見込みながら、地域に適したIC乗車券の在り方を検討する。

 IC乗車券は全国の交通事業者で導入が進み、「Suica」(スイカ、JR東日本)や「Kitaca」(キタカ、JR北海道)など、JR各社や大手私鉄の大都市圏を中心に全国10社の相互利用可能なカードと、地域独自カードがある。

 札幌市交通局のIC乗車券「SAPICA」(サピカ)は市営地下鉄、路面電車、市内路線バスなどで利用できる。全国系カードで地下鉄などの乗車は可能だが、逆にサピカを利用して、JRなどの乗車ができない「片利用方式」を採用している。

 市は市電と函館バス共通利用を前提に導入を検討。年間480万人超の観光客が訪れ、新幹線開業でさらに増加が見込まれる函館の場合は、少なくとも片利用方式であれば、普及率の高い全国系カードが使用できるメリットは大きい。地域独自カードには、市の高齢者交通料金助成券や市電からバスへの乗り継ぎなど、独自の料金体系をシステムに盛り込むことも可能で、市民のわい雑さの解消にもつながる。

 国土交通省のまとめでは、県庁所在地や人口20万人以上の115都市でIC乗車券のない地域は函館など10都市のみ(4月1日現在)。本年度から有識者らによる検討会で、普及拡大に向けた議論も進められている。ただ、導入には多額の予算を必要とするため、市は本年度内に先進事例などを調査し、函館に適した仕様を構築する考え。市企画部は「導入費用の低コスト化や国の動向を見ながら調査、検討を進めたい」としている。


◎目指せ東京マラソン 函館ハーフ提携大会に

 函館市教委は22日、28日に開かれる「2015函館ハーフマラソン大会」(実行委など主催、千代台公園陸上競技場発着)が東京マラソンの提携大会になったと発表した。道内初の提携で、推薦基準タイムを上回ったランナー50人(上限)は、来年2月末の東京マラソンへの出場権が与えられる。

 提携は東京マラソン財団が定める「RUN as ONE—Tokyo Marathonプログラム」の一環。優秀な選手を全国から集め、競技力向上やマラソンファンの増加を目的に昨年から実施している。提携期間は原則2年間。

 各都道府県で最大2大会が対象。道陸協の岡部壽一会長は「函館ハーフの歴史や有名選手が多く出場することから選出した」と説明する。

 同プログラムのうち、函館は準エリート(国内)で提携を結んだ。準エリートは、北海道陸上競技協会に登録する国内在住の男女が対象で、男子は1時間21分以内、女子は1時間45分以内に完走すると、東京マラソンの出場権を得る。岡部会長は「この提携によって選手の気持ちが盛り上がるとともに、市の知名度が上がるだろう」と話す。

 本年度の函館ハーフは過去最多の4500人が参加する。(蝦名達也)