2015年6月24日 (水) 掲載

◎ふっくりんこ使用「お米地茶」好評

 【北斗】JA新はこだて(畠山良一組合長)が、道南ブランド米「ふっくりんこ」を使った玄米茶「新函館農協のお米地茶(こめじちゃ)」を販売して好評だ。4月末の発売から1カ月で750個を売り上げており、今後ペットボトル入りも商品化する。来年3月の北海道新幹線開業を見据え、地元の飲み物として価値を訴求する。

 コメの消費拡大を図るとともに、飲み物としてもふっくりんこを応援してほしい—との願いを込めた。原料には昨年の猛暑の影響で多く発生した未成熟なコメを使った。コメと緑茶のブレンド比率を決めるため、試飲を重ねて開発した。

 比率はコメ6割、静岡産煎茶(せんちゃ)4割とし、コメの風味を最大限に引き出している。熱湯を注ぐと緑茶に近い色で、飲むと口の中いっぱいにコメの豊かな風味が広がる。冷やすと風味がやや失われるが、甘みが出るという。

 ふっくりんこの茶商品は初めてで、新幹線で新函館北斗駅を訪れる観光客にアピールする考え。ペットボトル商品も投入することで、手軽に楽しめる〝地元茶〟を目指す。

 同JA大野基幹支店の田山光幸営農センター長は「副産物を使った商品開発を展開しながら、本来のコメの消費拡大につなげたい」と意気込む。

 ティーバッグ4㌘×4袋入り120円。あぐりへい屋(東前62)で販売。問い合わせは同店(TEL0138・77・7779)へ。(山崎大和)



◎函館市が来月から徘徊高齢者情報をメールで配信

 函館市は7月から、消防出動や市政情報をメールで伝える「函館市ANSINメール」に、新たに徘徊(はいかい)などで行方不明になった高齢者の情報を配信する。地域住民による見守り体制の構築を強化するねらいで、市保健福祉部高齢福祉課は「より多くの目で徘徊高齢者を見つけ、地域の安心と安全を守れるよう協力をお願いしたい」としている。

 同メールは不審者の目撃や食中毒警報などの安心・安全情報、市道の通行止めについて知らせる緊急市政情報など、5つの分野で配信(登録時に選択可)。このうち、徘徊高齢者の情報は安心・安全情報のカテゴリでメールを受け取ることができる。

 市は1997年度、行方不明者の高齢者を早期に発見・保護するため、ラジオ放送やタクシー協会に捜索の呼び掛けを行う「函館地区高齢者のためのSOSネットワーク」を構築。以降、各年度の保護人数は15〜20人ほどで推移している。高齢化に伴う認知症患者の増加を見据え、メールによって市民の目を一層行き届かせるのが目的だ。同様の活動は道内では釧路市が実施しているという。

 メール登録者には、市から高齢者の年齢や性別、服装、髪型などの基本情報が送られる。目撃した場合は、メールに返信せず、110番か最寄りの警察署、交番に情報提供する。

 市は今後、市内の公共施設や地域包括支援センターなどにメール登録を啓発するちらしを貼りだすとともに、コンビニエンスストアや金融機関など、高齢者が立ち寄りやすい場所に勤める市民に登録を呼び掛ける。

 登録方法は、hkd—ansin@kmel.jpに空メールを送るか、ツイッター(アカウント@Hakodate_ANSIN)。問い合わせは同課(電話138・21・3081)へ。(蝦名達也)



◎27日に震災被災者支援チャリティーコンサート

 音楽を通じ、東日本大震災の被災者支援活動をする「ソリダリテ」と、夏休みに福島県の親子を函館に受け入れる保養プログラムを実施する函館YWCAの「北の大地プロジェクト」は共催で、チャリティーコンサートを27日午後2時から遺愛学院講堂で開く。会場で募金を行い、今夏の同プロジェクト運営資金に充てる。

 「ソリダリテ」はフランス語の「団結」「連帯」を意味し、函館のピアニスト、伊藤亜希子さんを代表、ソプラノの次藤正代さんと畑野祥子さんを副代表として震災直後に結成。これまで市内でコンサート「コンセール・ドゥ・ソリダリテ」を行い、今回で7回目。

 同プロジェクトは福島第一原発事故で被災した福島県の親子を対象に、2012年1月に初めて実施。同年から夏に毎年行い、今年は10組30人が来函する。函館YWCAの廣部節子代表理事は「今年は83組の申し込みがあった。子どもだけを受け入れる活動は多いが、親子で行うのは少ない。保護者も函館で気持ちをリフレッシュしてほしい」と話す。

 昨年、函館YWCA主催のチャリティーコンサートにソリダリテがゲスト出演した縁で、今年は共催とした。コンサートのテーマを「初夏の旅人」とし、「この道」(北原白秋作詞)のほか、「広い河の岸辺」(スコットランド民謡)、フィギュアスケートの浅田真央選手も使用した「アイ・ガット・リズム」(アメリカ)など、世界の有名曲をピアノソロ、独唱、二重唱で、計13曲を披露する。伊藤さんは「コンサートで震災復興に向けて頑張るという気持ちになってくれれば」と話す。

 入場無料。問い合わせは函館YWCA(℡0138・51・5262)へ。(山崎純一)


◎函館市が奈良県五條市と災害時応援協定

 奈良県五條市の太田好紀市長が23日、函館市役所を訪れ、災害発生時の相互応援協定を締結した。五條市では、南海トラフにおける巨大地震への対応のため、遠隔地の自治体との協定締結を進めており、両市のいずれかで災害が発生した場合、必要な物資機材の提供や職員派遣などの協力を相互に進めていく。

 五條市は柿の名産地で、毎年秋に消費拡大キャンペーンのため、関係者が来函し、昨年の来庁時に函館側に防災面の連携を呼び掛けた。2011年9月に台風に起因する紀伊半島大水害が起き、大規模な土砂災害で死者、行方不明者が出たほか、壊滅的な被害をもたらす巨大地震への警戒を含め、従来、近隣自治体間と結んでいた応援協定を遠隔地に拡大し、函館で18カ所目という。

 一方の函館市は、北斗市、七飯町との2市1町、全国の中核市間との協定はあるが、単独の自治体との締結は初めて。市役所で行われた締結式で工藤寿樹市長は「災害が発生した場合、支援、連携をしていきます」と述べ、協力を約束した。

 太田市長は「南海トラフの地震は今起きてもおかしくない状況にあり、危機管理意識を持っている。紀伊半島全体が被害に遭い、近隣だけでは互いに助けることができない。遠隔地との連携が重要になる」と話していた。(今井正一)