2015年6月3日 (水) 掲載

◎スルメイカ 低調な初日

 道南スルメイカ漁が始まり、2日早朝、函館市水産物地方卸売市場に526㌔の初水揚げがあった。初漁としては例年より少ない。イカの北上が早く、序盤の漁獲は高い水準になるとの予想に反して振るわず、低調な出だしとなった。早速、函館市内のスーパーや鮮魚店の店頭に初夏の味覚が並んだ。

 1日に19隻が松前沖に出漁したが、漁が薄いため操業をやめて早めに切り上げた。函館漁港では2日未明に戻った船が多く、漁業者が船底のいけすからイカをたも網ですくい、市場へ出荷した。

 田原正明さん(55)は「事前の予想が良かっただけに期待もあったが、イカがいる感じではなかった。何とか出荷できる分だけ捕れたが、この数量では燃油代が賄えない」と嘆いた。佐藤豊次さん(65)は「水温は高めだが、松前沖まで群れが来ていないようだ。道南以南の日本海の漁場では水揚げされており、今後来遊してくると思う」と期待を込めた。

 午前5時半から市場で初競りがあり、526㌔のうち、いけすイカは280㌔で昨年と同じ1㌔あたり5000円のご祝儀相場が付いた。胴長は例年並みの10〜15㌢といい、函館魚市場営業一部漁船課の片瀬了嗣主任は「これからの漁に期待したい」と話した。

 スーパー魚長八幡通り店(亀田本町61)では、刺し身用として100㌘298円(税別)で販売。大塚英俊店長は「初日は当初予定を下回る数量だったが、函館の夏の商材にイカは欠かせない」と、漁が上向くことを願っていた。(山崎大和)



◎木古内駅前にカウントダウンボード、新幹線開業控え

 【木古内】来年3月に控えた北海道新幹線木古内駅開業をPRしようと町は2日、駅南口前に開業までの時間を表示するカウントダウンボードを設置した。駅前広場で開かれた除幕式には高橋はるみ知事も駆け付け、開業への機運を盛り上げた。

 ボードは高さ2㍍45㌢、幅1㍍44㌢で、大森伊佐緒町長、高橋知事、JR北海道島田修社長ら6人の開業応援メッセージが盛り込まれている。電光式時計によるカウントダウンは開業日が正式決定した時点で始まり、ダイヤ発表後は木古内駅に一番列車が到着するまでの時間を表示する。

 式典で大森町長は「カウントボードに刻まれたメッセージ一つ一つを重く受け止め、開業日まで切れ目のないPR活動に努めていく」とあいさつ。高橋知事は「北海道新幹線の開業は北海道を全国、世界に発信する大きなきっかけとなる。木古内町の皆さまには、機運の醸成に貢献していただくことを期待する」と述べた。(金子真人)



◎ツチクジラ店頭に

 函館港に今年初めて水揚げされたツチクジラの赤肉が2日、市内の鮮魚店などの店頭に登場した。赤黒い肉は存在感抜群で、早速市民らが初物を買い求めた。

 ツチクジラの赤肉はくせがなく、熱を加えると熟成したうま味が出ると好評で、函館の初夏の風物詩となっている。同日、市水産物地方卸売市場(豊川町)で赤肉700㌔が競りにかけられ、前年並みの1㌔1350円で取引された。

 中島廉売内の紺地鮮魚(紺地慶一社長)では赤肉約15㌔を仕入れ、1㌔あたり1500円で販売。「初物だよ、いかがですか」という店員の掛け声に呼応するように、訪れた客が次々と購入していた。改行 紺地社長は「10頭まで捕れるので、捕獲頭数が半分を超えると価格も落ち着くのでは。昔ながらの竜田揚げが定番だが、最近はユッケ風も人気がある」と話す。

 水産市場2階の魚市場食堂「魚いち亭」(佐々木博樹代表)では、今月末まで赤肉を使った竜田揚げ定食と照り焼き丼(どちらも600円)が楽しめるほか、竜田揚げやしょうが焼きなどのメニューを出す居酒屋もある。(山崎大和)


◎奥尻を町立へ移管、公立高配置計画案

 道教委は2日、2016〜18年度の公立高校配置計画案を公表した。道南関係では16年度に奥尻を町立に移管するほか、長万部を地域キャンパス校にする。17年度には、函館工業定時制の機械科と電気科を電子機械科に再編して1学級減とする。また、市立函館を18年度から2学級減の6学級とすることを盛り込んだ。

 奥尻は定員割れが続いていたが、町からの要望などを踏まえて道立から移管。長万部は、他の高校への通学が困難かつ、地元からの進学率が高い。八雲をセンター校とし、出張授業や通信機器を活用した教育活動などに取り組む。

 函館工業定時制は16年度に1学級減が決まっており、2年続けて1学級減となる。一方、定員割れにより本年度1学級を減らした森は、本年度の入試結果などから中卒者数が増えると見込み、16年度に1学級増やす。

 配置計画は、道教委の「新たな高校教育に関する指針」に基づき、中学校卒業者の増減に対応しながら定員の調整や再編整備を行うもの。本年度は16年度から3年間の計画を策定するとともに、19〜22年度の見通しを示した。

 中学校卒業者数は、渡島管内は3586人(15年)で、7年後の22年には609人減の2977人と想定。桧山管内は308人(15年)から同84人減の224人と推計している。改行 計画案は7月に開く地域別検討協議会を経て、9月に正式決定する。(稲船優香)