2015年6月30日 (火) 掲載

◎「いさりび鉄道」事業許可

 【札幌】国土交通省は29日、来年3月の北海道新幹線開業に伴い、JR北海道から江差線五稜郭—木古内間(37・8㌔)の経営を引き継ぐ第三セクター会社「道南いさりび鉄道」(小上一郎社長)に対し、事業許可状を交付した。

 同社は今年3月27日に鉄道事業許可の申請をしていた。許可された事業は同区間の旅客輸送で、同JRから鉄道施設を引き継ぎ、列車を運行する。駅は現行の江差線と同じ12駅を開設。開業日は北海道新幹線の開業と同じ2016年3月としている。JR貨物は同区間の運行について、使用料を同社に払い、引き続き貨物列車を走らせる。

 札幌市内で行われた許可状交付式では、北海道運輸局の渡邊良局長が小上社長に許可状を手渡した。小上社長は「改めてスタート地点に立ったと感じる。安全輸送を最優先に高い信頼に裏打ちされた付加価値の高い鉄道会社にしたい」と意欲を示した。

 8月には道庁内にある事務所を函館市内に移転し、開業に向けて同省に運賃の認可申請や列車の運行計画(ダイヤ)の届け出を行う。

 新幹線開業に伴う同区間の対応をめぐっては、2012年5月、道と沿線市町の協議会で第三セクター方式での鉄道開業を決定。昨年8月に道と沿線の函館市、北斗市、木古内町が出資して三セク会社を設立し、同12月に社名を道南いさりび鉄道とした。経営計画では大幅な赤字が見込まれる中、初年度は現行のダイヤを基本に、1日あたり約2100人の利用を見込むとともに観光列車の導入を検討している。

 今月の株主総会で函館市役所出身の小上氏が社長に就任するとともに、JR貨物が1億円、ホクレンが1000万円の出資を決めている。(鈴木 潤、鳥越裕子)



◎華麗に疾走、ガールズケイリン開幕

 女子競輪選手がバンク上で熱戦を繰り広げる今年最初のガールズケイリン「KAISEN CUP」が29日、函館競輪場(金堀町10)で3日間の日程で始まった。女子選手が火花を散らす展開を見ようと、初日から多くのファンらが試合を見守った。

 初日は予選2レースが行われ、バンク上を華麗に疾走する女子選手に、来場したファンからは「絶対負けるな」などと応援の声が送られていた。決勝は最終日の7月1日に行われる。

 関連イベントとして、車券1口などで応募でき、優勝者を当てると3万円分のギフトカードなどが当たる抽選会や、先着でプレゼントを進呈する女性限定の企画も用意されている。(小杉貴洋)



◎「H5系」記念硬貨に

 財務省は26日、新幹線開業50周年を記念した100円硬貨4種類の図柄を発表した。4月に5種類を発行したシリーズに続く第2弾で、北海道、秋田、山形、九州の各新幹線車両をデザイン。北海道新幹線開業後の来年4月をめどに発行する。

 表面は、北海道の「H5系」など各路線を走る車両。裏面は共通で、「新幹線鉄道開業50年」の文字を刻み、1964年の東海道新幹線開業時にデビューした「0系」を正面からとらえた姿をあしらっている。発行枚数は未定。全国の金融機関で、1枚100円で引き換える。

 4月には東海道、山陽、東北、上越、北陸新幹線の各車両を描いた同様の貨幣を、合計約1100万枚発行。今回ですべての新幹線の絵柄がそろう。(山田大輔)


◎函教大生ら4日にネパールチャリティー映画祭

 ネパールで4月に発生した大地震の被災者を支援するチャリティー映画祭(実行委主催)が7月4日、道教育大函館校で開かれる。難民の少年が主人公のドキュメンタリー映画「オロ」(2012年、岩佐寿弥監督)を上映、集まった募金は現地のコミュニティーラジオ局などを通じ地震の復旧に充てる。

 実行委は函教大の学生13人と教員3人がメンバーとなり、2年の山田梨奈さん(19)が委員長を務める。

 上映会は、UNHCR(国連難民高等弁務官)駐日事務所の協力事業で、全国の大学生が難民問題を考えるプロジェクト「P782」として企画。プロジェクトの生みの親で、京都のコミュニティーFMで難民問題番組を制作する宗田勝也さんと同校の森谷康文准教授が知り合いだったことで構想が浮上、学生に呼び掛けて同校での上映が決まった。道内の大学での上映企画は今回が初めて。

 協力方法は「顔出しサポーター」として賛同者が「WE SUPPORT NEPAL」と印字されたメッセージペーパーを持って写真撮影。それらを映画祭フェイスブックで公開している。上映会のポスターを50カ所に掲示するほか、募金箱を7カ所に設置するなどして支援の輪を広げる。当日は会場内にも募金箱を置く。

 募金はラジオ局に50%、UNHCRの緊急支援に25%、ネパール復興の応援プロジェクト「ウオーク・ウィズ・ネパール」に25%を寄付。上映は午前10時半と午後1時40分の2回。ネパールを視察した北海道国際交流センター(HIF)の尾崎嘉洋さんによる現地報告会(午後1時)も。入場無料。

 山田さんは「東日本大震災では日本が多くの国から支援を受けたので、今回の協力で恩返しができれば」と話す。問い合わせは三浦さん(電話080・2169・0603)へ。(山崎大和)