2015年6月4日 (木) 掲載

◎フットボールパーク、人工芝敷設作業始まる

 8月オープン予定の函館フットボールパーク(FP、日吉町4)の人工芝の敷設作業が1日から始まった。今週中にグラウンド全面を緑にし、その後2週間ほどかけて芝の下にクッション性を向上させるゴムチップと砂を敷きつめる予定。日本サッカー協会(JFA)の公認規格検定も受け、全国、全道規模の大会開催やスポーツ合宿地として活用する狙いだ。

 FPはサッカー・ラグビー用の多目的グラウンド(68㍍×120㍍)2面とフットサルコート(18㍍×38㍍)3面を設える。3月から12月下旬まで利用可能でナイター設備も設ける。また、1周800㍍のランニングコースとクラブハウス(延べ453平方㍍)も併設し、合宿受け入れの中核施設として期待がかかる。

 人工芝はポリエチレン製で国内最高品質のものを使用。耐用年数は、年1500時間(1日あたり約4時間)使用した場合10年ほどで、日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)チームの練習施設にも使われている。芝の下には隙間が大きく空いた特殊なアスファルトを採用、300㍉㍑を15秒以内で浸透可能とするなど、水はけを良くしている。

 多目的グラウンドには深緑色と黄緑色の3・85㍍×68㍍大の芝を交互に敷いていき、つなぎ目を接着した。今後各種目に合わせ、ラインとなる色付きの芝を敷く予定だ。

 併設するクラブハウスは木造2階建てで大半が完成。1階にはトイレ、ロッカーとシャワーが置かれた部屋を4室、2階に小多目的室4室と中多目的室を設けている。

 FPオープン後、9月にラグビーの北海道小・中学生大会や全国高校大会北海道予選会、10月にサッカーの高校選手権大会北海道大会(3回戦まで)と来年6月の全道自治体職員選手権大会など、全道規模の大会を開催する予定。函館サッカー協会の新山英二会長は「新しいサッカー場が欲しいという協会OBやプレーヤーの長年の願いが叶い大変うれしい。大会や合宿の誘致を積極的に行いサッカー人口の拡大に努め、函館経済の活性化につなげたい」と話していた。(蝦名達也)



◎観光客ハイカラ気分、明治館にレンタル衣装店

 函館市内でレンタル衣装店を運営するプロ・ビジョン(亀田本町、青木幸子社長)は1日、人気観光施設の明治館(豊川町)の2階に新店舗をオープンさせた。観光客や市民にハイカラな着物やドレスを貸し出すサービスで、館内や異国情緒あふれる街の中を自由に散策してもらう。来年3月の北海道新幹線開業に向け、函館観光の目玉に育てたい考えだ。

 店名は「函館和・洋モダン衣裳館」。ゴールデンウィーク期間中に函館市旧イギリス領事館で試験的に実施したところ観光客に好評だったことから、観光客でにぎわう場所での出店を決めた。

 用意したのは女性用着物が約120着、ドレスは30着。どれもカラフルで、デザインも多彩。ハイカラな袴姿のほか、若者に人気の花魁(おいらん)姿もある。男性用にはタキシード、裃つきの武士姿、土方歳三や坂本龍馬の衣装も用意し、幕末気分も味わえる。

 新事業を始めるきっかけは、青木社長の「函館にはおいしい食があり、素晴らしいホテル(住)がある。観光客に『衣』のサービスを提供したい」という思いから。青木社長は「新幹線開業はもうすぐ。着物やハイカラな衣装に身を包んだ観光客を街の中にあふれさせたい」と意気込む。

 着付けは専門のスタッフが10分程度で行う。レンタルは1時間ごとと、気軽に利用できることも特徴だ。同社は「観光客のほか、市民にも着物を気軽に楽しんでもらいたい。祭りの時などにぴったり」とアピールする。

 料金は着付け込みで1時間3000円から。営業時間は午前10時〜午後6時。土日曜は午前9時から。問い合わせは亀田本町のギャラリーM・a・k(電話0138・40・5120)へ。(松宮一郎)



◎函館市昨年度決算見通し、一般会計24億円の黒字

 函館市は、2014年度の決算見通しをまとめ、一般会計で約24億円の黒字となることが分かった。過去最高だった13年度決算(約15億円)の黒字額をさらに上回り、市民税収入など歳入の改善とともに、執行残額や経常経費の見直しを進めたことで歳出でも予算額を大幅に下回った。市は6月の第2回定例市議会に提出する補正予算案に繰越金として計上、工藤寿樹市長の2期目の政策予算の財源などに活用する。

 市の昨年度の一般会計は約1379億円。市財政課によると、歳入では市税の収納率改善などで2億7000万円、譲与税や交付金で3億3000万円、予算より増加した。特別交付税でも約1億円上回り、計9億4000万円増えた。

 歳出では執行残額などの不用額が3億9000万円、各部局の経常経費で5億円、留保していた予備費の5億円などを合わせ、当初の見込みを15億8000万円ほど下回った。

 このうち、約4億2000万円は生活保護費など国や道から概算交付を受けていた補助金の返還に充て、実質の黒字額は20億円程度となる。約12億円は基金に積み立て、残り8億円程度を本年度予算の補正財源として活用する。

 今後の財政見通しでは、10月に行われる国勢調査では前回(2010年)調査と比較して人口が減少することが確実で、16年度以降の地方交付税の減少が見込まれている。同課は「交付税の減収に加え、消費税の再増税時には歳出の増加にもつながる。これらのマイナス要素が課題になる」としている。(今井正一)


◎市立3病院、5年ぶり赤字見通し

 函館市病院局は3日、市立3病院(市立函館、恵山、南茅部)の2014年度経営実績をまとめ、3病院合計で9億5168万円の赤字となる見通しを明らかにした。赤字決算は5年ぶり。13年度に解消した累積赤字も再び約9億円に戻るとしている。

 同日開かれた市病院事業経営改革評価委員会(岩田州夫委員長)で報告した。

 市立函館は昨年度、8億3258万円の赤字。市立函館の1日平均の入院患者数(一般)は467・1人で、予算目標に対し18・9人下回った。新規入院患者数も前年度実績から136人減の1万1369人にとどまった。

 国が定める診断群分類別包括評価(DPC)の係数が下がったことによる診療報酬の減収や、道南ドクターヘリ導入に伴う病院の改築で入院制限を行ったことなどが影響した。入院収益の実績見込みは14年度当初予算よりも7億7843万円減で、同病院は「病院工事による騒音などが影響し、予定以上に入院制限を行わなければならなかった」と説明した。

 一方、恵山病院は1335万円の赤字、南茅部病院も1億574万円の赤字。ともに退職金の増加と、立地地域の人口減による入院患者数の減少が大きく影響した。

 同局は本年度の資金過不足額を、赤字予算ながら5億9564万円改善のマイナス3億5604万円に掲げた。市立函館は、1日平均の入院患者数(一般)を12・9人増の480人とし、1日1人あたりの収益も6万8900円と、14年度から約2300円増やす目標値を設定。病院工事終了後から病床をフル稼働させるとともに、民間コンサルタント業者を通したコスト管理に努め、収支改善に取り組む考えだ。(蝦名達也)