2015年6月5日 (金) 掲載

◎サッポロビール「GLAY函館アリーナLive缶」来月限定発売

 函館出身の人気ロックバンド、GLAY(グレイ)が7月25、26両日に開催する函館アリーナ(湯川町1)のこけら落とし公演を応援しようと、サッポロビール(東京)は同7日、「サッポロ生ビール黒ラベル GLAY函館アリーナLive缶」を道内限定で発売する。函館の熱い夏を盛り上げるアイテムの一つになりそうだ。

 同社はこれまでも、北海道の音楽イベントを応援しており、函館市とは「協働・共創のまちづくりに関する協定」を締結。こうした縁から、アリーナオープンの目玉となるライブのオリジナルデザイン缶を発売する。

 ザインは、函館が誇る百万㌦の夜景の光が1カ所に集まったイメージを表現したライブ専用ロゴを上部に配置。その下にライブタイトル、開催日程、函館アリーナ・オープンの文字とアリーナのロゴを配した。改行 同社は「アリーナでの一大音楽イベントを応援しPRに貢献することで、函館の活性化につなげたい」とする。北海道本社(札幌)によると、販売計画は4000ケース(350㍉㍑缶1ケース24本)で「予約状況は非常に好調」という。価格はオープン。

 アリーナライブは、2013年7月に緑の島で行われた野外ライブから2年ぶりとなる「GLORIOUS MILLION DOLLAR NIGHT」の第2弾。(山崎大和)



◎函館駅前再開発ビル 完成半年遅れ

 JR函館駅前の再開発ビル「キラリス函館」の建設を手がけるNAアーバンデベロップメント(函館市若松町、布村隆二社長)は4日、同ビルの完成時期が当初予定の2016年10月から17年3月下旬にずれ込むと発表した。北海道新幹線開業に合わせて16年3月に予定していた低層階商業施設や市の公益施設の先行オープンも同年8月以降となる。くい打ち工事が難航したためで、布村社長は「マンションを購入された方やビルの完成を楽しみにしていた市民の皆さまに大変申し訳ない」と話している。

 同社や市によると、再開発事業は市中心市街地活性化基本計画の事業として、約2800平方㍍の敷地内に地上16階、地下1階のマンション併設の複合ビルを建設。昨年1月から旧WAKOビルなどの解体を進め、同10月に新ビルの建設工事が始まった。総事業費は約55億円。

 当初スケジュールでは今年2月下旬にはくい打ちが終了し、6月は地下1階部分の工事を進めている予定だった。ただ、地下60㍍まで打ち込むはずのくい100本のうち、46本が地中の岩などの支障物に阻まれ、作業が難航。建設を担う西松建設と工法変更などを検討し、市やマンション事業者のフージャースコーポレーションなど関係者と協議を進めていた。現在、46カ所中31カ所の支障物の除去が終わり、くい打ち作業の終了は8月中旬にずれ込む。建物本体工事を進める人材確保にはめどが付いたとしている。

 工事の遅れにより、来年3月に部分開業を予定していた、地下1階と地上1、2階の商業施設のオープンは同8月に予定。1、2階の北海道銀行と市が整備する「はこだておもしろ館」(3階)、「子育て世代活動支援プラザ」(4階)は、同10月にずれ込む。昨年秋から分譲を開始したマンション(5〜16階、84戸)は一部が成約済みといい、来年11月の入居開始を予定していたが、17年3月の完成に変更した。

 スケジュールの大幅な変更について、市経済部中心市街地再生担当の阿部貴樹参事は「新幹線開業に間に合わせるよう事業を進めてきた中で大変残念。市の施設はより一層、魅力のある整備を進めたい」とする。布村社長は「全国が注目する新幹線開業に合わせて事業を進めてきたが、そのチャンスを逃してしまう悔しさはある。無事故での完成を使命として進めていきたい」と話している。(今井正一)



◎函館・江差自動車道 作業員1人が転落死

 【木古内】4日午前11時20分ごろ、木古内町釜谷の自動車専用道路「函館・江差自動車道」の工事現場で、作業中の男性2人が橋から約20㍍下に転落した。八雲町熊石、会社員斉藤貢さん(45)が病院に運ばれたが、頭を強く打つなどして死亡し、もう一人の40代男性は腰の骨を折る重傷を負った。橋の上でも20代と50代の男性が足などにけがをした。

 木古内署と函館開発建設部などによると、同町の大坪沢川橋(140㍍)上部工事現場で、当時、8人の作業員が橋の架設工事をしていた。橋げたを設置するための大型装置を移動させる作業中に、使用していたジャッキが何らかの原因で外れ、下部の鉄製の台がずれて押される形で2人が転落したとみられる。さらに橋の上にいた作業員2人も鉄骨に挟まれるなどしたとみられる。

 同上部工事は函館開建が2014年10月31日〜16年1月29日の工期で、日本高圧コンクリートPC事業部札幌支社に発注していた。 同署などは事故原因を詳しく調べている。

 函館開建は「現在原因を調査中で、事故原因が判明してからコメントしたい」としている。


◎市選管 出前講座で意識浸透図る…18歳選挙権法案 衆院通過

 18歳選挙権を柱とする公選法改正案が4日、衆院を通過し今月中旬にも成立見通しとなったことを受け、函館市選管は若年層を対象とした出前講座を開くなど、対応に乗りだす考えだ。一方、市内の大学や現役高校生は冷静に受け止めながら様子見している。

 市選管は今後、教育機関と連携し、選挙の仕組みや投票率の状況などを教える出前講座を積極的に開催する方針。

 これまで市選管では、成人祭会場で実際の記載台や投票箱を使った模擬投票を行ってきたほか、小・中学校でクイズ形式の出前講座を実施。毎年「明るい選挙啓発ポスターコンクール」を開催するなど、若年層の啓発活動に力を入れてきた。5月に開かれた全国市区選挙管理委員会連合会北海道支部事務局長協議会では、選挙権年齢の引き下げを見据え、道から高校での出前講座に力を入れるよう指示があったという。

 市選管の下中修子事務局長は「模擬投票やグループ討議など、趣向を凝らしながら出前講座に取り組んでいきたい。若年層の投票率が今以上に悪くならないよう、自分の意見を一票に託す意義なども説明し、意識を高めていく必要がある」と話す。選挙運動も18、19歳に引き下げられる点について「SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を使った選挙運動が一層進んでいくのでは」とみている。

 一方、在学生全員が対象となる大学からは「まだ何も決めておらず、様子を見たい」との声が多い。公立はこだて未来大は、全学生にメールを送信する仕組みがあり「学生に対し選挙の大切さを周知・徹底していく」とし、住民票の移動なども呼び掛けていく考え。

 函館大は4月24日、市選管に場所を提供し、同26日投開票の市長選と市議選の期日前投票所を設けた。投票した38人のうち学生は7人にとどまり、低調だった。同大は「もっと若い世代の選挙への意識を高める取り組みが欠かせない」と今後の対応を模索する。

 市内の高校生の反応はさまざまだ。公立高3年の男子生徒(18)は「地元の課題について考える機会が増えるかもしれない」としながらも、「正直(選挙権の)年齢が下がったところで、高校生がみんな投票に行くとは思えない」と話す。私立高2年の女子生徒(16)は「早く選挙に行きたいと思っていたので、年齢の引き下げには賛成」とする。一方で、別の高3の男子生徒(17)は「同じ高3でも、17歳と18歳がいて選挙に行けない人と行ける人がいるのはどうか」と指摘する。

 来年の参院選から選挙権が与えられることになる市内の17、18歳の人口は、住民基本台帳(4月末時点)で17歳2464人、18歳2172人の計4636人。(蝦名達也、山崎大和、稲船優香)