2015年6月9日 (火) 掲載

◎さぶりメロン初競り、2玉5万円

 道南ブランド「さぶりメロン」の初競りが8日、函館市青果物地方卸売市場であった。最高値は森町産特秀2玉の5万円で、7年連続で同額。上品な甘みと果汁感が人気で、市内のスーパーや専門店に並んだ。

 厚沢部町の「さぶ」と森町の「り」から命名、販売は今年で8年目。両町の20戸が栽培する赤肉メロンの中から糖度15以上、1玉重量1・9㌔以上、容姿やネットの張り具合が良好なものが、さぶりとなる。

 この日は森産5ケースが競りにかけられ、秀2玉4ケースも2万円で取引された。落札した丸上青果(西桔梗町)の豊嶋敦果実担当課長代理(42)は「競り前から『どうしてもほしい』と注文が入っており、年々認知度が高まっている。今年も品質が高く、どの玉を選んでも安心感がある」と話した。

 出荷者の一人、森町白川の中澤秀樹さん(39)は「糖度は間違いないので、ぜひ食べてほしい」と笑顔を見せた。赤肉メロンの出荷は森が7月まで、8月から厚沢部産にバトンをつなぎ10月まで続く。(山崎大和)



◎道新幹線、JR北が来月からDC1年前プレ企画

 JR北海道は8日、北海道新幹線開業後の2016年夏に展開する大型観光企画「青森県・函館デスティネーションキャンペーン(DC)」の1年前プレイベントとして、今年7月から「青森県・函館観光キャンペーン」を行うと発表した。青函トンネル開業時に函館—青森間を結んだ快速「海峡号」の1日限定復活や、青函や道南を周遊する商品を重点販売し、新幹線開業と本番のDCに向けて弾みを付ける。

 キャンペーンは新幹線開業後とDCの誘客を占う意味でも重要なものになる。期間は7月1日〜9月30日で、テーマは「津軽海峡でつながる物語」。開催エリアは本番のDCと同じ青森県全市町村と道南11市町。キャッチフレーズも本番と同じ「ひと旅 ふた旅 めぐる旅。青森⇔函館」を使う。

 主な旅行商品として、津軽海峡をまたいで函館と下北半島の観光スポットを訪ねるものや、函館港まつりと青森ねぶた祭りの両方を楽しむものなど、青函両地域を周遊する商品を用意。大間のマグロと大沼でのランチを味わう3日間の旅は食にスポットを当てたほか、津軽海峡フェリーの函館と大間を結ぶ「大函丸」を利用するのも特徴だ。

 また、7月4日には、1988年から2002年まで海峡線を走っていた快速「海峡号」を1日限りで復活させる企画も行う。函館発青森泊の1泊2日コースや夜行コースがある。同じ列車ではないが、当時の雰囲気を味わってもらう趣向だ。

 中には新幹線開業後の道南各地への送客や二次交通、函館で滞在日数を増やしてもらうことを意識した商品やプランも。大沼のレストランやホテルで同じコンセプトのランチを提供する「大沼三昧。」や、定期観光バスと路線バスが3日間、乗り放題になる「江差・松前千年北海道手形」などだ。同社観光開発室は「これまで地域の観光事業者や自治体と連携して取り組んできた観光素材の発掘やブラッシュアップの成果を盛り込むことができた」としている。

 「復活海峡号」に関する商品は9日午後2時から、旅行センターのツインクルプラザなどで発売する。問い合わせはツインクルデスク(電話011・219・5489)へ。(松宮一郎)



◎中国東方航空、来月3日から函館—青島チャーター便就航

 函館市は8日、中国東方航空(上海)が山東省青島(チンタオ)市と函館を結ぶチャーター便を7月3日から8月28日まで週2便、計17往復を運航すると発表した。同社の乗り入れは、今年2月に杭州市からのチャーター便を運航して以来。初日の7月3日は中国国際航空による北京と函館を結ぶ国際定期便の就航が予定されており、観光トップシーズンも中国人客でにぎわいを見せそうだ。

 市港湾空港部などによると、使用機材は154人乗り(A320)。青島は北京の南東約550㌔に位置する港湾都市で、人口は約770万人。同国内の旅行サイトによると、函館到着後、札幌や富良野、小樽、登別を経て、函館から青島に帰国する5日間の旅行商品が紹介されている。

 運航スケジュールは毎週火曜、金曜日の週2便で、函館には午前10時15分に到着し、同11時45分に青島に向かう。同社東京支社は「円安の影響もあって、訪日観光の需要が高まっており、ほぼ満席になると思う」とし、グルメや自然景観を目的にする旅行者が多いという。

 市は今後も中国からの国際路線は拡充が見込めることから、7月に工藤寿樹市長ら官民トップが北京や天津、上海を訪れ、観光客誘致活動を予定する。市港湾空港部港湾空港振興課は「チャーター便の就航は交流人口の増加につながり、市の発展にも寄与する。函館空港の国際線の利用拡大に努めていきたい」としている。(今井正一)


◎函館市役所食堂でツチクジラ竜田揚げ定食提供

 5月25日に解禁された道南ツチクジラの商業捕鯨でで、今シーズン1頭目が1日に水揚げされたことに合わせ、8日から函館市役所地下食堂でツチクジラの赤肉を使った竜田揚げ定食がメニューに登場した。待望のシーズン到来に、初日から多くの職員、市民が味わいに訪れた。

 価格は580円(税込み)で、一口大の竜田揚げ(6切れ)と白飯、味噌汁、サラダ、日替わりの小鉢が付く。赤肉はショウガ醤油で漬け込んだものをふっくらと揚げ、大根おろしの入ったポン酢を付けて食べるあっさりとした味付け。

 定食のほか、惣菜用の竜田揚げを1日20〜30食限定で、240円(80㌘、税込み)で販売。初日は定食、惣菜とも1時間もしないうちに完売した。

 毎年定食を食べにくるという市内会社員の小原渉さん(34)は「くせになるおいしさですね」と堪能していた。

 ツチクジラの提供は6月末まで(入荷分がなくなり次第終了)。(蝦名達也)