2015年7月1日 (水) 掲載

◎出港”ドラの音響く 摩周丸就航50年記念イベント

 就航50年を迎えた青函連絡船「摩周丸」の記念イベントが6月30日、函館市若松町の市青函連絡船記念館摩周丸で開かれた。青函連絡船OBらによる出港模擬実演が行われ、参加者は摩周丸の歴史に思いをはせた。

 函館市青函連絡船記念館摩周丸、特定非営利活動法人語りつぐ青函連絡船の会が主催。この日は、実際に摩周丸が初就航した1965年6月30日20便(函館午後0時25分出港、青森同4時40分着岸)に合わせ、操舵室などで出入港時の作業の様子を再現した。

 出港15分前にドラの音が響き渡り、船内アナウンスが時刻を告げた。操舵室では、航海士たちが精悍な面持ちで海上を見つめ、他船の確認など連携を取りながら慎重に作業を進めた。出港を知らせる汽笛の音が鳴り、最後は二等航海士から船長に航路の引き継ぎが行われて、実演が終了した。

 摩周丸最後の船長千葉辰見さん(76)は「何年振りか分からないが、仲間たちと連携を取り、気分良く運航の様子を再現できた」と笑顔を見せた。根崎町在住の主婦宮川セツ子さん(78)は「見送りなどさまざまな思い出が胸にあふれてきた。とても感慨深かった」と話していた。(斎藤彩伽)



◎経済波及効果額2.5億円 市試算 GLAYライブ2日間

 函館市議会予算特別委員会総務分科会(工藤恵美委員長)が6月30日、開かれた。7月25、26の両日、函館アリーナの開館記念公演として予定する人気ロックバンド「GLAY」のライブについて、市は経済波及効果額を約2億5000万円と試算した。市教育委員会は「テレビや新聞、雑誌などで全国に発信され、極めて宣伝効果が高く、地域にも大きく貢献する事業になる」と述べた。

 出村ゆかり氏(市政クラブ)への答弁。茂木修氏(公明党)と小野沢猛史氏(市民クラブ)も質問した。

 市は一般会計補正予算案に公演開催経費を計上し、財源に観光振興基金からの繰入金1000万円と寄付金を充てる。新潟県長岡市の類似施設で人気歌手らによるこけら落とし公演への公費支出の事例があるとして、理解を求めた。

 経済波及効果額は、2日間で動員する8000人のうち、7割を道南以外からの来函者とし、観光基本計画に基づく宿泊客1人当たりの消費額約3万円と各産業への生産波及効果を求める係数の1・49を掛け合わせた。池田敏春担当参事は「4000人規模のライブの実現で、今後の利活用にもつながる。地域に大きく貢献する事業になる」と述べた。(今井正一)



◎ごみ焼却施設 新たに整備検討 函館市本年度中

 函館市は6月30日の市議会民生常任委員会(池亀睦子委員長)で、日乃出清掃工場が2026年度に供用年数の期限を迎えることから、本年度中に新たなごみ焼却施設の設置場所や運営方法を検討することを報告した。市単独の処理となるのか、渡島管内他市町との広域処理となるのかが課題となる。17年度中をめどに、施設整備に関わる計画の取りまとめを行う方針だ。

 一般的に焼却施設の供用年数は20〜25年とされており、同工場の1、2号炉は02年の抜本的な改造工事を行っていることから、26年度ころまでの使用が可能。3号炉は、1992年の稼働開始から22年経過しており、今後必要な延命化工事を実施することで、1、2号炉と同様の期間を使用できるとしている。

 市は26年度以降の新たな焼却施設の整備に向け、建設場所や運営方法などを本年度から検討する。運営方法については、函館を除く渡島管内の市町が共同で北斗市に設置した処理施設「クリーンおしま」の供用年数が、26年度ころまで(延命化工事実施した場合)のため、新たに2市9町による広域処理にするか、従来通り函館単独での処理かを検討する。

 また、市は新廃棄物処理システム構築関係経費として、本年度の補正予算案に1314万円を計上。9月ごろから学識経験者で構成する専門委員会を開催し、施設規模や処理方式など技術的な検討を行う。16年度には、地元有識者や住民団体による「施設整備基本計画策定委員会」(仮称)を設置し、17年度中をめどに、施設整備の計画を取りまとめる予定だ。

 この日の委員会で、委員からは「市民の注目が高くなる分、慎重な対応が求められる」との意見が上がり、同委で継続調査することを決定した。(蝦名達也)


◎日ハム×オリックス戦 中止にファンがっかり

 6月30日に函館市のオーシャンスタジアムで予定されていたプロ野球パ・リーグ公式戦、北海道日本ハムファイターズ対オリックスバファローズは雨のため中止となった。年に1度の函館開催を楽しみにして、朝早くから球場に駆け付けたファンは肩を落としていた。

 気圧の谷が接近した影響で、函館は午前10時ごろから雨となり、同11時10分に中止が発表された。函館市文化・スポーツ振興財団によると、函館のプロ野球が中止になったのは1996年9月1日(日本ハム対近鉄)以来で、ファイターズが北海道に本拠地を移転してからは初めて。雨具姿で開場を待っていたファンからは「え、残念」など驚きと落胆の声が上がっていた。宿舎に戻るためバスに乗り込む様子を見ようと集まったファンに、選手は手を振って応えていた。

 函館市陣川町の主婦、大場康恵さん(47)は「この1週間は天気予報が悪く心配していた。朝のニュースで雨は大降りにならないと言っていたが、本当に残念。選手は休んで英気を養い、優勝に向けて頑張ってほしい」と話していた。

 前売り券払い戻しの問い合わせは屋外スポーツ施設管理事務所(TEL0138・55・1900、千代台公園陸上競技場内)へ。(山崎純一)