2015年7月15日 (水) 掲載

◎函館空襲から70年 追悼慰霊祭

 函館空襲から今年で丸70年を迎えた14日、犠牲者の冥福を祈る追悼慰霊祭が函館市船見町の称名寺境内にある「第二次世界大戦函館空襲戦災跡地戦災者慰霊碑」前で行われた。函館空襲を記録する会(浅利政俊代表)が毎年開いており、今年で27回目。遺族ら約20人が霊を慰め、平和への願いを新たにした。

 慰霊祭では読経が流れる中、参列者一人一人が焼香し手を合わせた。また、空襲を体験し、肉親を亡くした遺族3人が当時の惨状や悲しみを回顧。当時8歳で、祖母と弟を空襲で亡くした市内弁天町の木村美保子さん(78)は「老人や子どもたちにあのような思いをさせたくない。できるだけのことをする。頑張るからね」と2人の御霊に誓った。

 浅利代表は「若者を戦争に送ろうとするいかなる法律にも断固反対し、未来を継ぐ子どもたちに平和の受け皿をしっかりつくる営みを続ける」と追悼の言葉を述べ、恒久平和を誓った。

 函館空襲は第2次世界大戦末期の1945(昭和20)年7月14、15の両日、米軍機が函館を襲撃。青函連絡船やその関連施設が攻撃されたほか、駒止町(現・弥生町)などに爆弾が投下され、多くの民家が焼失した。市民100人以上、青函連絡船の乗組員400人以上が亡くなったとされる。(鈴木 潤)



◎ホテルテトラのビアガーデン、浴衣姿で接客

 夏本番を前に、ホテルテトラ(函館市梁川町、三浦孝司社長)は12日から、屋上ビアガーデンで女性従業員が浴衣姿で接客する恒例のサービスを始めた。8月末までの毎週日曜日、色とりどりの浴衣で爽やかさを演出する。

 同社が10年ほど前から続けている企画。利用客からも好評で、毎年楽しみに訪れる客もいるという。ビアガーデンのほか、系列の市内6つのホテルでも、浴衣をまとった女性スタッフがフロントで宿泊客を出迎える。

 ビアガーデンは4月下旬から営業開始。今年は天候に恵まれ、企業の飲み会や女子会などで予約が好調だという。

 担当者は「金、土曜日は混み合うので事前に予約を。五稜郭に近い開放感あふれる空間で、ビールとジンギスカンをぜひ味わって」とPRしている。ビアガーデンの営業時間は午後5時〜同10時。問い合わせは同ホテル(電話0138・55・1818)へ。(山田大輔)



◎学校給食、生鮮野菜4割、魚介類3割が函館産

 函館市教育委員会は、昨年度の学校給食に使用した食材の産地別使用状況をまとめた。生鮮野菜は函館産が前年度比2・7ポイント増の39・3%に向上し、近郊(北斗、七飯)産を合わせると初めて6割に達した。函館産魚介類・海藻類の使用割合も初めて3割を超えた。本格的に地場産食材を導入する以前の2011年度と比較すると、大幅に向上している。

 市教委は12年度から食育普及の観点から地場産食材を積極的に使用。13年度にはおいしい給食の提供を目指し、学校給食基本方針を策定した。生鮮野菜は農協などの協力を得て、ジャガイモ、ニンジン、キャベツ、ダイコンの4品目で函館産を優先使用し、魚介類では函館産のサケ、コンブなどを使用している。

 生鮮野菜は11年度に函館産20・7%、近郊産13%の計33・7%だったが、昨年度は函館産と近郊産を合わせて60・7%となった。冬場は道産野菜の流通が落ち込むため道外産を使用するが、使用割合は11年度の29・5%から、昨年度は17・6%まで抑制した。

 本年度は、市場に流通しない規格外野菜をカット加工し、冬場にも函館産野菜を提供する取り組みを試験的に実施する予定で、第2回定例市議会で可決した一般会計補正予算に263万円を追加計上した。市教委保健給食課は「規格外野菜の数量確保や食材としての使用のしやすさ、加工メーカーが対応可能かなどを検証したい」とする。

 一方、魚介類・海藻類は国内屈指の水産都市でありながら、外国産の使用比率が高かった。函館産の使用割合は11年度の12%から昨年度は31%にまで向上。外国産比率は3年間で44%から21・1%にまで減少した。11、12年度に市の予算で函館産のサケやコンブ、ブリを食材として提供し、昨年度からは一般食材と同様に給食費で購入している。

 昨年度からは月1回「和食の日」を設定し、地場産の農水産物を中心にした献立を提供している。同課は「食育の観点からも函館産食材の使用を進め、地場の一次産業にも関心を持ってもらえるよう取り組む」としている。(今井正一)


◎豪華客船入港、船内見学会

 プリンセス・クルーズ(米国)が運航する豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」(11万6000㌧)が14日、函館港港町埠頭(ふとう)に寄港した。併せて市民向けの船内見学会が行われ、参加者はあこがれの船旅に思いをはせながら見て回った。

 寄港は本年度3回目で、北海道周遊クルーズの最中。10日間の日程で、8日に横浜を出港し、これまでに釧路や小樽を周遊。乗客の7割ほどが日本人だが、北海道の景観や文化に関心がある外国人からの人気も高いルートだという。

 見学会は約100人が参加。美しい装飾が光り輝く吹き抜けのアトリウムや毎晩ミュージカルショーなどが開かれるシアターを見て回った。日本人客増加を見込んで昨年、すしバーを改装したことや、日本人スタッフが100人以上乗船しているなどと説明を受け、参加者は豪華客船での旅に強い関心を寄せていた。

 国内代理店カーニバル・ジャパン(東京)の佐藤卓実さんは「英語や時間の使い方を気にせず、初めての方も安心して利用していただきたい」と紹介。市内在住の梅田芳昭さん(80)は「どの施設も立派で驚いた。1日中楽しめると思うのでいつかは乗ってみたい」と声を弾ませていた。(蝦名達也)