2015年7月16日 (木) 掲載

◎国内外旅行業者に青森、道南の魅力PR

 【青森】JR各社と地域の自治体が来年7〜9月に展開する大型観光企画「青森県・函館デスティネーションキャンペーン(DC)」に向けた全国宣伝販売促進会議が15日、青森市で始まった。国内外の旅行会社の担当者ら約1100人が参加。青森県と道南の関係者は自慢の観光資源をアピールし、DCへの送客を呼び掛けた。

 同会議は、1年後のDC期間中に販売する旅行商品の造成に向け、地域の観光素材をPRする目的で開催。北海道新幹線の開業効果を最大限に引き出し、DCの誘客を占う意味でも重要な場となる。

 青森市内のホテルで開かれた全体会議で、三村申吾青森県知事は「北海道新幹線の開業で、北海道と東北は一つの大きな経済、観光圏となる。力を合わせて共に前進したい」とあいさつ。続けて、函館朝市協同組合連合会や道南と青森県の女性でつくる「津軽海峡マグロ女子会」のメンバーらがプレゼンテーションを行い、地域の魅力を売り込んだ。

 全体会議の前後には、青森県や道南の観光事業者と旅行会社の商品企画担当者による商談会も開かれた。海外のエージェント5社と商談に臨んだ七飯大沼国際観光コンベンション協会の林賢三理事らは、タブレットと観光パンフレットを使ってPR。「一度に売り込みができるめったにない機会。大沼の景観をアピールしたい」と話した。

 このほか会場では、歓迎レセプションが開かれ、青森県と道南地域の農林水産物を食材とした料理が振る舞われた。

 16、17日にはエクスカーション(視察旅行)が予定されており、国内の旅行関係者は9コースに分かれて実際に観光地を訪れ、見どころを確かめる。(山田大輔)



◎函館アリーナ完成、21日に市民見学会

 函館市は21日、8月1日にオープンを迎える函館アリーナ(湯川町1)の竣工記念式と合わせて、午前11時から市民見学会を開催する。

 同アリーナは14日に建物が完成し、駐車場の舗装など外構工事を残すのみ(31日に完了)。記念式は工藤寿樹市長や佐古一夫市議会議長、観光関係者など、約300人が出席。一般の参加はできない。テープカットを行った後、施設内の見学を行う。

 市民見学会は午後5時まで。1周20分ほどの順路に沿って、メーン、サブアリーナの観客席や多目的会議室などを見ることができる。ヘルメットや上履きは不要。

 市教委は公共交通機関の利用と、混雑が予想されることで午後からの来場を呼び掛けるとともに、「全国規模のスポーツ大会や会議を開催できる施設なので、直接見て函館の新たな魅力を感じ取ってほしい」としている。(蝦名達也)



◎安保法案衆院委で可決、函館でも憤りや不安の声

 集団的自衛権の行使などが可能となる安全保障関連法案が15日の衆院平和安全法制特別委員会で可決された。野党の怒号が飛び交う中で採決を強行した与党に対し、函館では憤りや反発、不安の声が聞かれた。

 連合函館地区連合会(荒木敏安会長)の八木橋正典事務局長は「安倍首相自身が『国民の理解が進んでいない』と認めながら、採決を強行したことは理解できない。ここまでやるのかという思い」と憤る。16日午後6時からは民主党とともに大門グリーンプラザ(松風町)で集会とデモ行進を予定する。

 道南地域平和運動フォーラム(相澤弘司代表)の鎌田保事務局長も「国民の命を顧みず、声なき声を聞き入れない安倍政権の暴走を止めなくてはならない」。17、18の両日に市内で予定する大間原発問題の集会で、安保法制についても反対の声を強める。

 全労連・函労会議(佐々木正美議長)の岩瀬英雄事務局長は「採決の在り方や将来、徴兵制の導入があり得ることを国民に問いかけ考えてもらい、反対の声を上げていく」と語気を強めた。

 市民も法案に対し不安を募らせる。小・中学生3人の男児の母親という函館市千代台町の遠藤琴美さん(41)は「法案は絶対反対」ときっぱり。「(戦争となれば)若い人が戦争に出ていくことになる。母親の1人として心配だ」と話す。

 子どもの時、第2次世界大戦を体験した市内美原3の立花敏夫さん(79)も「国会議員の半数は戦争を経験してない。もし戦争が起きたらこれからの若い世代に付けが回る」と法案に危機感を抱く。

 採決にも批判の声が集まる。市内の会社員女性(24)は「国民の理解が得られていない中での強行採決は不信感が募るだけ。どうすれば民意が政府に伝わるのだろうか」とため息。

 七飯町で映画上映を通して反戦を訴えるピースシアター代表の板谷順治さん(77)は「法案に対する反対運動も広がりを見せている。私たち国民の姿が問われており、今こそ結束し、政府に訴えていかなければいけない」と語った。


◎新函館北斗駅、立体駐車場の利用無料

 【北斗】市は、来年3月に開業する北海道新幹線新函館北斗駅(市渡)前の立体駐車場の利用料金を当面の間無料とする方針だ。現在整備中の立体駐車場は1階、2階、屋上があり、計584台が利用できる。

 14日の市議会産業建設常任委員会(高田茂委員長)で示した。市はこれまで、日にちをまたぐ宿泊利用について有料化を表明。ただ、同じ新幹線停車駅の木古内駅が駐車場の無料化を予定しており、方針を改めた。

 年間約1800万円の維持管理費が見込まれることから、市は昨年3月、市民の送迎などの利便性を考慮して日帰り利用を無料、宿泊利用の場合は1泊500円とする方針を示していた。

 しかし、木古内駅のほか、今年3月に開業した北陸新幹線の黒部宇奈月温泉駅(富山)、新高岡駅(同)も、駅前の駐車場を完全または期間限定で無料開放していることを踏まえ、駅前への集客効果を高めるため無料化にかじを切った。(毛利祐一朗)