2015年7月18日 (土) 掲載

◎GLAY歓迎 ムード高まる…ライブまであと1週間

 函館出身のロックバンド「GLAY」による函館アリーナこけら落とし公演(25、26日)が1週間後に迫り、市内各所はGLAYやファンを迎えるためのフラッグが掲げられるなど、歓迎ムードに包まれている。主催者側もカフェイベントを準備するなど盛り上げに躍起。会場に近い湯の川地区のホテルでは訪れるファンのために客室増設を図るなど、受け入れ態勢を整えている。

 フラッグは縦80㌢、横50㌢で、メンバー4人の写真とともに「ようこそ函館へ」とメッセージが書かれている。函館朝市、十字街、五稜郭、湯の川などの商工、観光団体が16日までに約計200枚を、各地域の街路灯に取り付けた。

 湯川町1の「ホテル雨宮館」では、今春にコンサート前日の宿泊予約が埋まり、現在も問い合わせが続いていることから、宴会場と倉庫に使っていた部屋を改築し、カプセルタイプの部屋24室の増設に取りかかった。23日までに完成する予定。山下孝司支配人は「GLAYのコンサートをきっかけに、思い切って客室増設に踏み切った。今後もアリーナ利用客の需要に期待している」と話す。

 若松町の洋服店「SODAPOP」と、同店に併設するGLAYの展示スペース「G4Space」などでは、コンサートを記念したカフェイベント「GLAYLiBCAFE2015inHAKODATE」を23〜28日にかけて開く。

 同店2階に新設したカフェスペースでは、ボーカルのTERUさん監修のフードメニューやドリンクを提供するほか、ライブグッズの販売、カフェオリジナルグッズが手に入るアミューズメントコーナーなどを設ける。

SODAPOPの齋藤輝代表は「たくさんの人が函館に来ていただけるのはとてもうれしい。皆さんに喜んでもらえるよう、スタッフ一同誠心誠意おもてなししたい」と意気込む。

 また、函館国際観光コンベンション協会が函館空港やJR函館駅に歓迎看板を設置する予定もあり、市内の〝おもてなし〟ムードはますます高まっていきそうだ。(金子真人)



◎ドリームライナー 函館初就航

 燃費や機内の快適性に優れるボーイング社(米国)の最新鋭機、B787型が17日、全日空(ANA)の羽田発函館行き557便として函館に初就航した。午後6時半ごろ、通称「ドリームライナー」が函館空港に到着すると、消防車による歓迎放水など記念イベントを行った。

 B787は既存機に比べ機体の軽量化などで燃費を約20%減とした。客室内はLED照明を使用し、搭乗者の耳への気圧負担感が良いことで好評を得ている。座席数は335(一部395)。ANAとして函館は国内21番目、道内では新千歳に続いて2番目の就航地。  この日は羽田から満員の322人を乗せて函館着。空港デッキや付近の公園には、航空ファンらが集まって写真を撮るなどしていた。ANA函館支店の坂元洋一郎支店長は「夏休み期間に就航できたことは大きい。函館から羽田以外にも就航できれば」と話した。

 B787の運航予定は8月1、7〜14、19〜23、30日で、すべて函館着午後6時半、同7時15分発。(山崎純一)



◎中国東方航空 上海周辺からの定期路線検討

 中国からの観光客誘致のため、現地を訪問していた函館市の官民トップによる訪問団が17日、帰函した。中国東方航空(上海)が上海周辺都市の空港と函館を結ぶ定期路線の開設に前向きな姿勢を示したほか、既に国際定期路線が就航している北京、天津の航空2社も函館線の拡充を検討していることが明らかになった。

 訪問団は市や市議会、経済界で構成。13日から北京、天津、上海で航空会社などを訪問した。工藤寿樹市長は18日の帰函を予定している。

 中国東方航空の路線開設計画について、佐古一夫市議会議長は「上海の空港からの新規路線開設は困難だという話だったが、周辺都市と函館の路線を検討し、この秋にも具体化するという話だった」と明かした。北京線を開設したばかりの中国国際航空は将来のデイリー化を検討しているほか、天津航空は天津以外の空港と函館間の新規路線開設を検討しているという。

 航空3社ともに函館の食や景観といった観光資源や札幌間の周遊ルートに関心を示した。一方で、佐古議長は「北海道の知名度はあるが函館はまだ低い。中国でのPR強化を求められた」と述べた。市は今後、中国東方航空や旅行会社関係者を函館に招くほか、映画を通じたPR方法を検討する方針。(今井正一)


◎天然マコンブ漁解禁

 「白口浜」に位置する函館市南茅部地区で17日、天然マコンブ漁が解禁された。朝日を浴びて褐色に輝くコンブが水揚げされ、浜は活気に包まれた。

 南かやべ漁協大船支所では午前5時、大舟漁港から出漁した船が前浜で3時間の漁を行った。漁業者は箱めがねで海底をのぞき、マッカ(さお)でコンブをねじり採った。コンブを積んだ船が岸壁に着くと、トラックに搭載したクレーンで次々と水揚げした。

 大船の漁業丸谷光日東(みつひと)さん(44)は「今年は繁茂状況があまり良くない。量は少ないが、実入りは良好。養殖と同時に行っており、これから忙しくなるね」と話した。天然の採取作業は9月まで続く。

 道総研函館水試は「今年は豊漁だった昨年に比べて海域の水温が高めに推移している」としている。

 南茅部のマコンブは、朝廷や将軍家に献上されていたことから「献上昆布」とも呼ばれる高級品。(山崎大和)