2015年7月19日 (日) 掲載

◎夏彩る歴史絵巻 函館野外劇が開幕

 市民創作函館野外劇の第28回公演(実行委主催)は18日、開幕した。今年は舞台としている国の特別史跡、五稜郭跡が崩落した堀の石垣修復工事中のため、初めて郭外の五稜郭タワーアトリウムなどに舞台を移して開催。初日は観光客ら約450人がコンパクトにまとまった函館の歴史絵巻を楽しんだ。

 開催場所の変更に伴い、今までの75分間の内容をダイジェスト版にまとめ40分に短縮。開始時刻もこれまでの夜間から昼間とし、1日2回上演。観覧無料で投げ銭方式の募金公演とした。

 劇には役者や裏方のスタッフら約130人が参加。テーマ曲「星のまちHakodate」に合わせたコロポックルの登場で始まり、ペリー提督の来函や五稜郭築造、函館大火などのシーンが次々と展開された。箱館戦争のシーンでは土方歳三ら旧幕府軍と新政府軍との迫力ある殺陣が繰り広げられ、客席から拍手が沸き起こった。

 3年ぶりに野外劇に出演したペリー提督役の加藤清郎さん(80)は「舞台に立つと役になりきってしまう。気持ち良かった。次につながる舞台だった」と話した。

 公演をめぐっては石垣の修復工事のため中止も取り沙汰されたが、NPO法人市民創作「函館野外劇」の会の里見泰彦事務局長は「やって良かった。どんな形でも続けることが大事だと実感した。今後の公演も一丸になって頑張りたい」と話した。

 18日以降の公演日は19、20、25、26日、8月1、2、8、9、15、16日。上演時間は午後2時からと同3時半から。(鈴木 潤)



◎暗号解読に苦闘…「GLAYと宝探し」始まる

 人気ロックバンド「GLAY」と函館市がタイアップした体験型イベント「GLAYと宝探し」(実行委主催)が18日、市内一円で始まった。宝箱が隠された捜索範囲のうち、西部地区では参加者が地図を片手に散策。難解な問題に悪戦苦闘しながら楽しんでいる。

 函館アリーナのこけら落とし公演(25、26日)に先駆けて、GLAY側の全面協力で実現したイベント。宝の地図は市地域交流まちづくりセンターや函館駅の観光案内所などで配布している。

 問題は全4問で、暗号を解読しなければ目的の場所にたどり着けないようになっている。FMいるかなどGLAYゆかりのスポットにはヒントが掲示され、居合わせたファン同士が情報交換する姿も見られた。

 子どものころからの大ファンという水口笑美子さん(27)は夫の卓さん(38)、長男怜輔ちゃん(3)と過去のライブTシャツを着て参加した。笑美子さんは「GLAYに関するクイズだと思っていましたが、問題が難しくてびっくり。今日中に全部見つけてGLAY大賞を狙います」と楽しんでいた。

 友人と参加した道教育大函館校4年の住吉一貴さん(21)は「街中がGLAYで盛り上がっていてうれしい。全問解いて気持ちをすっきりさせて、函館アリーナのライブに行きたい」と話していた。イベントは9月6日まで。2問以上の発見でさまざまな景品が当たる抽選に参加できる。(今井正一)



◎夏到来 海水浴場オープン

 函館市の湯川海水浴場(根崎町4)と北斗市の七重浜海水浴場(七重浜1)が18日、今シーズンの運営を始めた。初日はあいにくの曇り空だったが、海開きを心待ちにしていた市民が集まり、水しぶきと歓声を上げていた。両海水浴場では安全祈願祭も行われ、開設中の無事故を願った。

 ○…湯川海水浴場では、午前9時過ぎから湯倉神社(湯川町2)の神主による安全祈願祭が行われた。市消防本部の隊員らが、大人2人がおぼれたと想定した水難救助訓練も実施し、万が一の事故に備えた。

 午前10時の気温は20度、水温が17・5度で、午前中の利用客はまばらだったが、午後2時半ごろには雨も上がり、この日は計177人が訪れた。

 同海水浴場は幅100㍍奥行き55㍍で、8月18日まで開設し、遊泳時間は午前10時〜午後4時半。函館海上保安部警備救難課の寺口直樹課長は「海水浴場での水難事故は数年起きていないが、十分に注意して泳いでほしい」と呼び掛けている。(蝦名達也)

 ○…七重浜海水浴場では午前11時から安全祈願祭が行われ、管理運営に当たる「さざなみ会」の役員や市職員、観光関係者ら約30人が、シーズン中の安全を祈った。

 お払いや祝詞奏上などの後、同会の寺澤十郎会長や高谷寿峰市長らが玉串を奉てん。寺澤会長は「安全できれいな海水浴場だと伝わるようしっかり運営していきたい」とあいさつした。曇りや雨の天候のため、来場者は少なかったが、函館市内の中学生らが浜辺で水遊びを楽しんでいた。

 今年は8月17日まで開場し、管理時間は午前10時〜午後4時。同海水浴場の広さは縦65㍍、横175㍍。毎年市内外から平均9000人が訪れている。


◎札幌の福祉系アイドルが施設訪問

 札幌市を拠点に活動している福祉系アイドルデュオ「Twinkle★Twinkle(トゥインクル・トゥインクル)」が18日、函館市梁川町のデイサービス・ケアプランセンターよしずみ(吉住裕幸社長)を訪れ、ボランティアライブを行った。

 同デュオは札幌在住のさよさんとちほさんの2人組。病気や障害などでライブ会場に行けない人と一緒に音楽を楽しむのを目的に、昨年2月に結成された。病院や福祉施設をボランティアで訪問するほか、乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防知識を普及するため、街頭での呼び掛け活動なども行っている。

 19日のイベント参加のために初めて来函、吉住社長の要請でこの日のライブが実現した。ダンスを踊りながら昭和の歌謡曲「ペッパー警部」などを歌い、入所者に元気を届けた。プロの歌手を目指しているというさよさんは「多くの方々と関わることができ、助けられてばかり」と笑顔。ちほさんも「初めてお会いする人でも感動を与え、笑顔になってほしい」と話していた。(蝦名達也)