2015年7月22日 (水) 掲載

函館アリーナ完成祝う、竣工記念式典 

 8月1日にオープンする函館アリーナ(湯川町1)の竣工記念式典が21日、同アリーナで開かれた。式典には工藤寿樹函館市長や松本栄一函館商工会議所会頭ら関係者約300人が出席。テープカットを行い、市のスポーツ・文化の新たな拠点誕生を祝うとともに、大型コンベンション開催による地元経済の活性化を願った。

 同アリーナは2013年9月に旧湯川公園と旧市民体育館跡地で建設工事に着手、総事業費は約79億円。2つの楕円で構成され、鉄筋コンクリート3階建て延べ床面積約1万5700平方㍍。最大約5000人収容のメーンアリーナをはじめ、200席のサブアリーナ、武道館、トレーニングルーム、多目的会議室などを備える。最新型の冷暖房や音響設備を取り入れており、全国規模の各種スポーツ大会のほか、コンサート、展示会などさまざまなイベントを開催することができる。

 式典では、工藤市長が「来年3月の北海道新幹線開業と軌を一にし、アリーナをフル活用する。全国規模の各種スポーツ大会をはじめ、各種コンベンションを誘致し、交流人口の拡大に努めたい」とあいさつし、「デザイン性にも優れたこの施設が、市の新たなランドマークとして市民に愛され、まちの活性化につながるものと確信している」と述べた。

 NPO法人市体育協会の久保俊幸会長は「関係者からの期待度はとても高く、完成を迎え、感極まる思いだ。スポーツとコンベンションを連携させ、まちづくりの一環として誘致活動を進めたい」と話していた。

 式典後には市民見学会が行われた。開始時間の30分前から、200人以上が並び、この日は約4400人が訪れた。市内在住主婦の秋山清美さん(45)は「スギの香りや会場の大きさなど驚くことばかり。息子がサッカークラブに入っているので、これからもぜひ足を運びたい」と笑顔。

 同アリーナでは25、26日に函館出身のロックバンド「GLAY」によるこけら落とし公演が行われるなど、各種イベントがめじろ押しだ。25日のライブに参加するという市内会社員の山岸達也さん(32)は「函館のファンはアリーナができるのをずっと待っていた。施設を実際に見て、以前よりも利用したいという気持ちが強くなった」と歓迎の声を上げていた。(蝦名達也) 



来夢が新函館北斗駅前にレストラン 

 【北斗】函館市で高齢者や児童、障害者福祉事業を手掛ける「来夢(らいむ)」(宝来町、大和京子社長)は21日、北斗市市渡の北海道新幹線新函館北斗駅前商業地(第3街区)に、ファームレストランと隣接農地に体験型観光農園を開設することを明らかにした。新駅の利用者をターゲットに、地元産の新鮮な野菜を使ったランチを提供。障害者や高齢者の就労支援の場と位置付け、来年2月プレオープン、開業日の営業開始を目指す。

 駅前開発でレストランの開業を表明したのは同社が初めて。レストランは「夢しるべ」と名付け、木造一部2階建て延べ約264平方㍍。敷地約806平方㍍を賃借し、道南スギを使った古民家風の造りとする。10月に着工予定。地元産や農園で採れた減農薬の野菜・果実を調理して出す。ランチの提供は午前11時〜午後3時とし、それ以外の時間を含む午前8時〜午後5時はカフェとして営業する。

 1階45席、2階16席の計61席を備え、年間売り上げ目標は1200万円。

 農園は1・65㌶を賃借し、露地栽培のほか、養液栽培方式のハウス4棟も整備。通年で葉物野菜などを栽培する計画で、農業のプロをスタッフとして雇用したという。

 投資額は約1億円。レストランは、北斗市の新幹線新駅企業立地助成制度などを活用する。就労支援事業の一つ「就労継続支援A型」として障害者20人を受け入れ、安心して就労できる場を提供する。

 大和社長は「新幹線開業に合わせ、新たな福祉の仕組みを発信できる場所にしたい。北斗市出身なので、地元に貢献したいという思いも強い」と話す。

 同社は2007年創業、函館で学童保育所やデイサービスセンター、グループホームなどを運営、年商2億円。(山崎大和)



新駅前では初の事業拠点着工 

 【北斗】来年3月に開業する北海道新幹線新函館北斗駅前(市渡)の商業地に新設するレンタカーステーションの地鎮祭が21日、駅南側に造成した建設予定地の第5街区で開かれた。今年11月末に竣工(しゅんこう)、新幹線開業日のオープンを目指しており、新駅前で初めて事業拠点の建設がスタートした。

 約5200平方㍍の敷地内に3社共同の事務所を構える。開業当初は車両数150台程度でレンタカーを貸し出す予定で、洗車スペースや給油所も建設する。

 地鎮祭には、ニッポンレンタカー北海道の佐藤譲社長、タイムズモビリティネットワークス北海道支店の江幡聡副支店長、オリックス自動車レンタカー本部の田中和稔営業第二部長のほか、高谷寿峰市長ら約30人が出席し、厳かに神事を行った。くわ入れの後、出席者が玉串奉てんを行い、工事の安全と商売の繁栄を祈った。

 高谷市長は「新幹線効果をいかにして継続していくかが課題。これを機に駅前のにぎわいをさらに演出したい」と喜びを語り、佐藤社長は「近年は訪日外国人のレンタカー利用が増加している。道内外から訪れた駅利用客にサービスを提供していきたい」と話した。

 新駅前では、レンタカーのほか、バスやタクシー事業者も二次交通の充実に向けて体制構築を進めている。(毛利祐一朗) 


GLAYがファンお出迎え、ライブ準備加速 

 人気ロックバンド「GLAY」による函館アリーナこけら落とし公演が間近に迫り、函館市内では雰囲気を盛り上げる準備が加速している。21日にはメンバーの写真付きの市電が運行を開始。ファンを出迎える函館空港でも自動ドアにメンバーのラッピングを施し、ファンを出迎えている。

 市電のラッピング広告は2012年の緑の島でのライブに続いての実施で、今回は27日までの期間限定。9603号車(らっくる号)には1㍍四方、8010号車には高さ60㌢、横1㍍20㌢の大型ステッカーを貼り付けた。市交通部事業課は「ライブ会場の函館アリーナまでの移動に市電を利用してもらえれば。車体を見かけたら記念撮影も楽しんでほしい」とする。

 函館国際観光コンベンション協会は、函館空港の国内線到着ロビーの自動ドアに同様のデザインのラッピングを施した。23日にもJR函館駅の改札口に縦45㌢、横4㍍30㌢の歓迎看板を設置する。

 同協会は「GLAYの力で函館アリーナのオープンを全国にPRできるのはとてもありがたいこと。函館に訪れるメンバーやファンを温かく迎えたい」としている。(今井正一、金子真人)