2015年7月23日 (木) 掲載

新幹線開業後イベントの概要固まる

 函館市の官民で構成する市新幹線開業記念イベント実行委員会は、北海道新幹線開業後の2016年7〜9月に開催するメーンイベントの概要を固めた。イベント名は「はこだてグルメガーデン」で、屋外レストラン「はこだテリア」の開設や道内各地の食・物産・観光が一堂に会するロングランイベント。JR函館駅の隣接地を会場に「美食の街・函館」を全国に発信する。

 イベント全体の事業運営は、電通北海道と北海道ジェイ・アール・エージェンシーを最適提案者に選定。メーン会場は同年7月1日から8月31日までの62日間、開設する。来場者が飲食を楽しむために636席(雨天対応席288席)を設けるほか、自治体のPRやゲストによるイベントなどを行うステージを設置する。

 会場には、道産食材や飲料にこだわった屋外レストラン「はこだテリア」を常設。事業は、タレントの大泉洋さんらが所属する「クリエイティブオフィスキュー」と関連会社の「リンク&ループ」が受託した。道内外の人気シェフらとのコラボレーション料理の提供を想定する。

 また、7月の毎週土、日曜日の計10日間は、「北海道うまいもんサミット」を開催。道南、道央、道北、道東、胆振・日高(日胆)の5エリアからグルメ・物産が週替わりで登場し、道内全体の魅力を函館から発信する。

 また、全市的な取り組みとして「函館まちごちフェア」を9月末までの92日間開催。市内飲食店100店舗に協力を依頼し、道産食材を使ったオリジナル料理を提供してもらい、参加店情報は無料の小冊子にまとめる。

 市企画部新幹線開業イベントプロジェクトチームは「開業後に初めて迎える観光のトップシーズン。JRによる青函デスティネーションキャンペーンとも連動し、イベントをひとつの観光資源として多くの人を呼び込みたい」としている。(今井正一)



市電の1日乗車券 リニューアル

 函館市企業局交通部は市電の1日乗車券をリニューアルし、利用年月日部分の数字を削り取って表示するスクラッチ方式の乗車券を導入する。全国の路面電車事業者などで採用されている方式といい、手書き記入をやめて、乗務員業務の軽減を図る。北海道新幹線を意識して緑と紫と白を基調とし、本年度版に刷新した路線案内図「ICASMAP(イカスマップ)」と同デザインで、23日以降の販売分から、順次、新乗車券に切り替える。

 デザインは、2011年からマップ制作に協力する公立はこだて未来大学の木村健一教授の学生が担当。同部事業課によると、1日乗車券の発行枚数は年間約20万枚。車内で購入した場合には乗務員が日付を手書きで記入していたが、新乗車券導入で運行遅延防止につながるとする。

 乗車券は手に持って乗務員に見せやすいように縦に細長いサイズ(A6判2つ折り)とした。担当した情報アーキテクチャ学科3年の奥村美奈代さん(20)は「マップとの統一感や見せやすさを意識した。実際に電車に乗ってみて利用者の反応を見てみたい」と話す。

 また、マップは6人の学生が担当し、A4判3枚分のサイズを6つ折りした大きさ。昨年度版まで別刷りを折り込んでいた乗車券購入者へのサービス情報も盛り込んだほか、沿線とバスを含めた路線図、函館駅を中心として市内観光地への移動時間や交通手段を図式化したアクセスマップなどを掲載。増加する外国人客向けに市電の乗り方、運賃の支払い方法などを5カ国語で初めて表記した。

 全体を統括した4年生の斉田萌さん(22)は「情報量も増え、昨年よりも利用しやすいマップに仕上がった。観光客や修学旅行生が多く利用すると思うので、市内の移動に役立ててもらえれば」と話している。(今井正一)



吉田食品社長 工芸菓子最優秀技術賞…全菓研連コンテスト

 函館市高盛町の菓子製造業吉田食品の吉田貴之社長(43)がこのほど、愛知県内で開かれた全国菓子研究団体連合会(全菓研連)の第6回技術コンテスト工芸菓子部門で、グランプリに次ぐ最優秀技術賞を受賞した。テーマは「秋の野」で、砂糖や餅などを使用してつくったリンドウやノコンギクの花をあしらい紅葉を表現した。繊細な色合いや葉の形など、細部にもこだわり、おもむき豊かな作品が評価された。

 吉田さんは2013年から3年連続で全菓研連のコンテストに参加。今年は工芸菓子部門に約40点の出品があり、来場者の投票でグランプリ1点、最優秀技術賞2点などの受賞作品が決まった。受賞は3年連続で、今年2月には「全日本和菓子品評会」でも第2位に当たる最高大賞を受賞した。吉田さんは「グランプリ狙いでしたが、そう簡単には受賞できなかった」と悔しさをにじませる。

 今回の作品は「空間を意識しながら光や風が感じられる作品をつくりたい」と3カ月ほど前から構図やデザインをスケッチするなど作品アイデアを練り、実際の制作作業には約3週間を掛けた。連日、業務の終了後に深夜まで作品づくりに取り組んだ。

 淡い青色のリンドウの花や白く愛らしいキクの花は、つぼみのままであったり開き方にも違いがある。赤く色づいたツタの葉も紅葉の進み方が違うように色合いを工夫したり、葉には虫が食べたような跡があるなど、細部こだわった作品に仕上げた。

 同社は来年1月に市内西桔梗町に新店舗を開設を予定。工芸菓子の世界を広く知ってもらおうと、店舗内に展示スペースを設ける計画だ。吉田さんは「季節が感じられるように定期的に作品を入れ替えていきたい。『吉田作品はこうだよね』と言われるような、自分の世界観や構図を確立を目指して取り組んでいきたい」と話した。(今井正一)


道南の食紹介 26日に元町でイベント

 函館と近郊の食などを紹介するイベント「Power to the 道南!」が26日午前11時から、元町公園(函館市元町12)で開かれる。約30店が地域の食材を使ったグルメを提供するほか、歌やダンスを披露するステージショー、ものづくり体験など多彩な催しを繰り広げる。

 函館青年会議所(横田貴之理事長)が主催。約8カ月後に迫った北海道新幹線開業を見据え、函館・北斗・七飯の各市町が持つ観光資源を再認識し、地域への愛着を深めてもらおうと企画した。

 フードエリアでは、ホッキしゅうまい(正午〜)やチーズ(午後5時〜)、生トバ(同6時10分〜)などを先着100人に無料提供。約1時間前から整理券を配付する。

 体験コーナーでは、午前11時半と午後2時、同4時から、バラのドライフラワーを入れたキャンドルづくりなどを実施。各回15人限定で、開始1時間前に会場の総合受け付けで申し込む。このほか、午前11時から、暁月めぐみさんらのステージイベントやフォトコンテストなどがある。

 午後8時まで。当日は函館港西埠頭(ふとう)に無料駐車場を用意。10〜30分間隔で会場までの無料シャトルバスを運行する。また、会場内の様子をフェイスブックなどに投稿すると、先着500人にタンブラーをプレゼントする。問い合わせは同会議所(TEL0138・26・8563)へ。(山田大輔)