2015年7月29日 (水) 掲載

青森ねぶた到着

 8月1日に開幕する「開港156周年記念函館港まつり」のパレードに参加する青森ねぶたが28日、函館市内に到着した。荒れ狂う津軽海峡を渡る源義経が題材の「龍馬渡海(りゅうばとかい)」で、迫力満点の作品だ。2日に行われるパレード「ワッショイはこだて十字街・松風コース」に登場する。

 青函ツインシティ交流の一環で、隔年で青森市からねぶたが贈られている。今年のテーマとなった義経伝説では、津軽半島北部の三厩(外ケ浜町)に到着した源義経は、荒れ狂う津軽海峡の波がおさまるよう観音像に祈願。義経は観音が姿を変えた白髪の老人から3頭の龍馬を授かり、北の大地へと渡ったという。

 ねぶたの大きさは、幅7㍍、奥行き5㍍、高さ2・6㍍で、パレードでは台車に乗せて高さ4・5㍍ほどになる。たくましい龍馬にまたがり海峡を越える義経の姿を表現し、北海道新幹線で結ばれる青函新時代の到来を重ね合わせた。当日は市民から募集した跳人(はねと)とともに港まつりを盛り上げる。(今井正一)



港まつりのパレードで新幹線開業PR

 北海道新幹線開業に向けてPR活動に取り組む函館商工会議所青年部(齋藤利仁会長)は「新幹線はやぶさPR連合隊」を編成し、8月2日の函館港まつり「ワッショイはこだてパレード」出演する。パレード向けて関係団体と連携して準備を進めており、約7メートルのはやぶさ型みこしを用意、ダンスなど多彩なパフォーマンスで会場を盛り上げていく。

 「函館はやぶさPR隊」の活動を行っている同青年部は、新幹線開業を盛り上げようとしている市民、団体の認知度向上を図ろうと、関係団体とともにパレード参加を企画。函館を拠点に活動しているソウル音楽バンド「木下さんと『愛と哀しみの黒汁楽団』」、函館市西部地域振興協議会、NHK函館放送局、道教育大函館校の学生ら総勢約200人のPR隊を編成し、「十字街〜松風コースサマーカーニバルの部」に出演する。

 同校では25日、黒汁楽団が制作した北海道新幹線の応援ソング「新幹線に乗っちゃって!」に合わせたダンス練習が行われ、黒汁楽団メンバーの木下博喜さんらが同大生に振り付けを伝授した。齋藤会長は「パレードには新幹線のみこしの前で、皆さんに先頭に立って踊ってもらい盛り上げてほしい」と激励し、同大3年の渡邊夏美さん(21)は「簡単な振り付けなので、私たちと一緒に踊って楽しみましょう」と話していた。

 函館港まつりは、2日は十字街〜松風コース、3日は堀川〜五稜郭コースでパレードを実施。5日は歩行者天国、函館港おどり、いか踊り大会、ワッショイはこだてコンテスト表彰式などが行われる。問い合わせは実行委員会(TEL0138・27・3535)へ。(能代俊貴)



函館市8月から有楽町に移住PRブース

 函館市は8月1日から、首都圏の移住希望者向けに東京都内にPRブースを設置する。JR有楽町駅(千代田区)前にある東京交通会館5階の移住相談窓口「ふるさと回帰センター」に独自ブースを開設。若い世代にも地方移住の関心が高まっており、移住者向けの小冊子や各種情報誌を置いて、函館の居住環境についての情報を発信する。

 市企画部企画管理課によると、市は2012年度まで北海道移住促進協議会に加盟し、移住者誘致に取り組んでいたが、退会後は単独でプロモーションなどに取り組んできた。市内では市地域交流まちづくりセンター内に移住者向けのサポートデスクを開設。移住者同士の交流を深めるなど、移住後のサポートに重点を置いた施策を進めている。

 同センターには全国40の自治体がブースを開設。大半が県単位の出展で、昨年1年間に移住希望者から約1万2000件の相談を受け付けた。「団塊の世代」の定年退職時期が重なった2008年には利用者の約4割が60歳代以上で、20〜40歳代は約3割だったが、昨年の統計では20〜40歳代が5割を越えるなど、〝働き盛り〟の世代の移住希望者が増えているという。

 市は、検討者向けのガイドブックのほか、観光や介護、子育ての情報を提供。市内で発行されている求人や住宅情報誌なども置き、幅広い年代層に函館の状況を知らせる。

 ブースは本年度末まで開設を予定。同課は「函館はコンパクトにまとまったまちで、新幹線開業で交通機関の利便性も高まる。函館に興味、関心を持つ人がどの程度いるのか、効果を検証したい」としている。(今井正一)


世界文化遺産候補、「縄文」今年も推薦見送り

 文化審議会の世界文化遺産特別委員会は28日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)に推薦する世界文化遺産候補に福岡県の「宗像(むなかた)・沖ノ島と関連遺産群」を選定した。2013年から3年連続で審議の対象候補となっていた函館と森町の3遺跡を含む「北海道・北東北の縄文遺跡群」の推薦は本年度も見送られた。

 縄文遺跡群は、道内では函館の大船遺跡と垣ノ島遺跡、森町の鷲ノ木遺跡など6カ所、青森、岩手、秋田3県の12カ所の計18遺跡で構成。09年にはユネスコ世界遺産センターの暫定リストに登録されている。豊かな自然と共生し、長きにわたり独自の先史文化を築き上げた普遍的価値が人類共通の文化遺産に当たるとして、関係自治体が連携して世界遺産登録を目指していいる。

 東京都内で開かれた本年度の特別委では、宗像・沖ノ島と縄文遺跡群のほか、新潟県の「佐渡鉱山の遺産群」大阪府の「百舌鳥(もず)・古市古墳群」の4件が審議の対象となった。文化審議会からの推薦候補は年1件で、縄文遺跡群は今回も見送りとなった。

 函館市教委の山本真也教育長は「残念ながら選定していただくことができなかった。文化庁や国内外の専門家の指導、助言をいただき、早期にユネスコへ推薦していただけるよう全力で取り組んでいく」とコメントした。(今井正一)