2015年7月4日 (土) 掲載

◎中国国際航空 北京線定期便が就航…函館空港で出発式

 中国国際航空は3日、北京と函館を結ぶ国際定期便を就航した。初便に合わせ、函館空港国際線ターミナルで出発式が行われ、関係者約30人と出国を待つ観光客らが出席。同社日本支社の羅勇支社長は「就航することができ、うれしく思う。より多くの観光客が美しい夜景のある函館を訪れるだろう」と期待感を示した。

 中国本土と函館を結ぶ路線は3月に就航した天津線に続く2路線目。人口2000万人を超える首都との路線開設により、円安を背景に増加を続ける訪日中国人観光客の取り込みに大きな期待がかかる。使用機材はボーイング737—800型機(164人乗り)で、毎週月、金曜日の週2便運航し、約4時間で両都市を結ぶ。初日の北京発には116人、函館からの折り返し便には日本人客を含め、87人が搭乗した。今後も団体客を中心に予約状況は順調だという。

 出発式で工藤寿樹市長は「中国からの観光客がますます増加すると期待している」とあいさつし、出国を待つ観光客に「また函館に来て下さい」と呼び掛けた。羅支社長は日本各地を結ぶ路線は年間200万人が利用しているとし「日本は重要な国際市場であり、今後も運航規模を拡大していきたい」と述べた。

 中国・西安の旅行会社幹部、劉建さん(48)は30人のツアー客とともに折り返し便で出国した。3泊4日のツアーで羽田経由で本道に入り、旭川や富良野、札幌、ニセコなどを回ったという。劉さんは「西安は海のない街なので、函館湾の景色をみんな喜んでいた。西安との路線も開設できればもっと便利になる」と話していた。

 市は13日から工藤市長をはじめ、官民トップで訪中し、北京の同社と天津の天津航空、上海の中国東方航空を訪問。路線拡充や新規就航を要請し、函館観光の魅力をPRする予定。(今井正一)



◎冬の函館駅前 イルミ拡充へ

 函館市は、昨年度初めて実施し好評だったJR函館駅前広場のイルミネーション事業を大幅に拡充する。北海道新幹線開業に照準を合わせ、開催期間を1カ月間延長して11月末から来年3月末までの約4カ月間とし、函館の玄関口のにぎわい創出につなげる。市は電飾のデザインや配置、設置などを手がける事業者の公募を開始。市観光推進課は「冬の函館観光を印象づける提案を期待している」としている。  昨年度のイルミネーション事業は、市などでつくるはこだて冬フェスティバル実行委が主催する「はこだてイルミネーション」の一環として、駅前から開港通り、二十間坂などに電飾を飾り、昨年11月末から今年2月末まで実施した。

 駅前広場には、駅舎から国道に向かってアーチ状の電飾を10基設置したほか、花壇には球状の電飾などを設置。同課は「暗かった駅前が明るくなり、写真を撮影する市民や観光客も多く、好評だった」とする。

 本年度は、同実行委の事業と切り離して事業者を公募。デザインや設計、施工などを委託する。はこだてクリスマスファンタジーなど市内で冬のイベントが始まる11月28日にスタートし、新幹線開業後の来函者にも楽しんでもらうため、来年3月末まで延長する。また、昨年度は白色のシンプルな電飾を使用したが、本年度は色の変化などの工夫を求める。

 今月21日まで参加を受け付け、8月7日まで提案書など応募書類を提出。同月下旬までに書類審査、プレゼンテーション審査を実施する。委託料上限額は4860万円。募集要項は市のホームページで公開。問い合わせは同課(電話0138・21・3396)へ。(今井正一)



◎市功労者に佐藤、竹内氏

 函館市は3日、2015年の市功労者に元函館市恵山消防団長の竹内力雄氏(80)と函館市身体障害者福祉団体連合会会長の佐藤秀臣氏(67)の2人が決まったと発表した。8月1日に市民会館で表彰式を開き、市勢発展に尽力した2氏の功績をたたえる。

 竹内氏は漁業に従事する傍ら、1969年に旧尻岸内町消防団員となり、2011年まで42年間、消防団活動に従事。94年からは旧戸井町から旧砂原町にかけての6町村で構成した旧渡島東部消防事務組合恵山消防団長を務め、火災や自然災害から地域住民の安全を守り、防火思想の普及啓発や後進の指導にも力を注いだ。保護司や民生委員・児童委員としても活動し、社会福祉の増進に尽力した。

 佐藤氏は93年から北海道難病連に勤務し、現在は社会福祉法人かいせいの役員や難病連函館支部長などを務め、昨年からは道身体障害者福祉協会の副会長を務める。市障がい者基本計画など、市の障害者福祉にかかわるすべての計画策定に携わり、施策推進に大きく貢献。97年に設立した函館クリーン環境事業運営協力会の会長として、市リサイクルセンターにおける障害者雇用を支援し続けている。

 市功労者表彰は、市の教育、産業経済、保健衛生などで顕著な活動をしている市民を表彰。6月22日に開いた工藤寿樹市長ら7人の委員で構成する表彰審議委員会で決定した。昨年までに616個人、10団体を表彰している。(今井正一)


◎市内 七夕準備進む

 函館市高丘町内の子どもたちが3日、七夕の前夜祭として同町内の函館厚生院の施設を訪れた。浴衣姿で元気に歌を披露し、施設利用者と一緒にひと足早い七夕を楽しんだ。

 高丘小学校評議員の鈴木律子さん(82)が代表を務め、子どもたちが手作りのちょうちんを持って歌いながら町内を回る「高丘なかよし子ども会」として1979年から行っている恒例行事。2010年に同こども会は解散したが、施設からの要望を受け「この指とまれ会」と名前を変えて活動を続けている。

 この日は児童や保護者ら54人が参加。介護老人福祉施設函館百楽園や養護老人ホーム永楽荘、救護施設高丘寮の3施設を訪れ、子どもたちは声を合わせて「ろうそく1本ちょうだいな」と歌い、「たなばたさま」や「幸せなら手をたたこう」など5曲を披露し、利用者らから大きな拍手が送られた。

 高丘小学校6年の山名菜月さん(12)は「6年生最後の七夕で良い思い出ができた。皆さんが喜んでくれてうれしかった」と笑顔。鈴木さんは「子どもたちが施設を訪問するために、真剣に歌の練習に励んでいてくれたことが良かった」と話していた。(能代俊貴)