2015年7月7日 (火) 掲載

◎「旧ホテルシエナ」新装、ラ・ジョリー元町きょうオープン

 道内でホテル事業を展開するWBFリゾート(札幌)が改装を進めていた旧ホテルシエナ元町(函館市末広町6)が7日、「ラ・ジョリー元町」としてリニューアルオープンする。内外装を一新、「滞在型ハイクラスホテル」をコンセプトに掲げ、国内外の宿泊需要を見込む。

 同社は、同施設を今春買収。同社が運営する函館グランドホテル(宝来町)の別館として位置づけ、約2億円を投じて4月下旬から改装工事を行っていた。

 客室数は29室。約25平方㍍のツインルームを主体として、和洋室や最大4人宿泊できるジュニアスイートなどさまざまなタイプの部屋を提供する。ラウンジにはグランドピアノを設置し、宿泊客へのもてなしとして、ワインなどアルコールのサービスも行う予定だという。

 6日には、関係者約50人を招き、内覧会とレセプションパーティーが開かれた。佐賀勇悦総支配人は「ラグジュアリーリゾートとして国内外から支持してもらえるよう、おもてなしをしたい」と意欲を述べた。料金はスタンダードタイプで、1部屋1泊約2万円。(山田大輔)



◎寺下さんが伝統的建造物マップ作成

 函館市元町10の伝統的建造物「旧三浦家住宅」に住み、今年4月から「はこだて町並み資料館」として住宅を一般開放している寺下浩二さん(62)がこのほど、西部地区中心部の歴史的な建物を紹介する「はこだて伝統的建造物散策まっぷ」を作成した。建物のイラストを掲載し、観光客や市民が歩きやすいよう配慮している。

 マップは西部地区のうち、元町、末広町と大町に点在する市指定の伝統的建造物54件と、市地域交流まちづくりセンターや市文学館など、景観形成指定建築物11件を掲載している。

 ベイエリアの「BAYはこだて」からスタートし、見た人が散策しやすいルートを考えて番号を付けている。裏面には建築年や建物の構造のほか、和風、洋風、和洋折衷といった様式を掲載。さらに国際貿易港として開港後の歴史や西部地区の町並み形成の過程、各建築様式の特徴などをコンパクトにまとめている。

 寺下さんは昨年7月に同住宅を購入して函館に移住。東京で公務員をしながら、趣味で全国各地の伝建保存地区を歩いた経験をヒントに作成を思いついた。マップはセピア調で統一し、イラストは同地区の町並みを描き続けている東豊司さんが手掛けた。

 マップ作成に向けて何度も西部地区を歩き、コースを考案した寺下さん。「いろいろなタイプの住宅があることを知ってほしい。まち歩きや修学旅行生の課外学習などに活用してほしい」と話している。

 A3判カラーで5000枚作成。1枚100円で、同資料館、市地域交流まちづくりセンター(末広町4)、元町珈琲館(元町31)とギャラリー村岡(元町2)で販売している。(千葉卓陽)



◎函館市の官民トップ、13日から中国3都市訪問

 函館市の官民トップによる訪問団が13日から17日までの日程で、中国の首都北京と天津、上海の3都市を訪問する。ビザ発給要件の緩和や円安を追い風に訪日客が急増している中国本土は、函館にとっても国際定期便2路線が開設されるなど将来有望な市場。北京の国家旅游局をはじめ、各都市の航空会社などを訪れ函館の魅力をPRする。

 訪問団は工藤寿樹市長、佐古一夫市議会議長、久保俊幸函館商工会議所副会頭、渡邉兼一函館国際観光コンベンション協会会長ら11人で構成。中国での観光客誘致活動は2012年6月以来3年ぶりで、市は13年度にも訪中の予算を計上していたが、日中関係の悪化を受けてタイ訪問に振り替えていた。

 一行は今月3日に就航したばかりの函館空港からの直行便で北京入り。滞在中、中国国際航空(北京)と天津航空(天津)では、それぞれ定期路線開設のお礼を兼ねて増便の要請を行う。上海では中国東方航空を訪れ、新規路線開設の可能性を探り、同社関係者をはじめ、上海の旅行会社、メディア関係者の来函を要請する。

 また、函館の友好交流都市の天津市では市政府を訪問。函館の訪問団が訪れるのは2008年以来7年ぶりで、来年の交流都市締結15周年の記念行事実施に向けて意見を交わす。

 市国際観光課は「北京、天津では定期便の増便を視野に路線を継続してもらえるよう要請し、上海では新規路線の就航を求める。さらに中国からの観光客が増加するよう期待したい」としている。(今井正一)


◎函大谷短大、学内売店を学生が運営

 函館大谷短大コミュニティ総合学科の2年生5人が学内に売店を設置し、1日から営業を開始している。消費者のニーズに応じて商品を提供する「マーケティング」を実践で学ぼうと、仕入れから販売まで5人が担当。早くも学生の人気に火が付いている。

 5人は鄭舜玉(チョンスンオク)講師のゼミに所属。学内には売店や学食がなく、最寄りのコンビニエンスストアは徒歩約10分と不便なことから企画した。今年4月末、全学生を対象にアンケートを実施。回答を得た186人のうち、約9割が「売店は必要」と答えた。

 この結果を踏まえ、大学に研究費を申請し、商品を並べるガラスケースを購入。「価格安く、明日も来たくなる、笑顔になれる店」の頭文字を取って「KAEストア」と名付けた。

 品ぞろえもアンケートをもとに決定。カップ麺や菓子、文房具など約30種類が並ぶ。少ない支払い額で多種類の品物が買えるよう、菓子などを小分けにするなど買いやすい工夫を施した。

 サブゼミ長の佐々木崇充(たかみち)さん(20)を中心に函館市内のスーパーで商品を仕入れ、在庫は学内で保管。純利益はゼミ独自の奨学金として、ゼミ生が面接して選んだ学生に還元するという。

 学生の人気も上々だ。初めて訪れたこども学科2年の佐藤亜里紗さん(20)は「手軽に利用できて良い」と笑顔。6日現在、昼休みまでの1日3回営業しているが、「昼以降も営業してほしい」という声が寄せられているという。

 ゼミ長の塩谷未来さん(19)は「学生の生活が便利になるよう学びを生かしたい。経営は後輩に引き継ぎ、できるだけ長く続けたい」と意気込む。鄭講師は「実際に行動することで自信を付け、地域に貢献する人材を育成したい」と話している。今後は学生の反応をみながら品ぞろえなどを変えていくという。(稲船優香)