2015年8月10日 (月) 掲載

◎山車13台 華やかに 江差で姥神大神宮渡御祭開幕

 【江差】道内最古の祭礼として370年余りの伝統を誇る、姥神大神宮渡御祭が9日、町内一円で始まった。11日までの3日間、由緒ある地区の山車(やま)13台が練り歩き、町内は祭り一色に包まれる。

 ニシンの豊漁に感謝を込めて行われたのが祭りの起源といわれ、山車は京都の祇園祭にルーツがあるとされている。

 9日は朝から好天に恵まれ、人形や水引幕で飾った、それぞれの山車が大神宮で「魂入れ」の儀式を行い、その後、笛や太鼓の祭ばやしを奏でながら地元を回った。

 今年建造170周年を迎えた、道指定有形民俗文化財の山車「松寶丸(まつほうまる)」は、船頭を北広島双葉小の本間理久人君(2年)が務めた。祖父の博さん(67)は「めでたいこと。3日間、無事務めてほしい」と孫の晴れ舞台に目を細めた。松寶丸保存会の西村孝平会長(68)は「先人に感謝しながらしっかり守っていく。後世に伝承する意気込みを出して巡行したい」と話した。

 10日から本祭が始まり、午後1時から大神宮を出発し「下町巡行(したまちじゅんこう)」をスタート。いにしえ街道を巡り、同8時ごろには愛宕町商店街に山車が並ぶ。

 最終日の11日は午前11時50分から「上町巡行(うえまちじゅんこう)」をスタート。海岸沿いから市街地に入り、午後9時ごろには山車が新地町の繁華街に集結、3日間の祭礼の熱気は最高潮を迎える。(鈴木 潤)



◎氷柱にサル大喜び 熱帯植物園で夏祭り

 第5回夏祭りが9日、函館市熱帯植物園(湯川町3)で開かれた。夏日となったこの日は、約1000人が園内の水の広場を訪れ、水上綱引きや玉入れなどのスポーツ大会を楽しんだ。また、暑さをしのいでもらおうと、サル山には氷柱が置かれ、サルたちが涼む様子が来場者を和ませた。

 同園のサル山では、この日初めて約90頭のサルたちへフルーツ入りの氷柱5つが贈られた。サルたちは段差を利用して氷を砕き、氷のかけらや冷たいスイカ、オレンジを味わった。

 このほか市内のフラダンスサークル「カプア村木」やハワイアンバンド「ククナウインズ」の演奏が披露され、会場を盛り上げた。

 祖父母と来場した北斗市の森岡勇智(そよとも)君(6)は「全部楽しかった」と笑顔。埼玉県から家族で帰省中の小学5年生、小野関綾来(あいら)さん(10)は「祭りに参加したのは初めて。いい思い出になった」と喜んでいた。函館市榎本町の竹原三哉(みつや)さん(73)は「(サルたちの)学習能力の高さに驚いている」と話した。

 同園では、今後も夏日を超えた週末に、サルたちに氷柱を与えていく予定だ。(半澤孝平)



◎旅券発給 平成で最低 国際情勢の不安定など

 渡島総合振興局は、2015年上期(1〜6月)の管内一般旅券(パスポート)の発給状況をまとめた。発給数は前年を7・6%下回る2156人(男性1038人、女性1118人)で、平成に入って最低となった。円安の進行により海外旅行の〝お得感〟が薄れたほか、国際情勢の不安定化、若者の海外旅行離れなどが要因とみられる。

 道からの権限移譲を受けている市町で発給した分を含む。種類別では、10年旅券が前年比2・4%減の1203人、5年旅券が同13・3%減の953人。

 年齢別では40代、50代を除き、全ての年代で前年を下回った。40代が同1・3%増、50代が同5・9%増と伸び率は低かった。

 市町別では松前、福島、森、長万部の各町で前年より増加。函館市が同8・9%減の1554人、北斗市が同18・6%減の184人、七飯町が同7・6%減の133人。3市町合計で1871人となり、全体の9割近くを占めた。

 1989(平成元)年以降の上期の旅券発給の推移は、2000年の5916人をピークに、米国同時多発テロ事件やサーズ(SARS)騒動などで03年に最低の2256人まで落ち込んだ。今回はこれを下回る低水準となった。(山崎大和)


◎函商高珠算部 電卓の部 全国6位

 函館商業高校珠算部(高橋孝太郎部長、部員13人)が、7月29日に東京都で開かれた「第62回全国高校珠算・電卓競技大会」の電卓の部で、過去最高の団体6位入賞を果たした。珠算の部と合わせ、個人総合や種目別で計6人が佳良に輝いた。

 同大会には全国の高校生約500人が出場。掛け算や見取算などの普通計算と、利息や商品売買などの応用計算を計600点満点で競い、団体は個人総合3人の合計点で順位が決まる。

 電卓の部の団体メンバーは、3年生の高橋君(17)、石田七海さん(同)、2年生の細谷尚樹君(16)。高橋君は「昨年の11位を超えられればと挑んだ。一人一人がしっかり点数を取った結果」と振り返る。個人総合でも3等に入賞した。

 初めて全国の舞台に立った石田さんと細谷君だが「緊張せず、いつも通りの力が出せた」と話す。

 珠算の部では、3年の二藤真莉子さん(18)と2年の藤村智希君(16)、船戸美沙樹さん(同)、千里太一君(同)の4人が出場。団体、個人総合(藤村さん、船戸さん)、種目別(二藤さん)が佳良賞だった。「(団体で)もう少し自分が点数を取れていたら、と思うと悔しい」と二藤さん。卒業後は金融機関への就職を志望しているといい、「3年間数字と向き合った強みを生かしたい」と次のステップを見据える。

 日々の部活動では、全国大会の過去問題や顧問の谷口真一教諭が作成した問題をひたすら解いた。自身が高校1年で全国大会に出場した際、会場が今回と同じ東京都立第三商業高校だったという谷口教諭。「想像以上に頑張ってくれた」とたたえる。

 3年生はこの大会で引退。バトンをつないだ2年生は「11月には新人大会を控えている。珠算と電卓のダブル優勝を目指したい」と声をそろえ、闘志を燃やしている。(稲船優香)