2015年8月11日 (火) 掲載

◎ダイエーのオレンジ看板 8月で見納め

 市民に長年親しまれた大手スーパーマーケット・ダイエーの〝オレンジ看板〟が8月末で見納めとなる。流通大手イオン(本社・千葉市)が今年1月にダイエーを完全子会社化、9月1日から道内のダイエー系列の店舗が「イオン」「マックスバリュ」となるためだ。近隣住民らは、慣れ親しんだダイエーの名がなくなることに、寂しさや戸惑いの声を上げている。

 イオンは4月、ダイエーの事業再編計画を発表。9月1日付で、ダイエーが持つ道内17店を傘下のイオン北海道(札幌)とマックスバリュ北海道(同)に移管する方針を打ち出していた。

 函館・近郊では、ダイエー湯川店と上磯店がイオンに、柏木店などグルメシティ4店がマックスバリュとなる。すでに一部店舗では屋上看板の取り外し工事が始まっており、建て替えを行う深堀店は閉店セールを実施している。

 函館市民にとって、ダイエーのトレードマークは、店舗が「ホリタ」として営業していた時代からなじみのあるもの。市内の主婦(65)は、「ホリタの時から当たり前のように買い物に通っている。時代の流れなのかもしれないが残念です」と名残惜しむ。また、別の主婦(48)は「店名が変わっても、不便にならないようにしてほしい」と注文をつける。

 函館地区で、現在の2店から6店へ増えるマックスバリュ北海道の担当者は「ダイエーが築いてきた強みを生かしながら、地域に合った商品構成を考え、お客様に迷惑をかけないよう展開していきたい」としている。(山田大輔)



◎国際民俗芸術祭が閉幕

 函館市の元町公園を中心に開かれた「第8回はこだて国際民俗芸術祭」(一般社団法人ワールズ・ミート・ジャパン主催)が10日、6日間の日程を終えて閉幕した。最終日も多くの来場者が足を運び、世界中から訪れたアーティストや民俗芸術団体などが見せるパフォーマンスやイベントを楽しんだ。

 各ステージでは手回しオルガン奏者の紀あささんややジャグリングのボンバングー、ピエロのぐっちなどが登場、さまざまなパフォーマンスを披露して拍手を誘った。メーンステージでは、インドネシアから訪れた伝統舞踊集団「ワルナ・インドネシア」の華麗なダンスが会場を魅了した。

 芸術監督として全体の演出に関わった同法人のソガ直人代表理事(44)は「天候に恵まれた6日間だった。ステージのパフォーマンスも向上してきた。函館に野外フェス文化が成熟しつつあることを感じる年になった」と話し、手応えを感じ取っていた。

 4年前から家族で連日参加しているという市内の児童英語講師小西純子さん(38)は「いろんなアーティストや外国の文化や食べ物など毎年新しい発見がある。来年も楽しみ」と笑顔で話していた。(半澤孝平)



◎市税収入325億円に増加、函館市昨年度

 函館市はこのほど、2014年度の市税収入総額をまとめた。金額は固定資産税や法人市民税の伸びが影響し、前年度比9220万円増の325億8636万円。現年度分と滞納繰り越し分を合わせた収納率は93・6%、同1・1ポイント増となり、4年連続で向上した。

 市税務室によると、決算見通しでの市税全体の調定額は、現年度分が325億5709万円、滞納繰越分が22億6886万円。収入額は現年度分で319億8936万円(収納率98・3%)、滞納繰越分は5億9700万円(同26・3%)となり、いずれも前年度を上回る収納率を確保した。滞納繰越分に関しては2・1ポイントの向上で、同室は「滞納者に対する差し押さえなどの対策が効果的に働いた」としている。

 今回増加が大きかった固定資産税は、評価替えの影響がなく家屋の新増築が顕著だったことから、同1億1603万円増の127億5684万円に改善。収入の柱となる市民税は、個人が所得の伸び悩みなどから、前年度比34万円減の111億1762万円と横ばい。法人は、金融・保険業やサービス業、建設業の業績が好調に推移したことで、同6001万円増の29億9634万円となった。

 一方で、たばこ税は同1億857万円減の26億916万円。同室は「健康志向から喫煙者の減少と、税率の低い安値のたばこを購入する傾向にある」とみている。

 市は誠意が見られない滞納者に対する差し押さえの強化や、夜間催告などを実施。コンビニ収納は5年連続で収納率が上がっているという。本年度当初予算では昨年度の動向を踏まえて313億8800万円、収納率93・3%を見込んでおり、「滞納者の状況に応じた対策を効果的に行い、収納率向上につなげたい」としている。(蝦名達也)


◎五稜郭ランチフェスタ、10月初開催

 函館市本町・五稜郭地区のにぎわいを創出するイベント「五稜郭ランチフェスタ」の第1回実行委員会が10日、まちづくり五稜郭で開かれ、10月11、12の両日、「五稜郭ガーデン」(本町9)で開催することを決めた。女性や若年層の集客を見込み、市内近郊のベーカリー店の出店、野菜、果実類の販売を行う。既存のヒトハコ市や五稜郭バルとの連携を図りながら、同地区の新たな魅力を発信する。

 実行委は、まちづくり五稜郭や市、函館商工会議所などで構成。委員長に五稜郭バル実行委員長の稲場康祐さん(35)を互選した。  イベントは両日とも午前10時から午後5時までの昼間の時間帯に開催。会場の五稜郭ガーデンは今秋オープン予定のグルメコートで、中央部の広場に出店ブースを設ける。ベーカリー店のサンドイッチなどの軽食をメーンに提供する「ガーデンカフェ」と、地元の野菜やフルーツを販売する「ガーデンカフェ」を10ブース程度設け、ステージイベントも予定。2日間で5000人の来場者を見込む。

 また、両日ともに市芸術ホール前広場では恒例のヒトハコ市(まちづくり五稜郭主催)が開かれ、12日午後4時からは飲食店40店が参加し、5回目となる五稜郭バルが開かれる。3イベントを連動させる考えだ。 出店希望者は今月下旬に募集を開始し、9月中旬までに決定する。稲場実行委員長は「夜間飲食店中心のイメージが強いが、女性同士や若い人が気軽に足を運べるイベントとして地域を盛り上げていきたい」と話している。(今井正一)